フリーソフトでここまで感動したのは『鬼畜王ランス』ぶりではないだろうか・・・。
まず、第1講までプレイすると退廃的な雰囲気と謎めいた『先生』の存在から『笑ゥ○ぇるすまん』を連想させらたが、第2講から大分雰囲気が変わり始め、第5講を終えたときには満足感に溢れる気持ちであった。
社会批判ノベルということもあり、内容は政治・宗教・教育・戦争などの裏事情を挙げて作者の批判が物語を作っている。
確かに納得できる答えもあれば、たまに物語に沿うように虚実が織り交ぜられた事例もあり納得できない答えもある。
全てに頷けない自分ではあったが、よく考えさせられたのは確かであった。
そこにこの作品の価値があって高く評価できる部分だと思う。
作者自身があくまでも「フィクション」であると述べているのも、物事の真偽よりも今作がプレイヤーに現代の日本を改めて考えるきっかけになってもらいたかったのではないだろうか・・・。
もちろん、社会批判以外というかその延長で綴られる各講のストーリーも全てが何らかの繋がりを見せ面白く仕上がっているし、おもわず泣けてしまう物語もある。
特に第3講は主人公に不幸が降り注ぐことは何となくわかっていたが、もうこれ以上は。。。。って涙ながらに願ってしまったぐらいだ。
この批判だけに止まらないストーリーは良く出来上がっていて感嘆ものだと思う。
まぁ、若干最後は足早すぎたかなと思いもするけど・・・。
同人、フリーソフトという考慮もあり点数は高めに付けたがやって損はないと思うし、ぜひプレイしてもらいたいかな。
エロゲーの合間にこういう作品をプレイするとエロゲーに冷めちゃうけど・・・。