取扱要注意。けれど燃えゲーマーにこそお勧めしたい作品でもあります
関東邪法街という超常現象が跋扈する魔窟都市を舞台にしたクルーエルノワール(意訳すると残酷な世界)ADV。
グロ・リョナ・アヘ顔てんこ盛りなガチのハードコアも相まって、そっち方面から多大な支持がありそうな作品。
ここまで挑戦的でニッチなエロスを突き詰めたのは、ある意味凄いんですけど、個人的にはもう少し加減してくれると助かりましたね(^^;)。
(実を言うと、切断や四肢欠損等の回復不能な血が噴き出す肉体的損傷行為による“リョナ描写”は大の苦手なんです!)
私も相当の変態なので何とかなると思っていたのですが、18禁制のスプラッター映画並みのリョナにはやっぱりキツイ物が有りました。
とりわけキャラに愛着が湧く前にヤラれてしまうので、普通の快楽攻めならまだしもマジモンの拷問・苦痛攻めには流石の私もドン引き。
その所為か胸糞悪くなって、もうほとんどのHシーンをクリック連発の流し読み状態です。
(グロ非表示設定できるのも勿論知ってますが、怖いもの見たさの好奇心が邪魔して結局終始そのままでプレイしてしまいました。←アホです)
ですがコレを嬉々として興奮しながらマスをかく人は、失礼を重々承知で書きますが極度の重症患者かと思いました。
最も一番の重篤患者はこの作品のシナリオライターと絵師等でしょうが……。
そのせいか、かなり人を選ぶというか、むしろ一般人には間違っても手が出せない作品に仕上がっていますね。
(耐性の無い人は本気でトラウマになるんじゃないかなぁと、恐れながら危惧してます)
ですがその一方で、従来の抜きゲーと異なりシナリオ方面にも心魂を傾けた製作が為されているのは好感触。
むしろ私は其れこそが本作品の高評価に繋がっているのではないか?という見方をしています。
綿密に練られた設定を如何なく本筋に取り入れながら、最終的に丁寧な伏線回収を経て非常に読み応えのある作品へと昇華されたと思います。
抜きゲーとして高い目標を掲げながらも、シナリオゲーでも通用するレベルに持ってこれたのは並大抵の物じゃありませんからね。
それと本作は燃えゲー的要素(中二資質)が備わっているので、自然と高揚感が高まる場面が多いのも特徴の一つ。
そもそもタイトル名からして「Maggot baits:蛆虫の餌たちor蛆虫への誘惑」という何だか退廃的で悪魔染みた雰囲気に思わず心がくすぐられます。
銃による戦闘のハードボイルドさと魔女同士のバイオレンスアクションは、OPムービーから察せられる通りまさに必見の余地ありかと。
それはそうと、こうした血で血を洗う殺伐とした世界観等は、本作の過激な表現描写は抜きにしても結構様々な媒体で見受けられますね。
(ここから妄想入ります。わけ分からん人はスルーして結構ですので……)
例えば世界観は『GetBackers-奪還屋-』における無限城、絶望感に関しては『進撃の巨人』に類似。
また残虐性においては『GANTZ』『HELLSING』といった命の安売りが連想されます。
しかしながら『Mggot baits』という作品に最も近いのは『ベルセルク』ではないでしょうか。
イギリス拷問に酷似した魔女狩り描写には“モズグス様”を思い出したほどですから(笑)。
ただ同じ18禁PCゲームで見ると、CLOCK UP並に突き抜けているのはBLACK CYC(CYCLET)ぐらいですかね?
ですが燃え(中二的発想)に限った話だと『暁の護衛』における禁止区域やスチパンシリーズの『インガノック』『ソナーニル』の世界観に似ているかな。
それと解る人には作中の“とあるセリフ”で気付いて欲しいのですが『Dies irae』で有名な神座万象シリーズに通じる物を感じました。
その中だと『PARADISE LOST』がエロゲーにおける燃えの部分で一番近いと思います。
そんな訳で、本来の目的であるエロそっちのけで熱いバトルやシナリオの方に熱中してしまいました(笑)。
あとは何といっても本作はどれもキャラが良いですね。(男性陣は殊の外、中二受けしそうです)
特にキャラ紹介のビジュアルで、一人歪な表情で嗤っているデカい黒人のおっさんの存在感は忘れられそうにありません。
コイツ単品で正田作品や奈須作品の中で暴れて欲しいと考えているのは、もしかして私だけでしょうか?
掛け合いやバトルで非常に合うと思うんだけどなぁ(^-^)。
とまぁ、そんな感じでバックボーンなども良く描かれていて全体的に面白かったですよ。
私の妄想に着いて来られる方には、ぜひ挑戦してもらいたい作品になります。
【追記】
ライターの人:昏式龍也さんだったんですね。気付きませんでした(^^;)。(ちなみにlightでシルヴァリオ〇〇等を書いてる人です)
確かにこの中二世界観と知識には彼の人を連想しましたが、ここまでダークで殺伐に仕上げた点は驚きです。
きっとリョナ好きなんでしょうね。彼の趣味趣向(暗黒面)が前面に押し出ていますから(笑)。
この作品を鑑みて、私にはlightよりもむしろCLOCK UPさんの方が、このライターの空想を如何なく表現できるのではと思いました。