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pepperさんの続・殺戮のジャンゴ ─地獄の賞金首─の長文感想

ユーザー
pepper
ゲーム
続・殺戮のジャンゴ ─地獄の賞金首─
ブランド
NitroPlus
得点
88
参照数
435

一言コメント

近未来、現代、過去を融合させた独自の世界観はまさに秀逸である。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

独自の世界観の中にもシナリオの深さ、燃え、笑いにあと若干の遊びを加えた作品の出来は坩堝と言えよう。
そして、その舞台であるスイートウォーターも正真正銘の人種の坩堝である。

そんな彼らの共通点は常に明日への希望を持っていること。
農民はいつかは現れるかもしれない本当の革命家を待ち、
盗人は明日には手に入るかもしれない大金に思いを馳せ、
権力者は己の地位の向上の為に策をめぐらす。
そして、希望を失った者はその時点で『死んだ』ことになるのも共通点である。

その世界と同じように苦闘と希望の日々であった西部開拓期と合わせて完成させたのが本作の素晴らしいところでもある。


敢えて欠点を挙げるならば、後半の400人斬り以降はこれまでスイートウォーター全体の話を物語の中に入れて進んでいたのに、そこからは主人公一個人が話の中心となってササッと完結してしまったことである。
プロトゾアンや唯一の銀河都市、レアメタルの存在など今後の展開の大きさを匂わせておいて全て切り捨てたのだ。
多少長くなってもいいからそれらの点を解決してもらいたかったかな。
まぁそれで最後のあの感動と爽快感が生まれるかどうかは、少し悩むところでもあるのだが・・・。