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pailonさんのつよきすの長文感想

ユーザー
pailon
ゲーム
つよきす
ブランド
CandySoft(きゃんでぃそふと)
得点
95
参照数
1088

一言コメント

久々に熱中できるゲームでした。キャラ良し、絵良し、声良し、音楽良し、と不満な部分がほとんどなく心地よい雰囲気でプレイし続けられました。気に入らないヒロインが一人もいなかったことが大幅に雰囲気を良くしていることは間違いないでしょう。一度も文章をスキップすることなくオートプレイのみで最後までプレイできたことが作品の完成度の高さを表していると思います。←声の優秀さが多分に影響を与えているがw -5点分はサブキャラにも良いヒロイン(西崎さん、豆花、真名)が数人いたので、彼女らを攻略できる、もしくはもっと深くシナリオに関わらせられていたらという希望分を引きました。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ヒロインルート別

1椰子 なごみ…この作品の中では一番のお気に入りルートでした。まぁ、見事に豹変してくれます。全く人を寄せ付けないヒロインが、攻略が進むと主人公だけに心をゆるす…この作品をまさに体現しているルートでしょう。まぁ蟹との掛け合いも楽しみの一つではありますがw

2霧夜 エリカ…どのルートにいっても一番目立つヒロインです。性格は支配者そのものです。エリカルートに入ると必然的に主人公はM男君へと落ちていってしまいますw シナリオ的にはおもしろいですが、私個人は見てられないシーンも含んでいました。ある意味人を選びます。シナリオ途中で分岐するBADEND「聖域の崩壊」は、エリカとよっぴーこと佐藤さんの本音と本性が良く現れていて良いENDだと思いました。エリカ嬢の支配者以外の表情(心の弱い部分)が見れる唯一のENDですw

3佐藤 良美…人を信じることができず、常にいい人を演じつづける不幸なヒロインよっぴーのルート。それゆえに彼氏となった主人公を束縛するあまり周りの人間に対して攻撃的になります。「私以外の女と話さないで!」というのは、なかなか痛いヒロインになっていました。他のルートでのよっぴー像を崩壊させるおもしろいシナリオになっていたと思います。

4鉄 乙女…姉であることに自分の存在と誇りを賭けています。ゆえに主人公と男と女の関係になり主導権を主人公に奪われると自分の在り方を見失い実家に帰ろうとしますが、主人公が弟としての立場を貫くことで元の鞘におさまります。彼氏彼女としての関係を安定させるために姉弟としての関係を保つ…ちょっと不思議な感じのする話でした。

5蟹沢 きぬ…王道の幼馴染ヒロインに喧嘩を売るダメヒロイン…に最初は見えますw 成績ダメ、料理ダメ、主人公が起こさないと起きない、とダメダメ感バリバリなヒロインです。体育武道祭での二人三脚が接点になり、二人の関係は男と女になるのですが、お互いが気持ちに気づいたときにもう一人の幼馴染スバルも蟹に思いを寄せていることを主人公は知ります。主人公はスバルに蟹を譲るべく自らを偽って努力(蟹に冷たく接する)しますが…逆に蟹に無視されて耐えきれず、自分の気持ちを再確認してしまいます。結局主人公とスバルが青春色の喧嘩をし、お互いの本音をぶつけ合い、主人公は蟹と結ばれ、スバルは幼馴染グループから離れていきます。彼女の変わりに無二の親友を失う主人公の心の葛藤はなかなか良いシナリオになっていた。

6大江山 祈…なんと言うか、おまけヒロイン的扱いの教師ヒロインです。童貞食いの祈先生にイキナリ主人公が食われますw そのあと主人公は一途に祈先生を追いかけますが、童貞以外に興味はないとフられます。が、エリカ嬢以上の点数(100点w)を英語で取ればデートしてあげると言う先生の言葉を信じて主人公が英語に没頭し、その努力を認められて付き合いはじめます。お互いに必要以上に相手の心に深入りしない適度な関係…柳のように押せば下がってしまう先生とそれを理解した主人公とのマッタリとしたEND。こんな関係もありかなと人間関係の微妙さを感じるシナリオでした。

※ヒロインの順番は個人的なお気に入り順位ですw