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perusha21さんのDies irae ~Also sprach Zarathustra~の長文感想

ユーザー
perusha21
ゲーム
Dies irae ~Also sprach Zarathustra~
ブランド
light
得点
86
参照数
3272

一言コメント

“客”には、権利がある。期待もその1つであろう。しかし、それに答えられないといって罪ではない・・・。あくまでも“マナー”上の話であるのだ。まぁお決まりだが、信頼関係を築こうじゃないか・・・と言う事だが、これほど叫ばれていて且つ現実味を帯びない“お決まり”は無いのもまた事実。今回の広報の活動に関しては甚だ疑問であるが、まさか社内の情報伝達が機能してないということはないよね?よね? ゲームに遊ばれるのでは無く、“遊ぼう”。・・・って、これエロゲーだから遊び用が無い!?やれるのはシナリオの脳内保管位か・・・。まぁ愚痴はダラダラと・・・

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

まぁ皆さんが仰っているルートが減った事による弊害は今更であるので、敢えて挙げないことにします。


まずは・・・







☆作品における広報の活動の正当性について
例えどれ程期待させる様な内容がOHPに書かれていたとしても、我々は我々の“判断”により商品を選ぶ。
判断の結果だからとも言えなくとも無いが、“オーラ”を前面に出し且つ普通のジャンルとは違い判断する材料が限られる、またその判断材料の大きな鍵となるシナリオライターについて正しい情報が直前まで得られなかった、など諸々の理由よりその正当性を問われる事は当然であろう。
客は結果しか求めない。これは毎度思うが、この業界その意識が低いのではないだろうか。





☆作品について





まず言っておきたいのは、









複数人ライターによる作品自体の“ゲシュタルト崩壊”が起こっているという事。
・・・やめてくれ、俺のlightへの認識がゲシュタルト崩壊しそうだよ・・・ほんと。










なんというか、主人公に“個”が無い。簡潔に言うと流されやすい。前後の行動・言動が支離滅裂。これにより作品のイメージを格段に悪くしている。
が、この配役は全て彼の親友が承った。これにより主人公以外の“個”が少し強く見えたのは好印象。ただ、主役を喰っているのでは無く、主役が薄すぎるから強く見えなくも無いという事。
私的な意見を述べさせてもらうと(満足したい作品には徹底的に)、彼を非日常に割り込むためご都合主義を遺憾なく発揮したのには憤慨した。せめて何かしらの理由をつけろと。(特に香純ルートはオカシイだろうと。マリィルートでは、聖遺物を手に入れる前まで)





また、バトルの土台が揺らぐ。これも勿論主人公の影響もある・・・が、それだけとは言えない。先程主人公以外の個が際立つと言ったが、これに当てはめられるのはベイ位しかいない。
何より解せないのは、三騎士の扱いについて。丁重に扱うべき所だろうというのが無論分かっているだろう。プレイし終わったユーザー諸君は分かるだろう。何でベイで結構熱かったのに“ココ”こんなにあっさりしてるの・・・?と。簡単な話。
恐らくは、そこら辺で複数のライターが関わった・・・という事が。だが、薄さにより救われた?のか故意なのかは判断出来ないがラストバトルに強い意味と関心を持たせることが出来たからだ。
ラストバトル付近で正田氏が復活したのか、それとも他のライターが力を振り絞ったのかは定かでないが結末としては良かったと思うというか、それしかないだろと思った結末がきて安堵、納得した。





愛はエゴ。エゴは世界を、魂を切り開くって?
















滑稽でいて、美しい・・・――――――――――――――――――――




私見としては、キャラの本質を理解し場を練り上げ統制すべきだったと考える。簡単に言えば、下っ端の熱さをもっと隊長らに分けるべきだったという事。
まぁもう一度シナリオ構成なんて締め切りまで間に合わないだろうからシナリオを付け足そうとしたため、“三騎士”のバトルが疎かになっているだろうから無理な相談だろうけど。
ならばせめて、過去話を挿入すべきだったろう?ちょっとした小細工でもバトルに意味を持たせられる。この小細工により、螢ルートや玲愛ルートを渇望するユーザーだっているのだから。
それともそんな余力も残されていなかったのか?





と、叩いてばかりいても仕方ない。シナリオ以外は全て高水準だったと言えよう。特にCG。この原画さんの作品は全て購入しようかな、と迷わせるほどお気に入りになった。
また演出についてR.U.R.U.Rの時でも思ったが、レベルが高い。少し思ったのが、解像度もう少し上げてほしいかな?というところ。









☆テーマに対する妄言(飛ばして結構です)
最後に、これはいつも嘆かわしいと思うことだが何故皆作品のテーマ性について書かないのだろうか・・・。ようは、それ自体がゲームを司る“ソース”になってしまっているのか、いやもしくはそれが“真”であるのかもしれないが。


既知感って一体なんだろうか?






誰しも一度感じたことがあるだろう?私もある。
・・・只、それは禁忌の言葉。人生全てを灰色にしてしまう全ての言葉。その先に見出すのは虚無。













「私たちは永遠に未知でなければならない」









神の手札も尽き、人間が未知で無くなった時、世界はどうなっているんだろう?

―――――――――――――――――――ふと、そんな事を考える。






☆俺の一言


嗚呼、マリィ、お前は美しい・・・。お前が娘であったなら娘○妹の小鈴の様に俺が孕ませるのに・・・