SM調教ゲーに見せかけて、実はイチャラブ純愛ゲー
シナリオは一本道だが、低価格なので短め。とはいえ、内容自体はかなり読ませる。
拘束ドMと言うからにはSM調教が絡むと思いきや、エナメルレオタードやボンデージスーツでヒロインが自らを拘束するという意味らしい。従って、SM描写は少なめ。
基本は主人公と生徒会長伊吹が出会って、イチャラブする純愛ゲーである。愛し方がプチSMなだけ。
で、シナリオで大きな不満点が一つ。
終盤で伊吹が自暴自棄になるシーンで、主人公がゲス化するが、このゲス化して伊吹を立ち直らせるシーンの流れがどうも個人的に違和感を感じる。
というのも、このシーンでは伊吹の本性が明らかになり、優等生で生徒会長というのは演じていた姿だったことが分かる。
個人的にこの部分は本作の最大の萌えポイントだと思うのだが、それをわざわざ主人公がゲス化して台無しにしてしまうのだ。
最初の頃、主人公が完璧超人生徒会長の伊吹に憧れて、生徒会に入り、そして恋人になるのだが、伊吹の本性が明らかになり、彼女が弱くなった途端、憧れの生徒会長でなくなったからと言ってゲス化するとかどういうことなの・・・
いや、彼女を立ち直らせるためにあえてそういう振る舞いをしたとしてもだ。
伊吹の本性は彼女の両親さえも知らない。主人公にだけ明かした彼女の本当の姿である。
つまり、主人公に本当の姿を伊吹がさらした瞬間、真に伊吹は主人公のモノとなったのである。
本当に主人公が彼女を愛しているのならば、その弱さをもちゃんと受け止めて、ちゃんと甘えさせて、その上で元の完璧超人生徒会長に立ち直らせるという流れになると思うのだが、主人公はきちんと彼女の弱さを受け止めているようには見えない。
ただ単に憧れでなくなったから失望しただけ。
なんじゃこりゃ?じゃあ、何だ?主人公は他のその他大勢のモブ連中と同様に生徒会長の仮面を被った彼女しか認められないということか?
それで彼女をモノにしたつもりならば、主人公はガキんちょだよな。
でも最終的に伊吹は主人公のおかげで立ち直る。流れおかしくね?
だからエンディングでの結婚を前提にしたイチャラブ同棲にも違和感しかなかった。
そしてクリア後もコレジャナイ感がくすぶり続ける事になった。
ここが最大のマイナス点である。
主人公が弱いのは構わないが、伊吹が弱いのは駄目というのはどう考えてもフェアな恋愛関係とは言えないでしょ?
お互いがお互いを理解し、お互いの利点を生かし、欠点をカバーする。このような関係を二人は望んでいたのではないか?
でも最後は結局伊吹の弱さを主人公は認めなかった。エンディングのイチャラブを見ても、空しさしかなかった。
自分だけがこんな気持ちになったかと思ったらアマゾンのレビューで似たような感想を抱いた人がいてワロタww
本当にこれで良かったんですか?ライターさん。
本作で本当に描きたかったものって、もっと違うものだったんですよね?
傍から見ていると、トランク詰め肉便器プレイがしたいためだけにこのシナリオの流れを作ったように見えますが気のせいですか?
上記に比べれば些細な欠点だがもう一つ。
彼女の首輪。正面を向いた立ち絵はちゃんと首輪をつけているのに、少し横を向くと首輪がなくなるのっておかしくありません?
そして男子トイレでのHシーン。最初の抱きかかえHでは首輪をつけていなかったのに、その後の立ちバックでは首輪がついている。いつの間に?
これならば首輪がなくても良かったんじゃね?と思うのは自分だけですかねぇ・・・
シナリオもエロも好きだったので、本当はもっと点数を上げたかった。
しかしクリア後の消化不良感が大きいので、好意的に見てもこの点数。
完璧超人ヒロインが弱さを見せるあの瞬間をもっと生かせていたら、文句なしの名作になったんだけど、惜しい。