すごいボリューム。しかも私がプレイしたことのあるエロゲの中では一番作りこまれている。
リトルバスターズ!をプレイした感想は作り手の情熱を感じたということだった。ミニゲームからシナリオ、背景、キャラ造形まですべてハイレベルだったと思う。全体の雰囲気もとてもよかった。特に気に入った場面は、理樹がrefrainで恭介たちと別れ、病院で目が覚めて鈴を守っていくと誓った場面と、理樹がナルコレプシーを克服するために無意識まで潜り込み、飲み込まれそうになりながらも鈴の支えによって克服をしたという場面だ。前者はもう、恭介たちは、リトルバスターズのメンバーはいないという虚しさと悲しさを感じて感動し、後者は心理学を学んだ麻枝さんらしい臨床心理学の描写が織り込んであっておもしろかった。
気になったのは少しキャラの精神年齢が全体的に低いように見えたということだろうか。まあ、それでもエロゲとしてはとてもレベルの高い作品だったと思う。
エクスタシーになって佳奈多、沙耶、佐々美の三人が追加され、特に沙耶はゲームやシナリオに大変力が入っていた。しかし、私が一番好きなシナリオ、ルートは無印のをふくめ佐々美のルートである。前述のお気に入りの場面を含めても一番好きなのはこのルートだ。なぜならこのルートが唯一作中で「あの世界」を作ったものの中で生還する描写がなく、それでいて佐々美の救済が描かれていて、とても美しく綺麗に思えたからである。あの何とも言えないさみしいような心洗われるような描写にはとても感動した。
総合評価:大変すごいボリュームでありながら細部まで作りこまれており、作り手のすさまじい情熱を感じる作品だった。ミニゲームも面白くここまでシナリオ、グラフィック、演出、システム、キャラ魅力、雰囲気、声優、BGM、op、ed、挿入歌が優れている作品はなかなかないように思える。ぜひともおすすめしたい作品である。