ただ後に強く残るのは、言いようのない虚脱感と喪失感……。英雄の代価が多大な悲劇の連続性ならば、今回はさぞ高くついたのだろう。心奮える物語を紡いだシナリオライターに賞賛と尊敬の念が湧き上がる一方で、その頬を『ばか野郎っ!』と本気で張り倒したいと思える自分がいた……
(Windows7対応版をプレイ)
ニーチェの言葉に『神は死んだ』とあるが、少なくとも祈れば救ってくれる神のような存在は、この世界にはいなかった。
それだけご都合主義を極力排除して、人類存亡を懸けた戦争という現実を色濃く反映した壮大な人間ドラマを描ききっている。
かつて第二次世界大戦で護国の為に散った神風特攻隊の若き兵士達の想いに馳せるかのように、
本当の意味で命を擲って、大切な人を守り、未来の可能性を勝ち取る行為の尊さを教えられた気がする。
ただし、其の為の犠牲があまりにも多過ぎた。
戦争の悲惨さを直視すれば、命の儚さも致し方ない面もあるが、ある特定の彼女達の死は意図的であると推測する。
偏に白銀武の成長を促す役割、物語の演出・構成上の都合、約束された結末に至る為の選別とも解釈できる故に。
だが彼女達の死を否定し、あまつさえ間違っていたと思う事は決して許されない。
それこそ侮辱であり、彼女達の死を穢し、死に様を踏み躙る行為に他ならないのだから……。
死を無為な物にしない為に、我々は例え納得できなくとも、英霊達の生き様を理解する必要があるだろう。
でなければ、あれだけの共感と感動は生まれないはずだ。
しかしながら、それでも理性では押さえつけられない感情の迸りに関しては、ライター陣に責任を取ってもらおうと思う。
物理的には流石に無理なので、せめてこの場で『ばか野郎っ!』と文句を書くぐらいは、どうか許して欲しい。
そして制作に関わった全ての人に『この物語を制作して、どうもありがとう!』と伝えたい。