胸糞展開ありなので注意
正直な話、人を選ぶ作品だと思う。
まずメタフィマという人口生命体とその扱いの設定から、ある程度の胸糞展開は覚悟していたが・・・まあ予想の範囲内ではあった。
ただし、最初に選べるメタフィマ３体のうち、クリスと涼音はエロばかりやっているとバッドエンドで胸糞悪くなる。
この二人に関しては正規ルートに行く場合、エロを回避しないといけない。
個人的にはこれはいただけないと思う。
本作を買う人は、おそらくロリ型メタフィマとのエロくて甘々な生活を満喫しながら、最後にはハッピーエンドになるという展開を想像するのではないかと思う。
ところが正規ルートに行く場合、エロを回避するので、バッドエンドを回避するまでは中身が恐ろしく薄い。
そして、正規ルートに突入すると無駄にシナリオが濃くなる。前半は時折コミカルになりながらも楽しい日常なのだが、正規ルートに突入した途端無駄なまでのシリアス展開になる。
シナリオに力を入れているのはいいんだけど、システム面がお世辞にも快適とは言えないので、エロなしで無駄に濃いテキストを延々と読み続けるのは苦行に近い。
本作の最大の欠点はシステムの使いづらさ。昔の作品とはいえ、どうせならリニューアルして欲しかった。
シナリオの途中にチェックポイントがあり、ロードするとロードした場所ではなく、最近のチェックポイントまで戻るのである。
さらに、スキップの判定が意味不明。そのチェックポイントに来た時点で未読ならスキップが止まるが、既読の場合、その次のチェックポイントまでスキップが走るのである。
クリスルートの後半と、クリア後の二つの追加シナリオでこの欠点が足を引っ張る。チェックポイント間が無駄に長いので、途中でやめづらくなるのだ。続きからプレイしようとしても、まず前回やめたところまでひたすら連続クリックするとか、これが苦行でなければ何なのか？
胸糞展開とシステムの根本的欠陥、そして作画が崩れてエロで抜けない、あと声優が全体的にイマイチと突っ込みどころ満載ではあるが、いい部分もある。
シナリオがしっかり組み立てられていて、読ませるものになっている点は、本作の最大の売りではないだろうか。
ただし涼音シナリオが他に比べて中身が薄いと感じたのはマイナスではあるが。
エロは抜けないと書いたが、エレナだけは例外で、エレナのフェラは本作最大の抜きどころだと思う。
アニメーション技術は意外に侮れないものを持っているが、エロアニメーションに関しては作画が崩れているので抜きに使えない。
その中で唯一エレナのフェラシーンのみが光っている。
どちらかというとロリ属性を売りにしているメタフィマたちを押しのけてエレナが一番光っているとかどういうことなの・・・
全体的に見て、色々なものを詰め込みすぎて失敗している感じがする。
メタフィマはある程度のところで成長を止めるという設定でロリが多いとの事なので、エレナは仕方ないにしろ、もっとロリに特化していれば名作になり得たかも知れないと思う。
ところが色んなものを詰め込みすぎて散漫になっている。非常に中途半端な作品になってしまった。
名作になりそこねた作品を一つ挙げろと言われたら、個人的には最初に本作を挙げるだろうと思う。
とはいえ人を選ぶ作品ではあるものの、駄作というほどでもないので、パッケージのクリスに惹かれるものを感じたらプレイしてみるのも良いかもしれない。
なお、プレイする場合はクリスを最後に攻略する事を勧める。ストーリーの核心に迫る内容で、一番シナリオに力が入っているからだ。涼音と真冬の存在は何だったのだろう・・・とか、シナリオの質の落差はどういうことなの・・・と思うのは自分だけではないと思いたい。