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omochiさんの少女達のさえずりの長文感想

ユーザー
omochi
ゲーム
少女達のさえずり
ブランド
桃色劇場
得点
82
参照数
879

一言コメント

この作品は自分が中高生くらいの時にどのくらいの性的ないたずらが出来たかによって評価が分かれてしまう気がします。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

この作品に常に流れている「放課後の背徳感」が私にはたまりませんでした。確かに年頃の娘さんなら誰もが秘密の一つや二つもっているのでしょう。静かで可愛いクラスメイト、木之下さんの日常。冒頭でいきなり彼女の秘密を知るのですが、こんな可愛い女の子が夕日に照らされた放課後のトイレでオナニーをしているのを私なんかが知ったら、隣に入って即ぶっこくか、出てくるのを待って舐めるように状況検分をするしかないでしょう。

そしてこの作品の主人公なのですが彼はなかなか漢でして、なんとそこに突撃していきます。彼の「ドア開けて?」の声に木之下さんは勿論焦ります。作中にもありましたが、彼女はこれを開けてしまうとどうなるかわかっているのに見えない力に突き動かされて扉を開けてしまうのです。おそらく理由は三つ。これは淫らな自分が受けるべき罰であるというしょく罪の気持ち。バレてしまってもうダメだという諦め。そして何より、この扉を開ける事により性欲に駆られた同級生の男の子が入って来て、それから自分に何が起きてしまうのかという、思春期の少女の性への極めて強い好奇心と期待感によりです。自分はこのクラスメイトの男の子にこれからどうされてしまうのだろうか。この男の子はこんな私をどう見るのだろうか。恥ずかしい自分だけど彼になら隠さなくてもいいのかもしれない。彼は私の秘密をきっと守ってくれるから。でもそれには、きっと彼には私の何かを差し出さなくてはならないだろう…。様々な思いが去来する中で彼女は自らそのドアを開けます。夕日に赤く染まる放課後のトイレで、覚えてしまった大人の行為…オナニーの真っ最中だった木之下さんは、突然の異性の来訪により、彼がこれから自分にもたらすであろう快感を想像してそれに打ち負かされ、胸がはだけているのをもう直せもせずに、顔を紅潮させて、涙ながらに言葉を絞り出すのです。「うう…エッチ…。」

正直木之下さんとの関係のみで成り立っているといってもいいゲームだと思います。完全に設定勝ちではないかと思います。というか木之下さんルートをもっともっとやらかしてしまえばよかったのにと思うほどです。それほどに、彼女との蜜月の背徳感といったらありませんでした。また、全ての人物が思春期の不安定さの最中でゆり動いており、それを表現する描写もいい感じだなあとも思いました。蛇足なのですが、この作品は声優の方があまり上手くなくて、それが逆に作用して変なリアリティを生み出しています。計算して出したとしたら桃色劇場恐るべし。そんなわけないんでしょうけどね。

安くなったら是非手にとってみたら如何でしょうか。好きな子の笛やストローを舐めたり、女子部室に入ってオナニーしたりした漢ならば、きっと思うところがあるハズ。そしてその背徳感を思い出す事でしょう。

ダメなところは、絶望的に短い所です。もっともっとやりたいですよこういうの。