綺麗にストーリーがまとまっている。二重人格ゆえの葛藤とかがなく物足りなさもある
伏線が綺麗に回収されるという非常に組み込まれたストーリーには感嘆する。
なぜ二重人格なのか?どうしてそうなったのか?幼なじみが帰ってきた理由は?
実妹に嫌われる訳は?友人がなぜ執事なのか?シュウトは何をしているのか?謎の女の正体は?
等々と疑問や伏線が共通パートに出てくる。
共通パートはギャグやコミカルな会話ばかりなので、深く掘り下げることもなく会話の隅に出る程度なのだが
個別パートに入ると一転シリアスになり伏線や疑問の回収になる。
そのせいかイチャラブな展開はあまり無い。
3人(+サブ1人)の個別それぞれのパートで伏線回収されるのでオールクリアしないともったいない。個別ごとに伏線が被ったりしないのでそれぞれ楽しめる。
主人公が二重人格という稀な設定だが、主人格と副人格の意見の相違があまりなく葛藤したり癒されたりな展開がないため今ひとつ盛りあがりに欠ける。
(理由もあるがそこはなんとか曲げて欲しかった)
多々でてくる解説にも悩むことなく受け入れる理解力があるのもどうかと思う。
苦しみや苦悩・葛藤などを入れてそれを浄化するカタルシスな展開が私は欲しかった。
好みの違いもなくNTRもないし。ヒロインもそこんとこ理解しているのもなぁ
ストーリーとしては多少突飛な展開もある。
全キャラに活躍する展開があるのには驚嘆した。
システム面は最低限必要なモノがあるといったところか。
ただ立ち絵の人数によってキャラの立ち位置が頻繁に変わるのは悪い。
例えば2人が立っているとすると
┃ ① ② ┃
と3等分されるが、3人になると
┃ ① ② ③ ┃
と瞬時に変わる。
これが移動アニメーションも無く、間髪入れずに変わるので何回も交換すると集中力が奪われる。
また、人数によって立ち位置の分け方が決まっているので1人だと真ん中、4人だと5等分とこれも上記と合わせて辛い設定になっている。
おまけシナリオも一人だけと物足りない。妹、先生を攻略できないのも残念。
バニーの寸止めはいただけない。
絵は多少崩れているのもあるが許容範囲だった。
クリっとしている目はグッド。
総じてストーリーもテキストも丁寧に作られているので投げっぱなしな展開がなくスッキリした語読感を味わえる作品になっている。