少々得点が甘いかな、とも思いますが、私のようにあまりSFが得意でない生物にとっては、結構好感の持てるシナリオの立て方でした。あと、絵が非常にツボに入りました。で、この得点です。
この作品、短所を挙げればキリがありません。複数回プレイがつらい、ほぼ一本道、攻略キャラが何人かいるのにエンディングが変わらない、などなど、まさに枚挙に暇がありません。
しかしながら、私が気に入ったのは、シナリオ、テキストの技術的な側面において、ということです。もちろん、シナリオの内容自体もそれなりに良かったのですが。
この(エロゲー)世界にどっぷり首まで浸かっていると、犬も歩けばぶつかるぐらいにSF作品に突き当たります。ロボットに乗って戦うのもSFなら、空から妹が降ってくるのもSFでしょう。
それらSF群を否定するわけではありませんが、結構面白いゲームであっても、なんと言うか、こう「俺の編み出した”空想科学MY理論”どうよ!」と、おもちゃの刀のような切っ先を強引に突きつけられているようで、居たたまれなくなってしまうことが、ままあります。
しかし、このゲームにおいては、そういった俺流俺節がそれほど炸裂することもなく、割とすんなり頭の中に世界観が入ってきました。ゲームの雰囲気、あくまで少年少女の非日常でありながらも、日常の延長としての生活を書くことによって、押し付けがましさが薄れたのかもしれませんね。そんな生活の中にも、要所要所にそれなりの山場があり、通しで一回読む分には、まずまず楽しめる、そんなゲームに仕上がってます。
プラスアルファで、個人的に、この原画がものすごーくツボに入ってしまいまして、勢いでお気に入りクリエイターにチェックするほどツボでして、さらにさらに劇中ながれるマーチのような音楽とエンディングテーマがまた個人的にクリティカルにツボでして、80点という少々甘いかなという点数になりました。
文章を見直してみますと、客観的視点に欠き、個人的な趣向を凝縮して乾燥させたようなものになってしまいました。これからご購入をお考えの方は、どうか私の意見は参考にしないでください。