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pixeliluさんの11eyes CrossOverの長文感想

ユーザー
pixelilu
ゲーム
11eyes CrossOver
ブランド
MAGES.(5pb.)
得点
85
参照数
8

一言コメント

学園での日常と、赤い夜での非日常。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

罪と罰と贖いの少女編
日常と戦闘シーンの緩急がはっきりとしており、途中で飽きる事もなく夢中で読み進める事が出来ました。
考現学部の中で育まれる絆、黒騎士達との戦いで生まれる覚悟、主人公の身体的、精神的成長が素晴らしかったです。
日常シーンは雪子と賢久の二人の掛け合い、それに巻き込まれる駆と美鈴先輩の姿が、物語の本筋に関わる所では全員が違う世界線を生きている事、劫の眼の秘密が印象に残りました。
最終決戦の時の駆の姿はまさに主人公に相応しいです。

虚ろなる境界編
こちらは同じ時間軸の別視点の物語で、黒騎士達との戦いの裏で起きていた事が書かれています。
現代魔術、響きだけでなく理論的な所も中二心をくすぐられました。
この話での主人公の修は駆と違い、元々魔術の知識も豊富にあり、戦術を考え出す頭脳明晰な部分も目立っており、その力を駆使して困難を乗り越えていきました。
匡や香央里も活躍していて、学園の様子を別視点で見られたのは良かったです。

余談ですが主人公のクラスの2年A組、異能者が集まり過ぎて一歩間違えれば大惨事になりそうな気もします。

どちらもシナリオ、キャラ、音楽、全てが高水準で面白かったのですが、二人の主人公が交わらなかった事だけが惜しかったです。
悲しい事に会社は潰れてしまいましたが、幸い権利はDMMが所持し、ライターの方も活動をされており、まだ望みはありそうなので、いつまでも待ってます。