ヒロインの成長変化や、夏の田舎町に伝わる不思議な伝承など、題材は魅力的なのだが・・・上手く料理しきれなかった感が漂う。
メインヒロイン夏雪との出会いから幼少期の肝試しあたりが面白さのピークだった。
ゲーム内の月日が急に数週間～数年飛ぶ時があって気持ちが追い付かなかったり、
このゲームのストーリーがどこを目指しているのか最終目的がはっきりしないように感じられたりで
読み進めるモチベが上がらず、インストールしてから全クリアまで2年近くかかってしまった。
「続きが気になる、この先どうなるのか知りたい」とプレイヤーに思わせるような伏線を
共通ルートの時点でほとんど使い切っていて、個別ルートは消化試合のようになってしまっている。
(特に夏雪の後に他の二人という攻略順だった場合)
メインの夏雪ルートにしても、共通ルート中にトキ婆さんが語る昔話が大体の真相、ネタバレで、
あとは話し合いで決着という呆気ないもの。ずっと引っ張り続けた割にはオチが弱い。
叔父さん夫婦が事故る以外にも大きなイベントを入れたり、夏雪以外の二人にも謎めいた部分がある設定にする等
プレイヤーの興味を持続させる仕掛けがもう一工夫欲しかった。
ストーリーの面白さよりキャラを愛でる目的でプレイする場合も
共通ルート最後の選択肢一つでルートが決まるというシステムゆえか
主人公とヒロインがお互いを特別な存在として意識しあって、だんだん魅かれ合って、
告白してデートしたりして結ばれて・・・という甘い気持ちに浸らせてくれる恋愛イベントに乏しく、
個別ルートに入った途端に主人公のズボンを下ろしてしゃぶりだすような急展開感があり、
寂しさ物足りなさを感じる。OPと主題歌が良かったので内容に期待しすぎたか・・・
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テキスト部分について書くと文句ばかりになってしまうので他の部分についても少し感想を。
原画は桜沢いづみ氏が担当という事で、顔や瞳が大きいデフォルメの強い絵柄だが、
デッサンの崩れやおかしい部分は素人目には全く見当たらず、どの絵も安定していて美しい。
Hシーン以外のCG枚数もそれなりに多く、海水浴や花火、駄菓子屋でアイスを食べるシーン等
夏の雰囲気を盛り上げてくれていた。
Hシーンは全員に水着、外でのプレイがあり、
エロいと感じられるかどうかはともかくバリエーションはなかなか多い。
昔町にやってきた異人の男とその妻に体を乗っ取られた状態でのHシーンは結構エロいと思えたが
その他のシーンは、直前まで全然色気のない話をしていたのに急にスケベになるような
唐突さがなければ・・・と思わずにはいられない。
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主題歌を含む音楽、BGMは素晴らしい。
「これぞ夏の田舎が舞台のエロゲ」という感じの、良い意味で古臭い
ノスタルジックな曲が揃っていて、ゲームの雰囲気にぴったり。
夏雪との出会いのシーン等で流れる「あの日の白い夢は」
夕涼み的な「黄昏の潮騒」あたりが特にお気に入りだった。