とてもよく出来たB級ロマンポルノ。毒にも薬にもならないけど、それがこの作品の良い所でもある。
ヒロイン・サルテが自分の死に際を追体験しつつ、「なぜ自分は死んだのか」を探っていくお話。
演出が叙述トリックめいてはいるものの、ミステリーというには陳腐。やっすい昼ドラをうまいこと料理して高尚っぽくお出ししましたよ、という感じ。
作中で喜劇と自嘲されるように、そのストーリーや登場人物は「客観的に見れば」お世辞にも魅力的なものではない。
けれど醜く足掻き続けたその顛末と終幕のサルテの語りはビターな快さを残している気がする。