難易度の高さと周回時の作業プレイ感を考慮しても、個人的にかなり楽しめました。
Innocent Grey5周年記念作品。
世界観は昭和中期の高度経済成長期、1964年頃の東京オリンピックの時代。
前作「殻の少女」の時代から少し進んだ設定で挑んだクローズドサークルミステリー。
一言感想で既に述べましたが、有意義な推理小説を読む感覚を味わう事ができました。
ですが、それに伴い欠点がかなり目立つ作品になりました。
〇犯人探しのためのシステム要素について
当初は時間にも作用されて斬新だと感じましたが、周回プレイは必須と鑑みれば単なる作業プレイに陥ることになります。
中だるみを無くすために、二週目以降は要所要所で簡略化するとよかったかもしれません。
〇主人公の芯の薄さと情緒不安定の性格について。
これまでのイノグレ作品では見られないタイプですが、大して印象に残らなかったのが正直な意見です。
イケメンだけが取り柄で物事の展開に流されている傾向が強かったと言えます。端的に言って個性が感じられません。
やはり名前は必要事項です。
〇攻略難易度が高めについて。
はっきり言って、攻略サイトを見ながらじゃないとオールクリアは難しいレベルでした。
ですがその甲斐あって、真犯人が予想の斜め上をいくシナリオ展開は目を見張るものがあり、達成感は満足できます。
補足:ほとんど非処女には驚きでした。その中で個人的意見を述べますと、紅緒さんが正ヒロインで依存はないと思います(笑)。