『パルフェ』『この青空に約束を─』本編で楽しめた部分はさらに楽しめるし、合わなかった部分はやっぱり合わない、まさにお手本のような「ファンディスク」だった。
※『パルフェ』『この青空に約束を─』本編のネタバレがあります。未プレイの方は読まないでください。
実プレイ日数:9日
総プレイ時間:15時間25分
『この青空に約束を─』をクリアする前から本作の『パルフェ』側のシナリオを読み始めていたので、なんやかんや1年近くかけて完走(クイズでのおまけシナリオ含めCG全回収)した。
・カトレア記念日 約20分
12月23日深夜、初キスの前日にして初めて互いに呼び捨てにした夜
やっぱり玲愛とのイチャイチャはあんまり刺さらない。
・脱カトレア記念日 約1時間
2年後の12月23日、結婚届提出からのブリックモールでの披露宴
かすりさん司会頼りになるな〜〜本当に第一印象によらずちゃんとしてる人だよな〜
お姉さん人として失格なところがほんと好き
由飛と玲愛と仁の関係めっちゃ良いな〜〜 ああいうスピーチ台詞がほんと上手い丸戸さん
里伽子・・・・・・ここでもいちばん存在感発揮してやがる・・・・・・
こっちにHシーン(CG3枚、2回戦)あった。
ロマンチック・ラブ・イデオロギーというか、マリッジ・ラブ・イデオロギー&生殖至上主義には辟易する
ふたりの愛の深さを確かめる(表現する)ためだけに子供を作るのはやめなさ〜い!(いや、どんな理由だろうが出生行為はやめよう)
・迷える羊と魑魅魍魎 65分
やっぱ明日香ちゃんかわいいな〜〜 普段は「てんちょ」じゃなくて「せんぱい」呼びなのか。ちょっと残念。「てんちょ」って字面から可愛すぎるんだよな
おっ寝取られか!?・・・まぁどうせその男は意外といいヤツでしたオチだろうけど。
里伽子〜〜〜〜 就職もしてないんだよなほんとは・・・・・・あぁ・・・他ヒロインのストーリーに出るだけですべてを持っていく女
やっぱり玲愛も付き合ってない関係のほうが断然すき
クラブの黒人とかイスラエルの平和とか、いちいち持ち出す例が差別的なんだよなぁ
「ぷんぷん」かわいすぎる
ちゃんとモブ男にもCVあるんだな。
え、こんにゃくと結びつけてきた!まだプレイし終えてないのに!このか弱そうな声の男こんにゃくのキャラか。天文サークル?
・・・これ明日香ちゃん悪いか? 村木とかいう男が全面的に悪いのでは。まぁちょっと話してたけどしかたなくない?
意外といいヤツENDよりももっと甘ったれてる(オタクに優しい)展開だった。仁が反省するんじゃなくて明日香ちゃんが考えを変えるのか・・・外へと開いていく思想はどうした。
「ファミーユの一員として」というけど、単なるバイト先にそこまでする必要があるとも思えない。彼女らにとっては単なるバイト先ではないだろうけど、でも大学生がサークルに入るのを止める理由にはならなくない?? ファミーユ=家族という思想が悪い方向に発揮されている。
天文青年の立ち絵きた!なんだっけ、辻崎くん?こんにゃくに出てくるか確かめよう。
いや、弁償しないとだめだろ・・・なに誤魔化そうとしてんねん、ギャグとはいえ
そういや片方だけの手袋あったな〜〜 いい感じに終わった。
明日香ちゃんはめっちゃ良い子だしかわいいし好きだと再確認はできたが、ストーリーは微妙だった。
明日香ちゃん(と仁)の「おっちょこちょい」な面をコメディチックに描く短編だったけど、仁の恋路に都合がいいように組み立てられていて不満。お姉さんにもとっとと話しなさい。
まぁ辻崎くんとの交友を許可したり、ところてん同好会で落としたりする点に「開かれ」性の萌芽は見られるっちゃあ見られるけど。
てか、玲愛にはあった追加Hシーンがこっちには無いんだな。ヒロイン格差・・・・・・
この調子だとおそらくかすりさんにも無くて、里伽子には流石にあるだろう。そして恵麻さんにはそもそも追加エピソードが無い可能性が・・・
12/4 ほぼ1年ぶりにプレイ 約35分
・かすりんの恋愛塾 FINAL
仁と恵麻姉さんは再興したファミーユ本店へ移動し、ブリックモール店の店長を任せられたかすりさん。明日香ちゃんからの恋愛相談(フェラ、緊縛)にうまく答えるために仁に「私を荒縄で縛って」と頼み込む……。
やっぱりかすりさん可愛いなぁ〜〜表情がコロコロ変わるのも、すぐにふざけてからかう会話の応酬も好きだ。やっぱりキャラ単体としてはパルフェで(里伽子の次に)好みだと思う。縛られプレイを楽しんだあとに「明日は仁くんが縛られる番だよ」とやり返そうとするのもとても良い。SMを交換可能な関係こそが健全な性愛関係ではないでしょうか。
「異形な体育会系のノリ」by カトレア わろた
ここでようやく「里伽子抄」が解放された。やっぱりアンロック制だった
・里伽子抄 2h20m
さて大本命。
最初っから雰囲気が他のヒロインのと違い過ぎる……風呂スチル始まりは『パルフェ』本編(恵麻姉さんのシャワーシーンから開始)を踏襲しているのかな。恵麻から里伽子に変わって、しかも仁と2人での入浴シーンになっている。
おわり!!! ブラボー!!! 噂に聞いていた通り、これが『パルフェ』の真のトゥルーエンドとも呼ぶべきものだった。
そもそも他のヒロインの追加エピソードでは本編の「後日談」をこのフォセットで物語っているわけだが、里伽子だけは本編のTrue Endにて数年後の後日談(ゴール)をやってしまった。だからこのフォセットでは、そのゴールに辿り着くまでの、本編では飛ばした1年後の話を描いている点が大きく異なる。
その内容も、これぞ丸戸節、WA2の雪菜エンドの原型とでもいうようなものだった。……まぁ正直、里伽子が指輪を外して実家に帰ってしまい、それを連れ戻すためにファミーユのみんなにビデオレターを頼む展開は流石にテンプレというか押し付けがましさも感じるが、しかし、本編での不満点「里伽子がファミーユに戻らずに仁と2人だけの関係のなかで救われる」ところはこの補完エピソードで完全に解消されたので満足。
今回感じたのは、里伽子の怪我って左手(左腕?)だけが使えないという、意外と大きなものではないのが逆に良いということ。半身不随とか両脚切断とか全盲とかではない。しかし結婚指輪をはめる手であり、他人と手を繋ぐための片手であり、そして客観的にはそんなに重大なことではないのだけれど、問題なのはその怪我にいろんな文脈が過去にも現在にも乗っかっているということである。それを里伽子も仁もみんなもよくわかっているからこそ、本人は苦しむし、他のひとは誰も里伽子を責めたりしない。そういう人間関係。
里伽子が街を放浪する一人称視点演出と、その後のビデオレター演出は明らかに相関している。
里伽子と仁がふたりで暮らすアパートの部屋が主な舞台となっていて、あのリビングで織りなされる2人だけの重苦しく幸福な「日常」の雰囲気がとても良かった。演劇『反復かつ連続』を少し思い出してしまった。
まだまだいろいろと言えることはありそうだけど今はこのくらいで。
ーーー『この青空に約束を─』ーーー
・たたかう幼なじみ(海己) 35分
つぐみ寮の女子用洗濯機新調のため開いた肝試し大会を利用して海己が弱さをひとつ克服する話。時系列は渡と付き合い始めた頃。
まぁ……面白くはない。茶番。海己のことは好きだけど……
「みんな」で良い感じの雰囲気、あるいはギャグ調になっているときに空気を読まない静と、それから茜のふたりが余計に魅力的に見えた。
Hシーン無かったな。あっても退屈だろうけど。
・『静』と『しず』の憤慨 35分
3年後の再会(ラストシーン)の直後の話。今度はほぼまるごとHシーン。
過去の自分に嫉妬する、というのはちょっと面白い。ロリキャラだからこそ成長後とのギャップ、それに伴う互いの繊細な心情を描き、そして行為描写によって結実させる。 にしても長すぎる……どんだけ丁寧にやるんだよ
あとやっぱり、成長してまっとうな「恋人」になってしまった静を見せられるのは残念な気持ちもある。本編での肉体関係がかなり危うくてやめてくれ〜と思っていたのも確かだが、じゃあ静本人もいうように「もうロリコンって言われない」状態でなら許容できるかといえば、今度はまた異なる方面で引っかかる。つまり、自分にとって静というキャラに性行為や「ふつう」の恋愛関係は要らないということだ。もっと孤高でマイペースで自由奔放な静がいい。恋愛としてではなく親愛の情として渡にベタベタしていたほうが良かった。いや、成長して髪が長くなった静も外見的にはとても好きなんだけど……
・さえちゃん先生 30分
さえちゃんと付き合い始めて少し経った、まだ寮の皆にもバレていない頃の話
さえりの大学同期の友人たちから渡が受け取った秘密の写真をめぐるコメディ。Hシーンなし
特に面白くはない。やっぱりポンコツでデレデレに甘えてくるさえちゃん先生も苦手だ。
・わたしのかけら 30分
凛奈と付き合い始めた秋。凛奈√のなかで茜との合わせ石の因縁に決着をつける補足エピソード。茜の負けヒロインっぷりがすごい。
合わせ石があう相手を探すために島ぐるみのイベント大会に仕立て上げることで逆説的に「合わせ石」の運命譚にとらわれることの馬鹿馬鹿しさを表現していると解釈できはするのでちょっと良いなと思ったけど、それも結局は主催者の茜のいじらしく哀れな負けヒロイン性を高めるための装置に回収されてしまうので勿体ない。気付いて渡が夜に茜に会いに行くのも到底受け入れられないし。その愚かさをモノローグで自覚しているとはいえ……。
やっぱり茜が運命の相手だったという真相じたいが要らないと思う。
・あたしにも、翼をください 45分
奈緒子が卒業する1ヶ月前のバレンタイン〜期末試験の時期と、1年後の本編ラストシーン後、本州の奈緒子の大学生活の自宅に訪れたあとの話の二部構成。第2部にHシーンあり。
奈緒子とても努力家で尊敬するけど、「翼」「羽ばたく」といった比喩が多用されるこいつらの意識の高い自己啓発的な恋人関係にはけっこう引く。
辛いの得意な静もすき。
・獅子身中の虫より腹の虫 25分
特定のヒロインではなくつぐみ寮vs学園長&教頭のややシリアスなスカッとジャパン小話。敵の根城でもマイペースな静すき
・この冬空に約束を── 1時間50分
皆で合唱する「約束」√の前日譚にして、『この青空に約束を─』の集大成的なエピソード。とても良かった。
「雪合戦ごっこ」のくだりはふつうに泣いた……こういうのに弱いんだよ……
やっぱり誰か1人と付き合わずにつぐみ寮での皆との日常を描いてくれるのがいちばん好きだ。
最後のエンドロールクレジット演出にもやられた。本編でいきなりみんなが号泣しだしたときには若干引いたけど、この前振りをあらかじめ見せてくれていたらしっかり感動できたのに……とさえ思う。
白い雲が画面下からモクモクと湧き上がるあのアイキャッチ演出も投入されてまさしく集大成だった。
まだあるんかーいw
・陽だまりのヴァージンロード 30分
海己√。学園祭での結婚式と初夜(H)の話
おまけシナリオ開放のためのクイズが面倒くさい……ショコラやってないからわからんし
・この星空に約束を─ 1時間
本編開始の前日譚。つぐみ寮に静が入寮することになる経緯の話。
まさかの三人称で違和感あったけど、そんなことよりこの過去編での航がとても良かった。本編よりもウジウジと青臭く、世界への関わり方も自分の扱い方もわからずに持て余しているかんじ。海己、奈緒子、そして静との関係も良い。
なんとかクイズでミニゲーム2つ以外の全てのアイテムを手に入れた。あとはおまけシナリオを読むだけ。
さえちゃんの大学のゼミ同期に『ショコラ』のヒロインのひとり秋島香奈子さんもいたんだ……(クイズでちょっとだけキャラを知ったひと)
あ、おまけシナリオはぜんぶ本編開始までの各キャラの前日譚なんだ。航が(台詞や絵では)いっさい登場せず、脇役やヒロインたちだけの話。
『この青空に約束を─』は後日談よりも前日譚のほうが楽しめるな。あと男主人公抜きのヒロインたちだけのやりとり、空間がこんなにも丁寧に描かれる(描くことが出来る作品である)の良い。ストーリーにならないつぐみ寮での日常風景。波乱のシナリオの前触れ。
にしてもつぐみ寮、このときまでは男子学生が他にもいたんだよな。そいつらの存在を排除するのに余念がないけどさすがに苦しいところもある。
『パシられて南栄生島』…これだけ前日譚じゃなくて本編中の隙間話だ。航の一人称だし。
これでようやく『フォセット』おわり!!!! 長かった……盛りだくさんだった……
『里伽子抄』が目的で買って、たしかにそれがいちばん良かったのは間違いないが、こんにゃくの方の「この冬空に」と「この星空に」も本編をうまく補完する形での名シナリオだったと思う。もちろん全体的には虚無というか全然おもしろくないエピソードも多かったけど……
あとクイズゲームの作り込み(問題数や問題の内容のニッチさなど)が無駄に高くて、回収のために数時間周回しなきゃならん側からすればもちろん辟易するんだけど、でも最終的には、なんやかんやで両作(てかショコラ含む戯画まるねこ3部作)が本当に制作陣にもファンにも愛されている作品なんだな、というのが素直に伝わってきて、自分の思い入れも深めることが出来た。理想的なファンディスクだということだろう。ありがとうございました。戯画の作品、DL販売も終了しちゃう前に買い集めないと……とりあえず『ショコラ』のモチベは上がった。香奈子さん絶対に好み(WA2の千晶的な…)