心身で抱える問題が絡むことの多い、割りと重めの展開で、メインと思しきルートでの幕引きは、予測しつつもある種の余韻が続くシナリオでした。 もう少しわかりやすい進行システムにして欲しかったです。
キャラによって進行するにつれ、外観や口調、性格など、良い方への変化が
あったり、箸休め的な笑いのあるキャラもいたりとそれぞれ楽しめました。
ただイベントや会話など、後先の整合性が無視されていることが多々あるので、
どうにも興醒めしてしまい、CGの変化にも苦笑いしてしまうようなちょっと
お粗末な部分があったりと、明らかな放ったらかしには閉口してしまいます。
未読判別の無いスキップ、使いづらいバックログ等、システムもマイナスです。
エロは割と多く、シチュもそそられるものがあったんですが、
時折、顔と体のバランスが歪に感じられるような物もありました。
色使いは地味ですが、鉛筆画のような背景のタッチがすごく好みでした。
音楽も総じて合っており、タイトル曲の「偽りの狭間」や希更の「緑色の約束」
が印象に残りました。 通常エンディング曲は良くも悪くも古い歌謡曲の
ような感じで、とんでもなく古いゲームをプレイしてる気になります。
キャラや背景、音楽などから、全体的にちょっと静かな雰囲気なので、
サファーとの明るい会話が引き立ち、彼女との時間が心地よく、
どのルートでもエンディング間近で、その存在を意識させられました。
それだけに彼女のルートが大きいです。
ちょっと作業感が募りますので、攻略サイトさんなど参考にして、
希更と恵子はちょっと絡んでいる部分があるので間を挟まず、
サファーは最後にプレイするのが良いかと思います。
<以下、ネタバレ入ってます>
各ヒロインエンド間近でのサファーのセリフが、一番最後にきて
また胸に響き、終盤の演出には彼女との生活や言葉が頭の中で回想
されました。 声の方も巧く、時折見せる優しさと悲しみの混在した
声演技は絶妙だったと思います。 「クリスマス」というキーワードが
あったので、季節的にもちょうど良かったです。