すっげーなぁ。おそらく比較対象にあがるであろう作品より見事に回収しきってました。あ、それと紅茶の入れ方覚えました。
大多数の方がこれを終わらせて頭をよぎるのはever17でしょう。YU-NOでも蒼色輪廻でもシュタゲでもなく、ever17の後追い作品に感じられます。
ever17がなぜ評価されたかと問われれば、叙述トリック+プレイヤーを登場人物として扱ったことと答える方が多いのではないでしょうか。
それを念頭に置いてこの古色を見てみると、叙述トリックは薄いにしても、プレイヤーの参加については、より色濃く出ていることが分かります。
この要素をより盛り上げるためにフローチャートと言葉のゲームシステムを用いたとしか考えられません。
事実、プレイヤーに対しより深く作品への介入を行わせることで、最後の展開をより印象付けることができたように思います。
ゲームシステムの勝利です。この点において、ever17というハードルを軽々飛び越えている。
後追いと言いましたが、後から追っただけに歴史的価値をつけない作品単体としての評価では、上位互換といっても差し支えないと思います。
もちろん、既視感が拭えないという欠点はあります。
しかし、なぞるだけで終わらずその先へ行ったことは補って余りあるほどの強みです。
今このような作品を出したスタッフに最大限の賛辞を。