王道の果てに名作が生まれることを証明した作品
もっと早くこのゲームに出会いたかった(^^)/
2007年度の萌えゲーアワード大賞に相応しい作品だと思いました。
本作を通じて、奇抜な設定や予測困難な展開・ハデなアクションなどを必要とせずとも、
多くの人に受け入れられるストーリー(王道)を忠実になぞりながら推敲することで、
名作へと昇華させられるのだと、改めて勉強させられた気がします。
【以降、ネタバレを極力含まない本編における簡単な感想】
男の理想の職業(非公開)でトップ5に入るだろうと思われる御嬢様学院の先生。
その教師を主人公に置き、尚且つ男性教員と女学院生たちを一つ屋根の下で寮生活を送るお約束。
王道ゆえの純愛ストーリーなのですが、その濃縮加減は他の追随は許さないほど圧倒的な濃密さにあると思われます。
分校・本校共に素晴らしい出来であり、彼女たちが抱える苦悩に対して真っ向から受け入れる主人公の器の大きさは尊敬もの。
総じて良質な人間ドラマを魅せて貰い、テンポが良いため久々に時間を忘れ去れてゲームに惹き込まれました。
もう少し詳細に語ってみると、
作品全体の質を高め調和させたBGMと演出面の表現力の高さも然ることながら、
分校√における群像劇に始まり、定番の萌とエロゲーらしさを突き詰めながらも、練り込まれた世界観に思わず舌を巻く程です。
また本校√においては内省的でヒロインの心情面が細かく明記され、主人公の内面を深く扱う事で感動的なプロットを築き上げています。
一つの作品に二人のライターの特徴が良く出ており、それぞれ別々な物語として独立展開させながらも、
主人公の性格が微妙にずれていること以外、設定的な破綻が見受けられず、整合性が取れた完成度の高さには驚きを隠せません。
そして各種要素を内包した事により、飽きの来ないストーリーと幅広いユーザー層の獲得に成功している点も評価されるべきでしょう。
このように多くの方に高評価される理由が幾つも見つけられるゲームであり、
そうした作品に出会えるからこそ、美少女ゲームが未だに辞められないんだと思います(^-^)