近年のノベルゲームの中でも群を抜いた完成度
序盤から引き込まれるシナリオとプレイヤーを飽きさせない構成。
それら全てがCASE-0へつながる伏線にもなる。
今までプレイしてきたノベルゲームの中で一番の構成力だった。
序章となる各CASEの入りはどれも面白く、続きを読みたくなるような魅力があった。
ギャグパートは声が出るほど笑えて、それでいてシリアスパートでしっかりとキャラクターの心情を描写する。
クオリティの高さが分る内容だった。
特にCASE-3の桃の内すももルートがお気に入りで、とにかくすももがかわいい。
自分をさらけ出したいけど、母のために殻に籠って前に進もうとするすももも、本当にするべきことを見つけ、眩しいくらいに光っていたすもももどちらも共感できる。
CASE-0では、追い求める人々の光と闇の部分、特に闇の部分について深く描写されていた。
それは現実世界の人間と同じで、追い求めている瞬間はたとえ満たされていてもそれに気づかず、そこから遠ざかった時初めて満たされていたことに気づく。
その時人間はどういった行動を取るのか、遊馬も世凪を道具として扱い、海斗もまた世凪を無意識に研究のために使用していた。這い上がるために、また同じ場所に戻るためであれば人間は大切な人でさえ見えなくなるという心理が突き刺さった。
構成力の高さとシナリオの完成度、どちらも高得点な作品だった。
でもさすがに30歳差は理解できないかも...