確かに寝取られではあるが、ただ、取られただけとも言える。
寝取られと思ってプレイすれば肩透かしを食らう。
タイトルどおりの寝取られを求む人にとっては内容に齟齬があると思う。
しかし先入観抜きにプレイすると意外と楽しめます。
主人公の貴志は確かに親のコネを持つだけでなく
それに留まらない人格や能力を持つ人物。
一方の友人の宗一郎は元不良で二年遅れの劣等性。
しかし、生徒会の活動・学園都市祭を成功させるという点においては
既に社会人として揉まれた経験もあり、世間の荒波を知っている宗一郎のことを
身近に見たヒロインの綾から見れば貴志を超えるだけの魅力のある人物であり
魅かれて行くのは自然なことだと描写されている。
要するに、寝取られが無くとも貴志との関係が破局に向かうことは必然であり、
貴志本人だけは宗一郎の魅力を解っているので、ラストは気持ちよい別れになっている。
こいつには任せても大丈夫という男同士の暗黙の了解が貴志と宗一郎の間にはあるのだろう。
低価格版であり、ブランドの根本的な趣旨に反する内容なので、
深いところまで掘り下げるのが難しいとは思うが、その辺りも含めて構成されていれば
心に残る作品になったのではないかと思う。