Hシーン等がどう変わっているのか期待していたが、ほぼベタ移植に近かった。
移植元のPC版もプレイ済。
大体のストーリー、システムについてはそちらのレビューで既に書いているので
こちらには主にVITA版での変更点、追加要素についてのレビューを。
・Hシーン関係
桜との和姦エッチは抱き合いながらキスする所で終了。
桜が縛られてレイプされるシーン、
媚薬を盛られて発情してしまった紗江のオナニーを手伝ってあげるシーン等は、
事中の描写とCGが省略されているだけで、している行為自体は変化なし。
ただし、鏡子は媚薬を盛られて発情はするものの、その後、
外で煙草を吸っている主人公をエッチに誘うシーンは全面カット。
その為、主人公が地図の断片を盗まれた(と推測する)タイミングは、
外で脱いでエッチしている最中から、負傷した岩谷に肩を貸して施設へ引き返す途中に
変更されたが、鏡子のパンツはいつどこで盗まれたのかよく解らなくなってしまっている。
主人公とエッチしていないなら、鏡子が媚薬を盛られた事とパンツを盗まれた事を
主人公に打ち明けてくるのは不自然だし、何故パンツを盗まれた話だけ残したのか・・・
平林がナニを噛み千切られるシーンも無くなったが、
これは痛そうで興奮できない描写だったので特に不満なし。
Hシーンがあった部分の改変は総じて少々雑に感じる部分が多く、
VITA版で初めてこのゲームに触れた人は、いい所でおあずけをくらったような気分になるのではと思う。
普通のエロゲ移植ゲームではHシーンが削られた分、イチャイチャするイベントやCGを追加して
埋め合わせするものだが、本作はゲームの性格上そういうのは難しかったか。
ミステリーは登場人物同士が疑いあうものなので、純愛エロとの相性は良くなさそうだし。
・ストーリー関係
追加部分以外の本文はほとんど変化なし。
PC版で解らなかった、残留、離脱ルートでの教会で犯行に及んだ理由、奥から聞こえた物音、
何故か残留ルートでのみ平林が食料を持ち逃げする理由などの話も謎のままだった。
今回、CG回収と関係ないバッドエンドも一つずつ確認しながら進めていったが
睡眠薬入りのスープを飲んで身動きできない主人公を刺殺した人物とその目的は？
などと考えだすと、ますます意味が解らない。
船を操縦して島からひきあげていったのは主催者側の関係者という事が追加ルートで解ったくらいか。
序盤から思わせぶりなセリフや伏線らしきものがゴチャゴチャしていて、
しかもそれらのほとんどは事件の本筋とは関係ない。
深夜に一人で外出して誰かと密談していると思ったら猫に餌付けしていただけだったとか、
何の為に盗まれたのか最後まで解らない鏡子のパンツとか。
「この場面はこういう意味だった」的な解説モードをおまけに付けるか、
もうちょっと粗を削るなど整理して、全年齢向けに作り直してくれたらよかったと思う。
特に推理などしなくても、バッドエンドを回避する選択をしていけばクリアできるのだが
難しく考える必要がない、考察のし甲斐がないゲームになっているのも少しもったいない。
・追加ルート、新キャラ関係
トゥルーエンド行きのルートで、クリア後に再度プレイを始めて地図の謎を解く選択肢を選ぶと分岐。
桜と再会する直前あたりのセーブデータを残しておかないとやり直すのがやや面倒くさい。
既に謎が解けてしまった後なので、推理も何もないのだが、
主人公の父親と片瀬幸雄、島の由来について深く掘り下げた内容になっていて
おまけとしては面白い話だった。
新キャラ「リリア」のイベントCGは僅か２枚なので、彼女目当てに買った人には厳しい。
やり終えた後の全体的な感想としては、個人的にはファンなので相応に楽しめたが
人には勧めづらいかなという感じ。
特にエロ要素が中途半端な形で残っているのが大きなマイナス点だったが、
やはり元のストーリーに手を加えると、後の展開と矛盾が生じたり
細かいチェックの手間が膨大になるので、
大幅に改変するのは無理だったのだろうか。