絵、シチュ、プロットはホントに歪みねぇのだが、ライターがそれをブチ壊したのだ。
例によって原画一河のあと聞いて買ってみたが、絵もシチュも歪みがなく、アパタイト系の作品の中でも中々にそそる作品だった。
最後に選択肢によって3ルートに分かれるが、個別ルートはどれも似たような展開で、しかもあまりエロくなかったので、この辺はまだやりようがあるように思う。
しかし、これに関しては大した問題ではない。本作の最大の問題はライターである。
本作のライターがシナリオを書いた他の作品でもそうなのだが、やたら有り得ないような難しい表現が出てきたり、主人公視点なのか第三者視点なのかよく分からないような内容になっていたりとか、はっきり言えばエロに没入しにくい。
絵もシチュエーションも歪みなく、普通に考えれば間違いなく抜ける作品になるはずなのに、エロに没入出来ないようになっているのでは意味がない。すべてブチ壊し。
個人的には、やはりエロシーンは主人公視点でテキストを書くべきだと思う。なぜならばプレイヤーは主人公になったつもりでエロゲーを楽しむものだから。
そうじゃない作品もないわけではないが、大多数のエロゲーは主人公視点で、主人公に感情移入して、主人公になったつもりでプレイするのを想定している。
だからエロシーンの表現だって、主人公の気持ちになったつもりで書かなければ意味がないのだ。
ところが本作のライターは、よく「快楽を極めたのだ」とか「絶頂に至ったのである」などの第三者視点が時々混じる癖がある。
あのね、快楽を極めたかどうかなんて、相手のヒロイン以外に分かるはずないんだよ。演技でイッたフリをする事だって少なくないんだから。
「快楽を極めたのだ」等の表現を多用する時点でセンスのなさがうかがえる。
せっかくの一河のあ画伯を無駄遣いしているとか、どういう神経しているんだろう。もっとマシなライターと組ませろ!!
自分のように絵買いしたプレイヤーとしては、思わぬところで嵌められた気分になる。
本作のエロは紗良メインかと思いきや、文乃のエロも充実している。どころか紗良が食われている。
そして文乃の中の人の演技には期待していなかったが、意外に良かった。うれしい誤算だ。
お気に入りは、紗良のオナニーを学生会室の外から覗きながらエッチするシーンである。結構これがそそる。
紗良のオナニーがCGで表現されていないのが残念だが、これはこれでいいのかも。
・・・ライターがすべてをブチ壊さなければ。
ということで、どこを重点的に見るかにもよるが、評価しづらい作品。及第点には間違いなく達していると思うが、ライターが良ければ90点台行ってもおかしくない、そういうポテンシャルを秘めた作品だと感じる。
低価格作品のライターなんて誰でもいいと思っていた時代が私にもありました。
しかしここまでエロを感じないテキストだと、さすがに考えを改めなければならないね。基本を押さえているかどうかだけでも大分違ってくると思う。