突出したものはないが、かと言って一言で凡作と切り捨てるには惜しい
選択肢こそ発生しているが、実質一本道のシナリオ。選択肢を間違えるとエロシーンに行かない程度。
エロはなかなかよく描けていると思う。突出してうまいとは思わないが、エロさは出ている。
タイトル通り最後はハーレムになるのだが、意外にもハーレム（というか多人数）のシーンは少ない。
シナリオは途中中途半端なシリアスが入る場面もあるが、基本は楽しい日常イベントが多い。
伏線も張ってはいるがきちんと回収しているし、及第点といったところだろう。
基本的に日常イベントやエロハプニングイベント集みたいな構成で、全編を通じて一つの軸があるわけではない。
そういう意味では低価格ゲーに近いプレイ感がある。低価格ゲーをフルプライスにするとこんな感じになるというところか。
ヒロインはクセ者ばかりで、人外かそれに近いのがほとんど。ゆえに一番普通なアリス先生がやや霞みがちなのが残念ではあった。
それと、保健体育部という部活を作ったのはいいが、それが生かされているとは言いがたいのがもったいない。
そのため、バカゲーになりきれていないのが残念である。
総じて突出していないどころか足りない部分も多い作品ではあるが、処女作補正で点数はそこまで下げなかった。
シナリオライターが明らかに文学好きだというのがよく分かる。文学からの引用が多いし、エンディングが明らかに文学的。文学好きな方なら楽しめるかも知れない。