客観的に考えると83点くらいだけれど感情がそれを許してくれない。結局のところ“キラ☆キラ”の一言で全て説明がついてしまう作品。ということで以下蛇足
瀬戸口氏のシナリオははじめてだったわけですが実にすばらしかった。特にテキストが秀逸で、Hシーンの部分ですら引き込まれてしまった。もちろんエロス的な意味ではない。唯一の不満が物語のつながりのなさだったわけですが、きらり死亡ルートで先手を打たれてしまったので、じゃあ言うことはなにもねぇよってことです。
しかし、瀬戸口氏なのか他のスタッフかは知りませんが、なにか親に恨みでもあるのだろうか?とにかくこのゲームの親たちはヒドイ。娘がなんとか家族をいい方向に持っていこうとしてるのを親が全て台無しにしている。特に父親は全部ヒドイね。私が鹿之助の立場だったら全員ぶん殴ってますね。特にきらり父は見殺しにする前に一発殴るべきだろうと思う。それで更正するかは別。だって自分勝手すぎるだろ?別に病気だとかドロップアウトするのはしょうがないし、いいと思うんだ。だけれど、その責任を家族におしつけて自分はなにもしないとか、ふざけるなよ!自分のことは自分でしてくださいよ大人なら。いくら愛してるとか口で言ったところで行動が全くともなってない。それは本心だろうけど本当にそう思うなら自己破産してください。陳腐な理由にこだわらないでください。
他のヒロインの父親もそうだと思うんだ。千絵姉の父親はちゃんとけじめをつけるべきだったし、樫原の父親は生きるべきだっただろう。
まあ、彼らがああでなければ物語が成立しないんですけどね。
以下ルート別感想(クリア順)
共通
あんなに早く上手くなるわけねぇええええええとか停学・退学になるだろとかそういう部分にはツッコンではいけない。そういうご都合主義を黙殺しつつバカみたいに話にのめりこんで行くと、若い頃のアツイなにかを感じられる。
きらり死亡
で、のめりこめばのめりこむほど痛かったEDがこれ。
でも、私はこのEDが大好きなんだ。鹿之助がきらりの死を乗り越えるまでの描写が非常によく描かれていて、個人的にはこれがTRUE(もちろんHAPPYではない)ENDなんじゃないかと思ってる。変なのかな?ちなみに、私は鹿之助もしくはアキEDと言ってます。
また、ED曲の“a song for”が反則すぎる。あのシナリオでこの歌詞は泣くに決まってる。いまだに曲を聴くだけで胸にくるものがある。私の中でエロゲの曲現在№1です。
千絵
ロックンロール!
このEDを見た後無性に叫びたくなります。
というわけで、全シナリオ中もっとも青春っぽいEDでした。また、もっともあっさりとした話でもあります。おそらく、他のヒロインのシナリオが命を扱ってるのに対してこっちの問題は軽い(と言ったらあれですが)からでしょう。それと、千絵というヒロインが半ば完成された状態なのもそういった要因なのだと思います。
ED曲は“a song for”の次に好きです。疾走感があり、いかにも青春という感じでドライブのときとかにかけたい曲ですね。
紗理奈
父親の遺書を読んで胸糞悪くなった私は祐司さんが一番近い人間かもしれない。
しかし祐司さんいいひとだな。よくこんな身勝手な遺言を羊羹ひとつで引き受けたもんだ。
ていうか、死体の傍にあった羊羹食うなよwwwww
あれ?祐司さんのことしか話してないぞ?
きらり生存
鬱ゲーって聞いてたけどここまではそんなことないなぁと思っていたら、ここで一気に鬱りました。そうです。あの今まで使ってなかったBGMが流れるところです。あの鹿之助の心のどす黒さとそれに共感してしまう自分のどす黒さにです。
でも、最後はきらりの優しさと強さに救われました。これこそまさにHAPPYENDですね。
恩田
“乙女”心を弄んだ鹿之助君に天罰が下るある意味で最悪のBADEND。
しかし、好きな人が同姓だと知ってそれでも構わないと言い、相手が求めるなら性転換すらし、全財産すら投げ捨てる恩田。お前どんだけ私好みのヤンデレだよと!そして、なんで男なんだよと!流石の私もそこは守備範囲外です。でも性転換した恩田に迫られたら断れる自信が全くありませんw
「性器の方もホンモノそっくりですよ」「これは全て、あなたのものですよ」「私は約束を守りました。あなたも、約束を守ってください」いろんな意味で鳥肌モノの台詞が目白押しです。
東京帰還
ある意味TRUEEND。
だってよくよく考えると、いきなりバンドやるから手伝ってって素人に言われても渋るに決まってるし、記者の質問にあんなファッキンな返事する勇気なんてないでしょ?
所詮これが現実です。・・・なんてね。
次いでキャラ感想
鹿之助
結局最後までつかみきれなかった。どうも、自分の中のイメージと実像がカッチリしなかった。
ひとつはマルチエンドの主人公の宿命であるところの選択肢による変化だとは思う。でも、ルート確定後ですら合わなかった。
結局のところ鹿之助の本質ってどこにあるんだろ?いい奴だとは思うんだよ。いい奴だとはね。
紗理奈ルートの家族についての告白が一番それっぽい気もするのだけれど・・・
きらり
高すぎて話が通じない語彙力ってのはどんなもんなんだろう?そんな異端を極端に嫌う日本という国に生まれて、家は貧乏で、父親はロクデナシ。こんな環境でどうしてこんなキラキラしたものを持ったまま育ってるんだろう?
千絵
真面目で健気で一生懸命。その正体はただの不器用ちゃんでした。
多分手を抜くとか分からないんだろうな。しないでも出来ないでもなくて。
ああちくしょう可愛いな!
紗理奈
本質的にはすごい我が侭なんだろう。それゆえに周りの人を不幸にしたくないという“我が侭”で我が侭を言えないジレンマ。
それでも最後は最高のHAPPYを目指す彼女に感動した。
病気とかそんなのは全く関係ないです。
村上・殿谷
みなさん村上を大絶賛されておりますが、私の周りはあんなのばっかりです。
まあ、周りにいるってことは好きなんだけどね。もちろん本人には言いませんが。
ただ、あのタイプばっかりだと非常に疲れるので、少しはトノヤンみたいな友達が欲しいです。切実に。
アキ
これほど気持ちを共有できるキャラも珍しい。
なんで、世の中ってこう上手くいかないんだろうなぁ。それでもがんばるしかない訳だけどね。
彼女にとってのきらりが私にとっての潤さんなんだろうな。
裕子
何この妹?めちゃくちゃ可愛いんですけどw
うちのピザスイーツ(笑)な姉と交換してください。
最後に、このゲームには名台詞と言えるものがたくさんありますが、なぜか心に残った台詞をひとつ
毎回毎回いつも同じだっ!いつも楽しくて、いつも虚しいんだよっ!いつもね!
全くです。ファック!
2009/04/08 追記
部門別配点
キャラ 10/10 構成 10/10 テキスト 10/10 物語性 7/10 エロ 3/10 絵 6/10 音楽 10/10 声 10/10 システム 6/10 主題 10/10
合計 82/100