命を懸けた純愛と復讐劇の結末に、思わず涙してしまったヒューマンドラマの傑作。
初めて、るーすぼーいの作品をプレイし終えて、直ぐにファンになってしまったのは数年前。
これがその「Ｇ線上の魔王」である。
各章ごとに区分けされた構成と、選択しだいでその章ごとの担当ヒロインの個別√に入る展開は、エロゲ初心者にはプレイしやすい作品。また各所で流れるクラッシクをもじったＢＧＭは、Ｇ線の世界観を鮮明に彩る役割を与えてくれます。気にいったらサントラの購入を勧めます。
話のテーマは、命がけの純愛と復讐のヒューマンドラマ。映画なんかにしたら面白いと思えるシナリオの秀逸さと惹きこまれるテキスト。また登場人物の視点が切り替わるザッピングが良く使われており、キャラの心理描写とその場の臨場感が伝わってくる仕様になっている。この業界では珍しく、戦闘シーンよりも頭脳戦(心理戦）を中心に勇者ハルと魔王が対峙し最後まで気を抜けない展開になっていました。
なんだか宣伝みたいになってしまいましたが、それだけ多くの人達に自信を持ってお勧めできる作品だからです。物語を客観的に分析して理論武装でプレイするより、主観的に世界観に浸り、登場人部たちと共感してプレイしたほうが断然感動できます。
惜しむらくは、起動ディスクが必要ということ。私自身ＰＣでＤＶＤを見る派なので、いちいちディスクの取り出しの面倒さと、どうしても細かい傷がつくのが気になるので、次回作では改善してもらいたいです。また個別ルートでのあるヒロインの出来具合が他と比べてマイナスなのは頂けないと思います（プレイした人ならお判りでしょう）。そうしたことで少し点数を下げていますが、私にとっては数少ない涙を誘った感動作で、今でも鮮明に思い浮かべることができる名作です。