色々謎な部分が多い。もうちょっとストーリー詳しく語って欲しかったな。
夏樹(主人公)とつぐみ(ヒロイン)は、死んだ筈のつぐみの姉、円からの手紙に呼び出され、
かつて幼少時代を過ごした、とある島へ向かう。田舎らしく閉鎖的な雰囲気のその島には、
何か秘密があるらしく・・・という、和風伝奇もの風なストーリー。
2010年代のエロゲとしては分岐条件やフラグ管理が解りにくく、自力でコンプするのは少々骨が折れる。
まるで昔のPS1、サターン時代のギャルゲのような難しさ。
ラスト付近で、「飛び出す」「様子を見る」という二択の選択肢が出てくるが、
それまでに辿ったルートによっては、どちらを選んでもバッドエンドになってしまう。
選択肢のパターンを試行錯誤して正解を探す「攻略すること自体を楽しむ」タイプのゲームなのかもしれないが
今のご時世にこういうゲーム性は受け入れられるのかどうか・・・
また、トゥルーエンドに到達するには、つぐみを気遣いつつ、円、ミクの二人とも
本番SEXに至らない程度に仲良くする(?)ように進める必要があるので、
特定のキャラに入れ込むような楽しみ方は出来ないのもやや辛い。
各キャラの個別エンドも作って欲しかったと思う。
各エンディングに到達していくと、「蛍火の記憶」という、仁視点でのサイドストーリーが
本編の合間に挿入される形で見られるようになり、その中でストーリーの裏側もある程度説明される。
島に生息している蛍の持つ毒が、ドラッグの原材料になり、その作用によって
登場人物達が発情したり錯乱していたというのは解るのだが、
もう一つの物語のキー、「時廻りの儀」については、神隠し、タイムスリップ、贄といった要素が
断片的に語られるのみで、最後まで詳細は解らずじまい。
そもそもつぐみが島へ呼ばれた理由は何か(儀式の贄にする為?それとも仁が犯して孕ませる為?)
終盤、ミクが夏樹の味方をするのは何故か(ドラッグの売人だった恋人の仇を討つ事が真の目的だった?)
幼い姿で現れるつぐみの姉、円は普通に成長したのではなく何処かからタイムスリップしたのか、
母親の意識が娘に乗り移る形で蘇ったという事なのか?等、説明不足な点が多くモヤモヤする。
もっと掘り下げて書いてくれたら面白い話になっただろうに、色々惜しい。
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Hシーンの尺はやや短めで、ジュプッジュプッみたいな効果音もないので少し寂しいが
体位やシチュエーションは変化に富んでいる。
個人的には蛍の舞う川辺でのエッチが幻想的で、後の展開の伏線にもなっていて良かった。