プレイ後に少し物足りなさが残ったが、これはこれで良いのかな。
シナリオというより世界観と日常の雰囲気の作り方が極まっていた。
アリスの旧作でよく使われているあの面倒な会話システムを上手く利用して、アズライトとレティシアの日常を必要と無駄のギリギリの線で描き出しているので、そこから一転する日常は常に衝撃的なものを与えてくれた。
このようにストーリーを進める上でシステムを上手く利用しているのは、今までプレイしたアリス作品の中では本作が一番ではないだろうか。
AmbivalenZをプレイした時は本当に面倒だなぁと思いながらも進めていたのをよく覚えている。
そして、少し物足りなさを感じさせられたのがEDが絵に描いたようなハッピーエンドだったこと。
別にハッピーエンドでも悪くはないけど、やっぱりそこまで進めたプレイヤーとしては他の何かを心の中でもっと期待していたと思う。
アトラクナクアのように、奇麗じゃないけど後味が悪いということでもなく、それでも思わず納得してしまうようなEDを。
それまでのシナリオで感じ方は様々ではあるが、本作が他の作品より秀逸であることを多くのプレイヤーが感じ取っていたと思うからこそ、誰でも思い描けるような平凡なハッピーエンドをあまり描いてもらいたくなかった。
でも、仕方ないと言えばそうなのかもしれない。
もう2つのBADENDっぽいEDをもっと掘り下げてくれれば・・・。