人妖が日々を生きていく。
共通√から心が燃える、熱い展開の連続でした。
病院から脱出する場面は手に汗握り、おっちゃんとの別れの場面では少し寂しく思いました。
神沢市に入った後は涼一が渇望していた学校への入学を果たし、生徒会に入り賑やかな毎日となります。
生徒会の面々の個性豊かな所、掛け合いの面白さはこの作品の魅力の一つです。
狩人はまごう事なき変人で、刑二郎は面白いムードメーカーで、刀子と愁厳は少し天然で、トーニャは腹黒く、双七、さくら、伊緒の3人が真面な為に釣り合いが取れていると思いました。
涼一はすぐに仲良くなり、元々人間嫌いだったすずも徐々に打ち解けていく過程を見ているのも良かったです。
生徒会以外の男性陣も、己の信念を貫き通した光念兄弟、涼一の師である九鬼耀鋼、自らの仕事を全うした公安の比良賀など、魅力溢れる人物ばかりで脇役も目立たせようとする、ライターの底力が伺えました。
【個別√】
薫√は生徒会の面々から離れ、虎太郎先生や元人妖追跡機関のメンバーと共に九鬼耀鋼を倒しに赴きます。
師である鴉の八咫雷天流を継承し、悪鬼と成り果てた九鬼耀鋼に渾身の一撃を叩きこむ姿は心が震え上がる程にカッコよかったです。
トーニャ√は、トーニャが双七を裏切っていた事を告白する場面、生徒会で協力して敵である防神機関、人妖追跡機関と戦った場面が印象的でした。
特に身を挺して皆を守ったウラジミール、狩人、そして敵を次々に殲滅していった刑二郎と愁厳の姿は素晴らしいものでした。
最終的に妹と再会し短いながらも言葉を交わす事が出来て、トーニャも少し救われたのだと思います。
また、この√では刑二郎と伊緒の詳しい関係性の描写もあり、2人が互いに強く愛し合っている事も確認できたので個人的には良かったです。