最初は主人公の言動にかなり引きましたが、すばらしい内容でした。身体は大人になっても中身が追いつかない不安定な時期を主人公、ヒロインともに良く書けていたと思います。誰もが、少しは体験があるであろう学生時代の恥ずかしいほど青い考え方のなか、主人公たちがそれに振りまわされながらも真剣にぶつかっていく姿は芸術品を見るかのように心に染みました。その真剣さを失い、気がつかないフリをして生きることが大人になるってことなんだと気づかされます。
私自身は、主人公ほど激しくではありませんが似た考え方を持った時期があったので、心打たれる思いでしたが、実際には人を選ぶゲームでしょう。青い考えかたは見るだけで、虫唾が走るって人もいるでしょうから。
ヒロイン5人はそれぞれの暗い悩みを持っています。誰でも一人くらいは、同じ悩みを持ったことがあると思います。自分が不安定だった時期を思い出しながらプレイすると、何か心に響くものがあると思います。そういう意味ではもっと多くの人にプレイして欲しいゲームです。
しかし残念だったのは、しのぶルートです。半ばからの分岐だったので仕方ないのでしょうが、ちょっと急ぎ過ぎというかまとめ切れてない感じがしました。