最序盤の引き込み、終盤の怒涛の伏線回収は素晴らしい。
私としては、シナリオの技巧に埋もれてしまったヒロインのことが気になり、終わり良ければ総て良しとはいかなかった。
初めから終わりまで主人公に寄り添い、唯一主人公を未来に返すことを決断して実行した所長はまさにヒロインとして相応しい風と格を持ったキャラクターであり、非の打ちどころがない。
ドラマティックに主人公の正体を暴き、感動的な離別を演出する様は圧巻だ。
…くんかくんか足コキで主人公と一緒に3発致すほどにはエロいですし。
ただこの所長と挑む解決編のために他3ヒロインが唯々布石として使われたことを思うと少々いたたまれない。
他3ヒロインの物語が盛り上がれば、あるいは他3ヒロインの物語を忘れてしまうほど解決編が傑出して感動的なものであればこの感情も抱かず、まさに終わり良ければ総て良しで自分の中でも綺麗に終われたのだが、そうではなかった。
ただシナリオ自体は本当に読みごたえがあり、痛快だった。