何の虜囚を描いたのか分からない、恋愛も凌辱も半端な作品。
虜囚というアブノーマルな響きのある言葉。
凌辱系寝取られの場面を匂わせる公式ページのあらすじ。
全面凌辱色までは求めていなかったが、前作ぐらいの内容をある程度は期待していた。
たが、結論から言えば、凌辱系寝取られへの期待に応えてくれる内容ではなかった。
そもそもそういうシーンの有無から話を始めると、一部のヒロインに少しだけ存在はする。
ただ、主人公・ヒロイン・敵役という三者間の関係描写に色々と不足があり、
期待感を満たすには至らなかった。
主人公とヒロインとの関係については、
日常生活をしていて、気が付いたら、テストのご褒美に肉体関係になっているという有様。
互いが親しい関係にあるのは日常から分かるが、恋愛感情を持つまでの過程はごっそり抜けている。
寝取られとしては、事実関係があるぶん辛うじて許容できる範囲だが、
恋愛モノとして楽しむには程遠い出来となっている。
ヒロインと敵役の関係については、
設定として顔見知りの関係だが、お互いに良くも悪くも特別な感情は抱いておらず、
作中でもここの関係を示唆する様な場面は殆ど見られない。
つまり、凌辱系寝取られとして、ここからは敵役の悪っぷりを見て取れない。
主人公と敵役の関係については、
主人公が敵役の事を好きにはなれない、といった程度の描写は見られるものの、
何か具体的なエピソードがあっての嫌悪感ではなく、直感的なもので止まっている。
また、敵役の主人公に対する感情については、殆ど描かれていない。
つまり、ここからも敵役の悪っぷりを見て取れない。
この状態から、唐突にヒロインは敵役に拉致され、薬で快楽漬けにされて犯されるのだが、
これだけ三者間の関係描写が希薄な状態からでは、盛り上がりに欠けるというもの。
見方を変えれば、寝取られではなく、単なる凌辱シーンを差し込んだだけとも言えるが、
バッドエンドのみで存在するため、シーン数に物足りなさがある。
そのうえ、最初から薬による快楽漬けではバリエーションも不足するため、
凌辱モノとして楽しむにも厳しい内容となっている。
そして恋愛の部分については、前述の通り。
虜囚という言葉も何についてのものか分からないが、
それ以前に、この作品のどこか見所なのかもよく分からなかった。