なかなかの良ゲーと思います そしてすずちゃんは可愛い
いい意味でいつも通りのAsaプロジェクトのクオリティであると思います。
ここの作品の感想を思う時にはどうしても、過去に解き放たれた女神である玉森さんや実咲ちゃんなどを比べてしまうのですが、
今作の実妹、すずちゃんはその次にくる位の可愛さを示していたのではないかと思います。
作中で涼宮(遙)に似たというような会話がありましたが、私はどちらかというと野乃崎つばさの方がより近いと思いました。
従順で素直で、お兄ちゃんの事が大好きで、大好きなのにはしっかりと理由や背景があって。
その背景はともすれば暗い影を落としがちで、その方向でストーリーが進んで行く事が創作としては多いと思うのですが、
本作においては全体を覆うギャグテイストが話を必要以上に重くさせません。また進行の軸が既に一山超えた後での
家族愛から始まっており、そういった理由からすずには兄に対する純粋で明るく一途な想いのみが残り、
これを起点にして行動が始まりスト―リーは進んでいきます。しかも変なキャラ付けをされているために面白く、
なんとも見事な実妹を作り上げてくれたと感心させられました。ほんとなんなんでしょうかアレは。あの儚げで弱々しい見た目から、
おちんちんと言う前に何故か「男根」などの他の呼称を一回付けてしまう癖があるとか。うーむ、これぞエロゲーにおけるレトリック。
本当に素晴らしいなあと思いました。
また終始続いていくおバカなやりとりの中にあっても、主人公のキラリと光る兄としてのカッコよさを演出出来ていたとも感じます。
とても印象的だったのが、あるシーンでの「俺に…いや、お兄ちゃんに任せろ!」という一言。
凡百の作品では、兄と妹が恋仲になる過程においては普通は逆である事でしょう。「兄の立場ではなく、一人の男である、俺に任せろ」
そして兄妹から男と女の関係に変化していくと。いかにも普通ですが王道でもあるとも思います。
ですが本作では全く逆の事を言っており、その一文からは物語の中心はあくまでも家族であり兄である事、
その繋がりがとても重要視されている事がはっきり見て取れます。強いこだわりとも言いましょうか、まるで「姉ちゃんとしようよ」のお姉ちゃん達の
姉としての確固たる矜持が乗り移ったかのような名言であると思いました。「お姉ちゃんに任せて~」と脳内変換出来ますね。
そしていつしか何の後ろめたさも持たせずにセックスに突入していく。我々がプレーしたいのはこういう明るくて楽しいゲームなのです。
ホントよく解ってくれています。
ネガティブな要素としては、作品のボリュームがやや小さいなと感じた事、話や設定が若干ちぐはぐな
点があった辺り、私の中では最高評価ではありませんでした。ですが前作プラマイウォーズと比べ、Asaプロジェクトの元気さと強さ、
持ち味は再び示すことが出来たのではないかと思います。次も絶対買うので是非、また頑張って欲しいです。