古いゲームではあったが、丁寧且つ綺麗なシナリオだった。声はなかったがむしろノベルズ方式(画面全体に文章が出る)であるこのゲームにはその方が感じることが多かったと思う。「生きる」ことを考えさせられ、ジワリと泣けます。良いゲームです。
主人公の葛藤と二人のヒロインの心の強さに心打たれます。不治の病に立ち向かいながら考え悩み生きていく加奈と、小学校時代の事件がもとで主人公に憎まれているのに、「好き」という自分の気持ちを貫いた夕美。すばらしいキャラ達でした。
泣けたシーンは二つ。一つは叔母さんである須摩子が癌で亡くなるシーンでした。治療を拒否して死を受け入れた須摩子、その最後を加奈は看取ります。自らも不治の病を抱えた加奈の目に死を受け入れて先に逝く者の姿はどう写ったのか、そう考えると涙がでました。
二つ目は、最後の方に「なんでも叶えてくれる神様がいたら、何を願う?」と言う主人公に「生きたい、もっと生きたい」と加奈が答えたシーンです。生きるという常人には当たり前のことを神に願わなければならない少女…ジワリと心打たれました。
良い作品は、もっと多くの人にプレイされるべきだと強く思わされた。