楽しめる作品ではあるけれど・・・。
一応シリアスなシナリオなんだけどギャグ要素のほうが多くて、真面目に作ったのか遊び半分で作ったのかわからない作品。
EDの数だけでは業界作品トップクラスなのでは?
シリアスな部分を評価するなら、死を目前とした人間の壊れっぷりを雰囲気やテキストともに表現できていると思う。
実際にこんな世界征服までできてしまう資産家はいるのだろうかと疑問に思うが、極端な設定だからこそどんなものよりも人間の貪欲さを表現できるのであろう。
それに、欲しい物はすべて手に入ってしまう虚しさと死に対する孤独感が交わったときに生まれる言い表せない感情を主人公の境遇をもとに作中に醸し出しきっている。
ここまでの点だと良く出来た作品であると思う。
あとはギャグ要素の部分なのだが、滑ることが多くて内輪だけで盛り上がったようなシナリオばかりである。
もちろん中には面白い内容もあるし、個人的には穂澄関連のギャグEDには笑わせられたが、ここまで笑いの方向に持っていかれるものだから、折角のシリアスに出来上がった作品が崩れて台無しになってしまっている。
この作品に関してはギャグ無しで作ってもらいたかった。
なので総評としては、「可もあり不可もあり」といった感じで平均並み。