もえみん
もえみん。この娘は実にお見事であると思いました。幼馴染で同じ大学に通う空はすぐに手が届きそうで可愛く、たまらないとは勿論思うのですが、何故か今は距離があるという設定が少し寂しく、また日常の掛け合いは逆に距離が近すぎるために、本当に家族であるかのような、恋愛やセックスから遠い場所を少なからず想像してしまい、勿論それがいいという視点もあるのですが、ほんの少しだけ様子をみたいような気分になってしまいました。あと、なんか辛いんです。なんかこう学生時代に近くにいた地味目だけどちょっと可愛いくて気さくに話してくれたあの娘が、いつのまにか自分の友達と付き合っていたようなキッツい思い出を思い起こさせるような…出来すぎているんです。なんかわかりませんかね、この感覚…。
それに比べてもえみんはバイト先の貧乏フリーター。男ならば誰もが抱くコイツを幸せにしてやりたいという根元的な優しさと、この子なら自分でもいけるんじゃないかというリアルで打算的な狩猟本能をまず刺激させられます。彼女は対外的にはお調子者で、一般的に男が憧れる女らしさや可愛さから離れた立ち位置にいるのですが、告白のタイミング、その後の恋愛における発展や絡み、二人になった時の心の許し方、甘え方はまさに女の子そのもので、こんな子が傍にいたら殆どの男が一ヶ月程度で結婚を申し入れざるを得ないような、見事な設定とキャラ作りであったと思います。少し遠慮した声色で、好き？と主人公の気持ちを伺うもえみん、ぷりぷりと頬を膨らませておふざけを咎めるもえみん。大好きな気持ちが溢れて泣いてしまうもえみん。大好きな気持ちが溢れて、女の色香をなんのためらいもなく魅せつけてくれるもえみん。ありがとうございます。また弟と妹の存在も絶妙で、彼女や家族に対し、自分の好感度を上げるのに彼らが非常に有効な存在である事は実社会でも同様でしょう。勿論基本的な母性を既に備えている事もストレートに表現されています。このように、もえみんはある意味リアルだなと思いました。そしてエンジェルだなとも思いました。もえみん安心感があります。私はここ2日ほどもえみんの事ばっかり考えています。
共通、アンチビッチ設定、エピローグあたりは少し残念な箇所だったりするのかもしれませんが、もえみん抜きにしてもこれだけの出来ばえは見事であると思います。これだけの作品に私などがとやかく言うより、もえみんの素晴らしさを礼賛したいと思いました。もえみんみん。