ErogameScape -エロゲー批評空間-

painsalさんのちびドルの長文感想

ユーザー
painsal
ゲーム
ちびドル
ブランド
えっチラおっチラ
得点
78
参照数
386

一言コメント

無駄を上手に省くとこうなるのか・・・と思わせる作品

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

突っ込みどころは多々ある。絵が雑で体形が崩れているとか(特にみるきーぷりんちゃん)、アイドル設定がエロに生かし切れていないとか、せっかくちえりちゃんが裸エプロンになったのに、そこから裸エプロンやめて普通の制服に着替えるとか、エロくない意味でけしからん部分は散見される。
しかしそれでも名作とは言わないまでも、なんとなく手に取りたくなるようなパッケージ、魅力的なちびドル達、ファミコンを思わせる8ビットBGMと惹きつけられる要素はある。
何より、普通のエロゲで無駄だと思う要素を本作では上手に省いて、極限まで行ったらこうなりましたみたいな部分が個人的にツボだった。ちゃんとプレイヤーを意識しているのがよく分かる。
低価格帯の中では若干コスパが悪いが、忘れたころにまたやりたくなるような不思議な魅力がある作品だと思う。
ヒロインは3人で、個別ルートはない。中出しと外出しのどちらが多いかでエンディングが分岐するが、3人のヒロインはちゃんと立っていると思うし、さすがにエンディングはアイドルゲーらしくなっていたのは良かった。
3人とも魅力的だが、強いて言うならば個人的なお気に入りはちえりちゃん。
りんごちゃんはアフォの子だが、陥落するのが早い。みるきーぷりんちゃんはツンデレ枠だが、意外とあっさり落ちた。
一番のチョロインと思われたちえりちゃんが実は一番ガードが堅い難敵だった件。それゆえにじっくり楽しめた。
あと、隠れたすごい要素はコンポーザーが3人もいるのに、BGMに統一感がある点。まあファミコン的な音楽だからというのもあるのだろうが、例えばシナリオの場合は複数シナリオライターの場合にキャラの性格や作品の方向性に食い違いが生じるという話はよくある話。
だが、コンポーザーが3人もいる作品は意外にお目にかかれない。ましてや低価格帯ならなおさら。
曲数が少ないから(1人2曲×3人で計6曲)というのもあるのだろうが、それにしてもここまでの統一感が出ているのは歪みねぇなとしか言いようがない。
クリア自体は2時間もあれば出来る作品だが、その2時間をプレイさせるために制作者が色々こだわっている事が伝わってくるという意味で良作だと思う。