作者のVTuber観が表現された終末×SF短編ノベルゲーム。全体的なゲームデザインが非常に凝っていてすばらしかった。
総プレイ時間:3時間
【感想まとめ】
果たしてこれはVTuberを扱った作品だったのだろうか。
自分の妄想としてのVTuberって、それはいま一般化しているVTuberとはまったく異なるものではないか。ごく単純な次元の話で。
それとも、この作品は、いま一般化しているVTuberの本質はこれだと述べるものではなくて、本来VTuberはこのようなものであるべきだという理想を述べているのだろうか。自分の夢想のなかだけで完結するようなものであるべきだと。それは要するに今のVTuberを全否定しているのでは? そういうこと?
しかし、自分の夢想のなかで作り上げる虚像とは、別にVTuberに限らなくてもいいだろう。アイドルでもアニメキャラでも身近な人間(恋人、友人、家族……)でもペットでもインテリアでもなんでも、成立してしまうように思う。VTuberを一切扱っていない三秋縋にとても似ている時点で……。
だから、やはりこの作品はVTuberの概念を徹底的に解体しようとしているのだろうか? そのようにしか読めない。
そもそもりんねの設定がよく分からない。生身の人間はいたの? いずれにせよ、主人公の夢想に回収されるから考えるだけ徒労ではあるが……
尺が短く、りんねのVTuber活動をダイジェストでしか描いていないため、いざ卒業配信したり、真相が明らかになって別れたりする場面でまったく感動できなかった。思い入れが湧くほどの年月をりんねと探していない。(そして本来VTuber追いかける楽しみはそうした生活・人生を共にする(しているように錯覚できる)ところではないのか? まぁこれは生身の配信者やアイドルやタレントの追っかけも変わらないが。)
あとはシンプルに、そもそもVTuberが苦手なのと、ASMRが苦手なのと、歌枠(配信者のカラオケを聴くこと)に興味がないのとで、りんねさんの必死の活動を見せられてもコメント欄のファン達のように健気に盛り上がることができなかった。
このゲームはVTuberに配信されてはじめて本当の価値が生まれる。わたしがこの作品を真の意味で楽しむにはまず、自分自身がVTuberになるか、VTuberの熱心な視聴者にならなければいけない。そのように思った。
設計面で引っ掛かったこととして、選択肢が出ているときには「設定」画面を開いても操作できないのが不便だった。作為的なものでないのならば、ストレスフルなので改善したほうがいいと思う。
テキスト非表示機能もバックログもないのはとても不便だが、この作品の志向を尊重するに、まぁいいのかなという気はしている。
・良かったところ
VTuberのCGモデルや生配信画面の再現度は本当にクオリティが高かった。オープンに生配信するLiveNeoと、クローズドに会話するAloneZooという2つのメディア画面(と画面外の現実パート)を行ったり来たりしてストーリーが進行していく構成も興味深く、ロゴやUIだけでなく、それらをメタフィクショナルな物語へと包括せんとするゲーム全体のデザインがとにかく凝っていて素晴らしかった。また、作中での主人公のアカウントアイコンを自身のPC上の画像から選んで自由に設定できる機能も、新鮮で面白かった。(主人公=自分だと没入し易くするための機能だと思うが、わたしはそもそも自身のアイコン画像に頓着しないタイプのオタクのため、そういう効果は無かったが)
これだけ凝っていてもなお、クリックで進むテキスト=物語と幾つかの選択肢分岐という「ノベルゲーム」の範疇にあくまで収まっていたことも、ノベルゲーム好きとしては、その可能性と普遍性を示してもらえたようで嬉しかった。
音楽の表現にもこだわりがある本サークルだが、今作ではインストのエンディング曲が特に良かった。名曲
総じて、様々なデザインの凝り具合にとにかく感心・感動しながら前半は楽しんでプレイしていたものの、後半のメタ展開でかなり混乱というか落胆してしまい、興奮が著しく冷めて終わってしまったという印象。(ノベルゲームあるあるだが、結局ENDは何種類あるのか分からずに分岐を何度もやり直してシナリオ差分埋めをするだけの終盤はかなりイライラしながらプレイしてしまい、今作もその例に漏れなかった。やはり選択肢ナシの一本道ノベルゲームこそ至高!)
1作目が王道の青春恋愛伝奇モノ、2作目が現代的なVTuberに深くコミットした(しかしこれまた王道の)メタSFということで、制作者の強いこだわり、やりたいことを突き詰めて丁寧に創作している実に良い同人サークルだなぁと思う。早くも次作が楽しみである。
【プレイ中のメモ】
!? いきなりの選択肢 ノイズ調のBGMが仕様なのか分からないので一回音量調節したいんだけど、コンフィグを開いても選択肢画面が前面に出たままで操作できない
自分が「同一人物」とみなせるもの 記憶、人格、肉体…… これ、主観的なことを訊いているのか、客観的にふたりの人物を見て「同一人物」だとみなせる条件を訊いているのかが分からない。前者だとして答えるか
でも人格が同一ってどういう意味? あと、同一人物とみなせる最低条件を一つ選べ、とかにしないと複数当てはまる可能性あるよなこの設問。まぁそんなに深く考えてもしゃーないか
ほんとは3つどれも違くても「この私」という実存さえあれば自分だとみなすので、どれにも当てはまらないのだけれど……
>6. 肉体と記憶は異なるが、人格だけが同一の人物
アイコンを自分のPCのデータから自由に設定できるのおもろ!!
「途中からロードする」は要するに章ごとに切りのいいところから開始できる機能か
テキスト非表示機能ない? バックログもない?
背景CGがマウスカーソルによって動く 一人称主観の演出
うわ~すげぇ UIめっちゃ凝ってるな~~ サブスクライブや高評価ボタンも押せるじゃん
右クリックで配信画面から切り替わる Liveneo⇔Alonesoo? フォントがお洒落で読めない オフライン画面ってこと?
バックログ機能などが無いことも、おそらく明確な方針によるデザインの一環なのだろうなぁ
AloneZooか。終乃りんね
>(着信)出ない
イタ電だった
>出る
AloneZooはLINEみたいなもんか オープンに配信するLiveNeo(YouTube)と、クローズドに会話するAloneZoo(LINE)
とはいえ、昨夜の初配信も視聴者ひとりだったから個チャとほぼ変わらない
この2つのデジタルデバイス画面と、現実のパートの計3つを乗り換えながら進んでいく感じか。
終乃(おわりの)りんね 「ついの」じゃなかった
主人公は「僕」固定なのね 社会人らしい
「僕」のツイートのスクショなのにアイコンがりんねさんのなのはミス? 仕様?
すげ~ Live2D? めっちゃ3Dっぽいアバターがちゃんと動く!
このVTuber(?)を主人公がプロデュースしていくゲームかぁ なるほど
おお! Vの運営会社に新卒で3年間勤めていて退職したばかり、と。人気の女性Vのマネージャーとなるも、無理な要求に疲弊して辞めた。もともとVのマネジメント経験者の主人公って珍しい設定じゃないだろうか。こういう系をまったく知らんけど。
Vの3次元タレント的側面を嫌というほど知っている者が、新たに理想的なVに出会って育てていく話なのだろうか。
日付アイキャッチも凝ってるな~~ 何もかもがすごく凝っている。
終末世界を旅するバックパッカー系VTuber 相棒の猫は「非常食」
ロゴも背景もめっちゃいいな~~ さすプロ
うわ~~ 生配信の演出もめっちゃリアルだな~~ すげぇ…… これをノベルゲームのシステムの範疇でやれちゃう、ということ自体がなにか冒涜的とすら感じるほど。
主人公のハッシュタグ案採用されてて草 裏方がなにやっとるんじゃ サクラか? 台本通りか? のちにバレて炎上したら笑う
終乃りんねのファン目線だと、推しが裏でプロデューサーと配信の前後にふたりきりで色々話してるの、NTRとして愉しめそうだな そういうVTuberファンもいるのだろうか。「裏」を妄想して勝手にマゾるオタク
もしも本当にりんねさんに「中の人」が存在せず、現実世界とは別の終末世界から交信している存在だとすると、通常の意味でのVTuberの「裏側」、つまり中の人のゴシップ的なものは無いが、しかし主人公にプロデュースはされているわけで、そういう意味での「裏側」は依然として存在することになる。この事態がかなり興味深いかもしれない。要は、「裏側」が二重化・分裂している。ふつうはこれら2つの「裏」は一体化しているのだけど、本作ではそれを2つに二重化させたうえで、一方を抹消し、もう一方を温存している。温存しているほうの「裏」すらも無化するのであれば、終乃りんねは誰の力も借りずに、終末世界からたった一人で現実世界へと交信している、としなければならない。本作ではそうせずに、あくまで「僕」という主人公とVTuberとの二者関係を描くことを主眼に置いているようだ。知らんけど。
元同僚に発注して描いてもらった廃電車内の背景イラストを、りんねはあくまでナチュラルに受け止める。これ、もともとりんね側から廃電車にしてくれとリクエストがあったのか、一切なく主人公が勝手に発注したのか、気になる。もし前者であれば、こちら側の「設定」案によってりんねのいる終末世界が刻々と書き換わっていく──的なSFになるだろう。
イヤホンのバイノーラルをガンガン使ってくる。ASMR・同人音声的なこだわり
「ジブリみたいな設定」ww マジで配信コメントの生々しさがすごい。それをフィクションとして鑑賞すると結構楽しいことに気付かされている。実際のはあんま見たくないけど。
だからお前コメントすんなって!! 裏方がでしゃばるなよ!! しかも表のアカウントで……。 りんねも拾っちゃうしよお
5万円スパチャこわ りんねさんはどの程度まで現実世界のことを知っているのだろう。今のところ普通の現代人と変わらないくらいの情報を持っていそう。というか、インターネット生命体的な? AIとかlainみたいな
メニュー画面でいつでもシナリオ進行率が見れるんだよな いま40%くらいか
りんねは記憶喪失で、以前の自分を知る人に出会うために、用意されていたVTuberとなって配信を始めた。……なるほど? 三秋縋みたくなってきた。
え、終末世界を非常食と旅してる云々は何だったの? そういうVTuberとしての「設定」だけが脳内に刻まれていて、でも現実世界での生身の身体を有しているの? 見たという証明書の顔と名前は終乃りんねのものなのか、「中の人」のものなのか。朝起きたら知らない天井で、目の前に終乃りんねというVTuberの配信開始画面が写ったPCが用意されてた、というけど、それは終末世界での話? 現実世界での話? りんねのアバターが用意されていた、というのは、自分の生身の肉体がりんねだったという意味? 読み直して確認したいけど、ログが見れないからめっちゃモヤる~~~
ガチASMRパート
でもテキストでも表示されてるから、音声受容が苦手な者としては、申し訳ないけどどんどん音声スキップしちゃう。。抜きゲーとかではたまに、文章出さなくていいから音声とイラストだけでHシーン進めてくれと思うことあるけど。
>思わない
実績解除「強気」で草
>りんね
「むしろ、こうして終乃りんねを知ってくれている人の方が、たくさんいる。」という音声が、ひとつ前のテキスト時にも再生される不具合
あ、もう10回以上も配信してるんだ、いつの間に。
りんねさんのメンタルヘルスが心配になってきた。現実から逃げ出したくて、新しい居場所を、人とのつながりを求めてVTuberをやる。……なるほど? それがVTuberの本質のひとつだと仮定すれば、なぜ本作がVの「裏側」のうち、プロデューサーとの二人三脚で行う要素を排除せずに温存したのか腑に落ちる。寂しさを埋めるために、自分がここにいることを他者を通して感じるためにVTuberをやるならば、誰かと密な関係を結ぶことは重要だろう。配信で大勢の人とコミュニケートして寂しさを埋めるVTuberもいるのだろうけど。あくまで本作の終乃りんねはクローズドな関係をも含めてVTuberをやっている。(まぁ実際は、個人勢Vなんかマジでセルフプロデュースでほぼひとりだけで配信活動を回しているひともいっぱいいるだろうけど。マネージャーが付くのなんて一部の商業Vくらいだろう。)
演技と「本当の自分」について あ、そういう方向のテーマに行くんだ。VTuberであることの苦しさってそゆこと? でもそれって素朴に「中の人」を前提としてないか。完璧な演技をするのがVTuberなのか、まったく演技をしないのがVTuberなのか。
歌枠 ノベルゲーム的には挿入歌パートだ
なんかめっちゃ『変身』について歌ってるということだけ分かった。あとめっちゃボカロ曲っぽいメロ
曲名とかはエンドロールまで知らせてくれないかんじか
てか同接数とかって配信画面に載ってないよね? 高評価数は表示されているのになぜ
「終乃りんねに関わるな」 ほらぁ~~ 表のアカウントで何度もコメントしたからぁ~~!!
>起きたことを話さない
お~~ 「想定プレイ時間:2時間」はなかなか来るなぁ ここにきてVTuberというよりもノベルゲーム要素のほうに振ってメタフィクションにしてきたのか。これ、「起きたことを話す」を選んだ場合の今後のプロットってこと?
メタからのジャンプスケア~~
「ドリームメイク」 まじで『君の話』みたいなやつか?
>あのときの失敗していなければ。
「あのとき(に)失敗していなければ」の衍字?
>走る
『モレルの発明』とかが元ネタなんかなあ
「私は、私だけでは生きられない」 そういうことね。プロデューサーを必要とせず完全にひとりだけで活動するVTuber(「裏」がまったくないVTuber)を描かなかったのは、内在的にはこういう理由があるのね。もともと主人公が作った架空のVTuberだった、と。
個人的な嗜好では、「誰にも見られないVTuber」とかにロマンを感じるたちなんだけど、ここではそういうのはいったん埒外に置かれている。誰にも観測されないアイドル/VTuberは果たして存在しているといえるのか?という問い。ひいては、誰にも観測されていないとき「私」は存在しているといえるのか?という問い。ひるがえせば、私は、誰かに観測されて初めて存在できるものだから、VTuberというかアイドル全般が苦手なのかもしれない(適当)
孤高の存在にあこがれるんだよな、中二病だから……。マークソン『ウィトゲンシュタインの愛人』みたいな……。
ノベルゲームの主人公ってだいたい秘密を抱えていて、シナリオの終盤でそれがプレイヤーの前に明かされるけど、それにも記憶喪失していて思い出すパターンと、ずっと主人公は認知していたけどプレイヤーへの内的独白では伏せていたパターンの二種類が主にあると思う。それぞれ、「主人公=プレイヤー」派と「主人公≠プレイヤー」派に親和的。本作は前者。
"君" は ""僕自身"" だった── ノーラン作品かな?
彼女が自分自身でプログラムした存在だと思い出して動揺する。自らの手で彼女を消去するよう頼まれるも躊躇する。そこらへんのアンドロイドSFと何が違うのか
ちょっとおいてかれたな~~
>削除しない
エンディング曲いいな テクノ調 「422_unprocessable Angel」←名曲
てかエンドロールも凝ってんなぁ~~ すげぇスタイリッシュだ・・・
(はっぱさんHP制作してるんだ…)
『テンペスト』の引用があったらしいが気付けなかった。
うお~~バッドエンドだろうなぁ
アンロック率 8/14
>全てのデータを削除する
こっちでも同じか 即エンディング
>歩く
「走る」を押すまで無限ループだった
これスキップできないの厳しいな
歌枠もスキップできない?
>起きたことを話す
「終乃りんね」の中の人として現実に生きる「りんね」がいる(そして全ては主人公の作った夢である)ってこと? 中の人がいるなら普通のVTuberでは……? 最後の夢落ちで梯子外すところが重要なのか? 個人的には何も琴線に触れない。どうでもいい
筋書通りに引退配信
!? ガチボカロ曲? それともオートチューンかけまくってるだけかこれ。ドラムンベースに語りパート付き
こっちのエンディングムービーは簡素だ
あ~歌枠で歌ってたの、[ハルジオンは雨と咲く]の曲か!!!
>イヤホンを外し、彼女を迎えにいってください。
これで強制終了(この画面から動けない)と。なるほどね
10/14アンロック
あ、オートボタンで既読スキップできるのか
>出ない ×3
>(寂しいと)思う
>終乃りんね ×3
13/14アンロック
あれ、>全てのデータを削除する を選んだら今度は卒業配信終了画面に取り残された。さっきはエンディングに入ったはずなのに。その前のフラグが違ったのか。「走る」を何度か押さないとだめだったし。
https://www.youtube.com/live/jTBpZwai6U0
たぶんこの配信で全実績解除してる?? でも見るのめんどい