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osterさんのもののあはれは彩の頃。の長文感想

ユーザー
oster
ゲーム
もののあはれは彩の頃。
ブランド
QUINCE SOFT
得点
85
参照数
180

一言コメント

迷いたくない双六の世界。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

冬茜トム先生の一発目ですね。
前情報もないままスタートしたので、いきなり日常とはかけ離れた、双六を回していく世界に没入するには少し時間がかかりました。
緑マスにとまって日常の世界(幻日)を見せられたくらいから、敵として争っている周りの人たちとの関係性が明らかにされていくので面白くなってきます。

また、それぞれ個別ルートに入る前の共通ルートにおいてエンドが4つくらい用意されているのですが、永沈ルート以外はどれもきっちり作られています。
ここでは、琥珀とレイ、みさきと鹿野、クレアとカラスが争うわけですが、双六ゲームとしての面白さ、緻密さだけではなく、ヒロインと主人公の関係性や告白までの流れなど、この2つどちらも両立して描かれているのが凄いところです。
ルートによって陣取りや虫探しなど、ルールが変わるのも面白いところ。
個人的にはみさきと琥珀の告白シーンはグッときました。

双六から現実に帰ってきてようやく個別ルートって感じですが、ボリューム感はあくまでおまけ程度。
トム先生のアメグレもこんな感じだったよね。

お気に入りは琥珀とみさき。
特にみさきは双六の世界でもキーパーソンだったと思います。
琥珀はシンプルに癖に刺さる。俺はやっぱりあれなのか??
クレアはオタク趣味なのが良いです。プチモン(ポケモン)を厳選してるのも話が合いそうですわ。
その分、京楓は割りを食ってるキャラクターかなと思いました。双六の盤面でも敵対することが多く、幻日じゃなければ魅力を知りにくいポジションでしたね。

はあ、現実にみさきみたいな子がいないか、幻日を見る日々は続きそう。笑