もっとも影響を受けた魂の作品
文字だと語りつくせないため、動画にしました。
https://youtu.be/GLHOBHREGlQ
以下台本です。アニメ版の紹介ですが原作もプレイしたうえでのこの点数と感想です。
・clannadをお勧めできる人種
学生、大人、独り身、彼女持ち、妻子持ち。これらすべての人間が、違う感じ方をすると思う。
長い時間をかけた感動を味わいたい人
・clannadの魅力について
・clannadは人生と呼ばれる理由
・まず...軽々しく言える言葉ではない
┗なんか感動できるらしい。そう思った人は、
視聴済みであれば同時にヴァイオレット・エヴァーガーデンを思い浮かべるであろう。
あの作品は1話1話が短編集のように切り離されており、それぞれで小さく完結するような構成である。
あれも物凄くいい作品ではあるが、人生かと聞かれるとそうではないと答えるであろう。
clannadは確かに感動できる。
実際初見の時は何度も泣かされたし何回見ても泣かされる。
挙句の果ては2期op 時を刻む唄のopムービーを見るだけで涙ぐんでしまうほど。
しかし、作品全体を見た感動、泣けるシーンの密度に関しては、
クラナドよりも濃い作品はいくらでもある。
実際の人生でもそうだろう。
それこそ大谷翔平レベルの人生を歩まないと、人生における感動なんてものはしょっちゅう来ない。
来てもせいぜい1年から数年に1度だ。
しかし、例えば楽しかった高校に思いをはせた時、
大切に育てた娘が式を挙げた時、
生き方を教わった父親を失ったとき、
そういった人生の大事な出来事は、薄っぺらい感動なんか潰してしまうほど重く分厚い感情となる。
クラナドという作品で48話、クールにして4クール1年という長い月日をかけて
岡崎智也の人生を追体験していくと、
岡崎智也が体験してきたことが自分の人生のように思えてくるのだ。
光が丘という町で、まるで自分が過ごしてきたかのように錯覚していき、
そうなることで密度を上回るどっしりとした感動を与えられ、
何度見ても色あせず、自分の事のように喜び、悲しむことができるのだと思う。
斬新なシナリオでもないし、何か革新的な技術を使っているわけでもない。
しかしこの長い時間ヲかけて、
どこかの誰かが体験していてもおかしくない青春を感じることが、
CLANNADは人生だと言わしめる所以だと考えている。
だからこそヴァイオレット・エヴァーガーデンほど手軽に感動を体験できないが、
全て見終わった後の言葉にできない気持ちはそこいらの、
いや全アニメのそれとは比べ物にならない巨大なものとなっていく。
CLANNADは感動するために見るのではなく、
自分の人生に「岡崎智也」という人生を継ぎ足すために見るものだ。
だから我々「CLANNADは人生」勢は、OPのイントロで涙ぐむことができるし、
何度見ても難度見ても感動できるのだ。
ぜひ見る時は、泣くということを目的に見ないでほしい
・シナリオ的...学園の恋愛もののその先を描く珍しい作品
┗最近のアニメだと大体12話、24話。
人気の作品でもその後2期3期と制作されていくため、12話24話完結のものが多い。
clannadは最初から4クール48話を想定して作られていたような尺の使い方。
1年という長い期間をたっぷり使い、岡崎智也たちの青春を描いている。
また一般的な青春恋愛ものは、付き合うというところがゴールとなる。
付き合ってしまえば恋愛物としての目標は達成してしまうのだから当たり前だ。
2人はくっついてハッピーエンド。あとはご想像にお任せします。
この終わらせ方だと、
2人はその後も幸せに生きていくのだろうという希望的観測で終わらせることができる。
恋愛物としては、くっついたのであれば、その後の人生は幸せでなければならないのである。
しかしclannadにはその先がある。学校を卒業した智也のその後、
働くことで家族を養い、そこで起こる苦悩や葛藤までもを48話という長い話数をかけて描くという、
言ってしまえば恋愛物としてあるまじき脚本になっている。
だからこそ、前の項で力説した人生というものがクラナドにはぴったりなのだ
・注目される人生とその陰にある人生
┗様々な「生活」が交差する学校という舞台もまた重要な要素である。
これはアニメ視聴後にゲーム版をプレイした時に感じた事なので、
アニメのみ履修済みの方は理解しにくいかもしれない。
CLANNADの原作であるゲームは「恋愛アドベンチャー」というジャンルである。
このジャンルのゲームは、ヒロインごとにルートが存在し、
パラレルワールドのように同じ時間軸で違うヒロインと結ばれ、
それぞれのシナリオを読むことができる。
完全なパラレルワールドとして作られるルートも存在するが、
中にはこのBというキャラクターのシナリオの結末は、
クリア後にAというキャラクターのルートでを再送し、追加された行動を取ると見ることができる。
(美佐枝√と智代√。順番によっては再送はしなくてもよい)
という最初は見れないが、
実は選べないだけで1周目でもその結末は迎えているというルートが存在する。
ここに凄く衝撃を受けた思い出があり、これこそが人生なのだと感じた部分でもある。
必ずしもすべての人間にスポットライトが当たるわけではない。
他人の視点だとその人の人生に隠れていて見えないが、
そこには確かにその人の人生が存在している。...美佐枝√
そのキャラクターは誰に見られるわけでもないが、そんな中ひっそりと1人で幸せをかみしめるのだ。
もう一度言うが、その見えない結末があるという点に、人生という単語がしっくり来たのだ。
ちなみにこのルートはアニメの構成上改変が行われているため、アニメ視聴勢も是非原作も買ってプレイしてみてほしい。