これはヒーローになるための物語
多分4作目のエロゲー。
様々な登場人物が誰かの「ヒーロー」になる、正しくいうとヒーローになるための「意志」を育む物語だった。
皆守は羽咲のヒーローに、ざくろは希実香のヒーローになる意志を固めることで変えることのできない運命を捻じ曲げ幸せな日々、素晴らしき日々を歩む事が出来た。
世界を正しく見て、意志を持つことで幸福に溺れずに幸福でいられる。そういったメッセージを感じたような気がした。
実際1周目の段階では「幸福に生きよ!」をなんとなく理解したかなー…?くらいの理解度なので、色々な考察をみたり周回してみて考察を深めていきたいと感じた。
哲学的な考察を抜きにしても物語として非常に上手くまとまっていて、特に4章で皆守由岐卓司の謎が解けるどころか器は間宮皆守であるという、伏線を回収するだけでなくそこから拡張していくシナリオはspaceキーの押す手のブレーキを破壊するには十分だった。
そして何よりも際立ったのが羽咲というキャラクター
素晴らしき日々のメインヒロインは誰ですか?
という問いに自分は一瞬の迷いもなく羽咲だと、そう言えるようなキャラクターだった。
唯一の羽咲だけの味方だった皆守を、その中身が変わっても愛し続けた羽咲に感情移入し、最後の垂直落下のシーンは思わずうるっときてしまった。
(某MOBAタイトルのキャラクターを連想してしまうのはどうにかしたかった)
文章も、エロゲープレイ4作目でかつ気になる箇所をメモしていた程度のプレイでも物語の本筋を捉えることができていたので、作り込まれた読みやすい文章なんだと思う。
堂々の満点をつけたいところだが、ノベルゲームを数本しかクリアしていないことを考え、まだ見ぬ本物の100点シナリオに出会える可能性を見て99点としておく。
これからノベルゲームを二桁三桁タイトルクリアしていき、あぁやっぱりこの作品は100点なんだと感じることができたら、改めて点数を変更したいと思う。