閉塞的な田舎村という定番シチュで展開される『青春』×『寝取られ』コンセプトの物語が、宇宙の彼方に吹っ飛んで終わった
実プレイ日数:3日
総プレイ時間:5時間10分
(最後に「感想まとめ」あります。ネタバレ注意)
・プレイ中のメモ
初手賢治
ティラノビルダーだけどこっちにはコンフィグあるのね
えぇ……こんどはwindowsキーがなぜかエンターキーと同じ反応をしてしまう。つまりスクショを撮るたびに1つ進んでしまう。なんだこれ
1995年、兄の死
現在は1996年春
死んだ兄の妻……義理の姉ッ!! 未亡人!! エロゲで見るやつだ!!!
諸星茜音さん もう雰囲気がなにもかもエロ過ぎる
尾久里(おくさと) 3人とも同じ故郷で、1990年に一緒に東京へ出てきたのか
6年ぶりの里帰り
いつものサティBGM
第1話「遠い山並みの光」……イシグロ?
もろに田舎エロゲだ。過去作では田舎を舞台にしたことなかったような。ゲームじゃなくてCG集にはあったけど。
うわ~~ 幼馴染4人!! 兄弟と姉妹、それぞれ上と下が同い年ってことか。エモい関係すぎる
なんで同じ洋館で暮らしていたのか。孤児?
李緒さん太ももデッカ…… そういえばこのサークル太ももフェチなんだった。
親代わりだった女性「先生」は隣町で入院中
「僕」は1年前の「事件」で左足を怪我している。そこで兄さん(昴)は死んだのか
同じく『この家』に住む10歳の葵と3歳の衣織 この子たちもエロシーンあるのか……? こわ……
竿役が確定しているおっさんきた。神社の「晨星(しんせい)の会」……田舎に巣食う怪しいカルト団体だ!
地下鉄爆破事件!? もろにオウムモチーフなのか……? 過去に3.11被災者を主人公にしていたので、あり得るか……
95年だもんな。じゃあ、もう "そう" じゃん
死んだのは兄ひとりだけ。つまり、この村の秘密を外に持ち出した人間を抹消するために起こした事件なのかな。すべてはひとつの小さな村の人間の内輪もめだったというあるあるオチ
やっぱり孤児院なのね
「僕」の一人称叙述で進むんだけど、実際に発話している台詞も主人公だけは括弧をつけずに書かれるので、モノローグと区別しにくい。あとなぜか句点(。)が一切ない、会話調?の文体
兄から託された眼鏡 重要アイテム
茜音さんそれはちょっと反則ですよ…… 未亡人がネグリジェで歳下の青年の部屋に入ってくるなんて
李緒さんは、[SSSS.GRIDMAN]の宝多立花や[SSSS.DYNAZENON]の南夢芽みたいな今どきの女子高生ってかんじでいい
風呂上りの寝間着ショーパンとかいう至高の差分
6年前、村を出るときにはまだ小学生だったってことは、李緒は18歳以下……高校生ってことでいいのかな
なるほど。この孤児院を運営していた「先生」が入院してしまったので、まだ学生の李緒だけに引き継がせるわけにはいかず、茜音さんは村へ出戻ってこの家の管理人を務めようとしているわけか。
!?!? なにっ、「僕」は事件後に一度だけ、茜音さんと慰めックスをしているのか……どこまで行ったのかは分からないが…
第2話「湖の秘密」
1996年4月8日
つまり李緒は「僕」を村の陰謀に巻き込みたくないから、「僕」が村に帰ってくることに反対していた? もうすでに教団の輩たちに手籠めにされてるのかな……されてるよね……(傾向と対策)
電車で30分通学 やっぱり村には高校ないよね
坊主のクラスメイト内海くん……知ってる! この子が、後に李緒や茜音を犯す(よう仕向けられる)んでしょ!? すごい既視感あるよ!
子どもの頃の秘密基地が、今は何に使われているのか……ハァ…… 田舎エロゲで「小屋」つったら、用途はもう一つしかない。
どうやら "まだ" ちびっ子ふたりは無事っぽい
[https://gyazo.com/1e2a3a04a442fd341719bab012f6d4c5]
こういう、スチル場面でテキストウィンドウとは別に、テキストをスチルの上に表示する演出がある。ちょっと独特
「僕」は完全に茜音さんに愛情とないまぜになった性欲を抱いてしまっている。
うおおおお 男子主人公の自慰シーン頂きました! さっきスチル上に表示されたエモい文が自慰シーンでリフレインされるの良い。
やっぱ茜音さんが初恋にして初失恋だよね……そりゃそうだ。李緒さんは昔から片想い、と……。
第3話「星を継ぐもの」
……ぜんぶ章題は名作文学からの引用なのか。「湖の秘密」はハーレクイン小説かウルトラマンしかググっても出てこないけど。
青年会のリーダー原口さん、茜音さんを狙っている。もう展開がすべて手に取るようにわかる…… だがそれがいい…… 需要と供給の一致……
村の診療所で「看護婦」として働き始める茜音さん。前時代的な村なので。
ダメだ、出てくるモブ男がすべて竿役に見える。お爺ちゃんでさえも……
「僕」も茜音さんも汗かき そういうフェチもあったんだっけか
鎖骨もめっちゃ言及される。汗の匂い、鎖骨の硬さ、肌の白さ
うお~~ 茜音さんもこれは「僕」に依存ちゃってますね…… 死んだ夫(兄)を蝶番にした共依存関係……
まだ24歳なのか茜音さん
それまで「僕」は東京で寮生活をしていたが、事件後、茜音さん(と兄)の家に引き取られた。
つくづく、被害者ではなく加害者(の子どもたち)を主人公側にした[輪るピングドラム]は凄いなぁと思う。
はい、今回初の体毛描写いただきました。ノルマ達成
うおおおお 腋毛最高~~ これだよこれ、ふじきの作品に求めていたのは。。
だから「白肌」を強調しておく必要があったんですね(メガトン構文)
もはやエロいというより萌える。かわいい。おもしろい。あまりに性癖にハマり過ぎてキャッキャしてしまう。
こだわりの剃毛描写。だから「先生」も女性なのか。
剃毛という「ケア」 「ムダ毛」が処理された滑らかな白い肌は、自分の身体へのケアが行き届いている証拠であり、逆に、大切な人を喪った、その喪失の深さを表すためにも、処理されていない体毛というモチーフは重要なんですよね。これくらいは本サークルを作品をやってきた者であれば常識の範疇。もはやいちいち驚くようなことでもない。ふじきの作品における「体毛」描写とは、フェティシズムの発露であると同時に、女性が己の身体にどう向き合うか、という切実な尊厳を守るための闘争の主題に深く結びついている。
白さ、光 毛を剃ったあとの肌にかんして、こうした形容をあてるのも一貫している。
18と24だから6歳差なのかこいつら。
わりと切実な、シリアスな状況で寂しさを埋め合わせているふたりではあるんだけど、さすがに何もかもエロ過ぎて笑っちゃう
両想いの恋人とそういう行為をするよりも、「お姉ちゃん」「家族」とするほうが断然えっちなんだよな
「撫子色の乳輪」 声に出して読みたい日本語
そういえば陥没フェチでもあったんだった。どんだけ癖を詰め込んでいるんだよ、最高だな
「おっぱいは逃げないんだから……焦らずに味わって」 声に出して言われたい日本語
身寄りを失くした赤ちゃんだからなぁ実際。そりゃあ乳房に吸いつきもするよ(?)
そういえば、Hシーンなのにまだ専用スチルではなく、裸の立ち絵のみで演出している。
お~ 女性のそれだけでなく、「僕」の男性の身体の体毛(陰毛)までしっかり言及するこだわりが素晴らしい
あ~やっぱ挿入には至ってないのね。でも「セックス」はしてるよね。ここまでやって "していない" というのは性器結合中心主義だ
ようやくスチルがきた。肌に差す光と浮き上がる汗の表現が……すばらしいです。
あとさっきから、茜音さんのささやき声がガチで良い。これがASMRちゃんですか
隙あらばふとももを使う
ボディミルク
>ワキから背中にかけて 産毛のような体毛が剃り残されていた
これはもう文学
!?!? 動いた……簡易アニメーションだ…… びっくりした~~ しかも、しごいている手だけでなく、それに連なる肩や乳房までちゃんと連動している丁寧さよ。肌に差す光の陰影もそれにともなって変わりゆく。ほんとうに、この作品は、女性の「身体」をどこまでも大切に、尊重して描こうとしているんだなぁと感動すらしてしまう。
>僕は、茜音さんの脚の間で抱きしめられていた
草
!? なんだこのスチル…… 太ももに浮ぶ静脈が見えている…… 太ももフェチも突き詰めると静脈フェチにいくんだ……
つくづく、そこに本当に生きている身体、肉体を追求している。いわゆるアニメ的な、記号的な身体ではない。これぞエロゲ。BIG Respect...
>「じゃあいいよ、もっと奥へおいで… 頭、ここに乗っけてもいいから……」
茜音さんの陰毛は「落ち着く匂いがする」ので、頭をうずめる「僕」。なるほど? つまり、マジで茜音さんを「母」として、自らが生まれ出てきたふるさとに還っていくような安らぎを得ているわけね。田舎/故郷エロゲってそういうことか…… これはまた新たな発見だなぁ。精神的な "ふるさと" としての母胎、女性器、陰毛…… 「その謎に迫るため、我々はアマゾンの奥地へと向かった」の「アマゾンの奥地」じゃん。〈[出生の秘密]〉をはらむ深淵としての奥地、田舎、女性…… じっさい丸谷才一『樹影譚』はそういうオチっぽいし。そこで「女性」が呼び出されることの、解剖学的/本質主義的な性差別性まで考えたい。
事件後1年間はずっと同居してたのね。「僕」が東京の高校生活に復帰してからも。
故郷の村の宗教組織が関わっていると噂される、兄の死の真相を解明するためにも里帰りする。〈出生の謎〉と〈死の謎〉が合流するところに、「女性」の身体が聳え立つ。エロゲであり、サスペンスであることは不可分である。この先を読めば、おそらく凌辱エロゲであることもまた、不可分なのだと思う。
とりあえず今日はここまで。マジで傑作の可能性がある。
「目次」チラ見しちゃったけどまだだいぶ先あるな!??
再開
第4話「日の暮れた村」 これもイシグロの短編なんだ! 知らなかった……なっちゃん全集の短篇コレクションに入ってるのね
https://ranunculuslove.hatenablog.com/entry/2021/03/14/082047
一か月後、5月初旬
「大巫女様」…… 茜音さんとかではないよね。「先生」でもない? 1年前に代替わりした……明らかに「僕」の知っている人物っぽい
え、マジで非現実的な伝奇ファンタジー要素あるの? そういう思い込み・信仰・幻覚ってこと? 画面には何も映っていないけど
第5話「日の名残り」 ずっとイシグロなのか。じゃあ最終話は「わたしを離さないで」? 訳アリ孤児院の話だしなぁ……じゅうぶんにあり得る。
脇汗拭いプレイ。姉妹揃って毛深い。片想い幼馴染ヒロインじゃないですかやだ~~
第6話「天の光はすべて星」 フレドリック・ブラウンのSF小説(1953年発表)
https://dic.nicovideo.jp/a/天の光はすべて星
星祭りの夜に天灯(てんとう)の送り火を空へ飛ばす
え……まさか衣織は李緒の子ってことはないよね? 有り得るから怖いわ~
海近いんだ。湖があるとは聞いていたけど、てっきり山間部の盆地だと。……いや、湖のことか、「海」って。
お~ ちょっと動いた! 送り火を離すアニメーション 簡素な塗りの画風がとても抒情的でいい
ちっちゃい熱気球みたいなものか
神社が祀る蛇の邪神・天目様(てんもくさま)はいいとして、それを退治した「巨人」が気になる。たぶん兄さんの死に関わっている。「忘れられた巨人」がおそらくサブタイトルになるのだろう
第7話「幼年期の終わり」 名作海外SFとイシグロを行ったり来たりしている
6月
96年現在、茜音さんは24歳ってことは、85年時点では13歳前後か。11年前……葵はいま11歳…… はい、衣織の母も確定しました……
静脈浮き上がらせるのは太ももだけにしてくれ~~ 妊娠しているお腹に……
やっぱり勤め先のお爺ちゃん医師も全員、竿役だった……
「僕」だけでなく、竿役のモブ男たちもみんな太ももフェチなのちょっと笑う 太ももフェチしかいない世界
歳上の「お姉さん」をレイプしかけるけど、逆にこちら側の心配をされて謝られるやつ、[ひとりぼっちの、灰色仔猫。]でも見た。
めっちゃオホ声 そんなエロい実況喘ぎ声だされるとやや興覚めしてしまわないか。この物語のトーンに比べて
「夜が明けるまで」 そんな残酷なタイトル回収あるんだ
第8話「わたしたちが孤児だったころ」 そういやそんなドンピシャな作品もあったな。忘れてた
「先生」は茜音や李緒の母だった。もう「生贄」に捧げられて死んだ? どういう状況?
何千年もってマジかよ スケールでかいな
あ、兄さんも村に歯向かったから殺されたんじゃなくて、生贄の儀式として殺されたんだ。じゃあすでに次の巫子を産んだ茜音や李緒は、用済みとして殺されるってこと? 凌辱し続けるわけじゃないのか。葵へのそれが始まったら親である茜音は代替わりとして用済みになるのかな。えぐい
オートモードでボイス最後まで聴けずにスキップされちゃうんだ
第9話「闇に囁くもの」 ラヴクラフト
たいへん趣味の良い(悪い)衣装だ
第10話「運命の至る場所」 えっ!? マジで『ピンドラ』からの引用かよ!! 23話のサブタイトル
https://ja.wikipedia.org/wiki/輪るピングドラム#各話リスト
にしても、毎回ふじきの作品の終盤になると思うけど、酷く凌辱された可哀想な「ヒロイン」を憐れんで優しく寄り添うだけで純愛を遂げられるなんて、なんと都合のいいロマンスだろう。ある意味では、犯している男たちよりも一層邪悪に思える、こういう作品の男主人公は。無謬を装っているが、その実すべてが「彼」=プレイヤーのためのマッチポンプである、という構造。実質[『負けヒロインが多すぎる!』]と似たようなものでは?
ヒロインの股に顔を突っ込んで他の男たちの精液を吸い出す「僕」 そういう生き物いそう
男たちの欲望を傷痕として刻み込んだ女性の身体 それをまた別の男(主人公)が純愛ックスで上書きするのってどうなんだろう。男性によってではなく、女性自らが自分の身体の尊厳を問うことはできないのだろうか。自己責任論みたいなことにはなってほしくないが…… 「(男に)見られる身体」というパラダイムそのものから降りるべきでは、と思う。←単なる賢者タイム?
今度は乳房に浮き上がる静脈ですか
「姉さん」の身体と比べて自虐する李緒 Wヒロイン作品の定番
うわ~~ いまだに自分が産んだ(産まされた)衣織を抱きしめたことがない李緒。怖い、と。めちゃくちゃ重い話だ…… シリアスなポルノ。「妊娠/出産」もまた、このサークルが一貫して追求する主題である。不妊のキャラもいたけど、今回は経産ヒロイン……。
望まない妊娠/出産によって身体が変わっていくことへの恐怖。女性が自分の身体をどう抱えて生きていくのか。
自らの体内に命がある、ということの恐ろしさ。自分と同じく、死ぬために生まれさせられる命が。……重いって!!!
第11話「流れ星の正体」
あーやっぱ「大巫子様」は「先生」だった。生贄になっても死んでないってこと?
マジでスケールのでかいSFやり始めてわろた [君の名は。]以降のエロゲって感じがする。[アカルイミライ]が『君の名は。』以前の(凌辱)エロゲであったように。
イナズマイレブン 宇宙からの侵略者
「運命」って、あの家の一族のそれってだけじゃなくて、まじで地球規模の、人類全体の運命だったのかよ。設定がデカすぎて何とも言い難い。感傷とか青春とかそういう次元ではない。
星の記憶の回想シーンでは、スチル上に表示される文とテキストウィンドウ内の文が並行的に進む。これが錯綜して一気に流れ込んでくる情報の演出になっているのだろうが、前者の文だけバックログで読み返すことができず、単純に不便。スクショすると何故か同時に一瞬スキップしてしまう仕様があるので、たぶん読み飛ばしてしまっている。
主人公「僕」のなにも出来なさ、無力性が徹底している。兄さんすら妻である茜音さんではなく「僕」を守ろうとして身代わりに死んだ。「僕」はただ目の前で繰り返される悲劇的な運命の前に絶望して、「ヒロイン」に欲情しながら寄り添うことしかできない。まぁおそらくこのあとヒーロー的に活躍するんだろうけど。
形見の眼鏡越しでなら、天目様の蛇の眼を見ずに真実を見通すことができる?
お前……「星の守護者」の依り代だったんかい。少年マンガ的展開
!?!?!? 爆笑している マジかよ…………ww
『君の名は。』だと思ったら『ウルトラマン』だった。
活動限界180秒で草 なにがしたいんだ…… 「青春×寝取られ」じゃなくて、本当は特撮がやりたかったのか……!
あぁ、メガネだから『ウルトラセブン』か。よく知らんけど
ヘイローきたあああ
榎本さんの正体は特異現象対策……ww もうめちゃくちゃだよ
https://dic.pixiv.net/a/特異現象捜査部
ブルアカでもあるってこと?
「流星より愛を込めて」が最終話サブタイトル。「わたしを離さないで」じゃなかった…… けっきょく執拗なイシグロ擦りはなんだったんだ。ただの性癖か。
https://dic.pixiv.net/a/遊星より愛をこめて
ウルトラセブンかー…… しかも被爆者モチーフの、かなり危うい回らしい。オウムモチーフはどこにいったんだ。引用先に節操がないな。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラセブン#放送日程
2話「湖のひみつ」も、セブンの3話サブタイなのか。特撮オタクだったらこの時点で気付けてたってことか……
なんで凌辱エロゲをやっててウルトラセブンに詳しくならなきゃいけないんだよ。……これぞ同人ゲーム!
・感想まとめ
ちょっと終盤の展開がトンデモすぎて、まだ混乱している。ふじきの作品で過去こんなにSFファンタジー要素を入れたのあったっけ?
前半は需要と供給が完全一致した、いつもの安心感のあるほどのエロゲシチュの宝庫であり、体毛フェチ描写から女性の身体の尊厳を主題とする(のだと妄想できる)もので、めちゃくちゃ良かった。わたしはこういうエロゲをいちばん評価したい、と言えるような。
しかし後半になるにつれ、(抜き目的の凌辱ポルノとしてはまぁいいものの)可哀想なヒロインに都合よく寄り添って純愛に至る「僕」の存在が受け入れ難くなってきた。ここまではいつものふじきの作品の感想。
で、終盤は男子主人公がヒロイックに活躍するかと思いきやまじで特撮ヒーローになって大怪獣バトルですべてを決したので、もう何が何だか…………。閉塞的な田舎村の伝奇ファンタジー程度かな?と思うじゃん! まさか伝承レベルでなくまじで「光の巨人」となってナントカ光線をやり始めるとは思わないじゃん!!
兄や「僕」が「星の守護者」の依り代なのだとしたら、けっきょく太古からの戦いを反復しているに過ぎず、「運命」に抗う、みたいなテーマもどこに行ったのかよう分からんし、「青春×寝取られ」は宇宙の彼方に消えた。制作者が途中で交替したのかと思うくらい。(でも序盤から、特オタなら気付ける程度の伏線は張ってあったんだよな……) しょうじき、これまで丁寧に積み上げてきた物語を最後になって放り投げているとしか思えなかった。
サブタイ等にカズオ・イシグロや他SF小説、そして地下鉄サリン事件、『輪るピングドラム』から『ウルトラセブン』の原爆まで、野放図に引用してきているのも、最終的には無節操すぎて下品ではないかと感じた。それらを引いてくるだけの強度と覚悟があれば良かったんだけど、単純に詰め込んだだけ感。
Wヒロインは……どちらも良かったといえば良かったし、どちらかといえば同い年幼馴染の李緒さんが好きなのは言うまでもないんだけど、そういうのも全部、最終的にはぜんぶどうでもよくなるくらいのオチだったので……。ちびっ子ふたりはギリ無事だったのでホッとした。榎本さんや「先生」のそういうシーンが無かったのはリソースの都合か。
凌辱抜きゲーとして見れば、もう少しそういうシチュが豊富だと良かったけれど、明らかに一般的な抜きゲー志向の作品ではない(より雰囲気とシナリオを重視している)ので、これでいい。
もう特撮SF要素は一周回っておもしろいので良いとして、やっぱり自分が本当に合わないのは「純愛」要素なんだよな。李緒さん魅力的だけど、村の男どもに凌辱されまくった身体を男子主人公が犯すことで「上書き」して彼女に感謝されるという展開はさすがにグロすぎる。やってること同じだろ。男主人公が可哀想な「ヒロイン」を救ってあげる(ことで所有する)というグロテスクなヒーロー性のあらわれとして、本当に特撮ヒーローが現れてくれたのかもしれない。(もちろんそれも作中では批判的に描かれていないので、ダメだが。) つまり大怪獣バトルで「守護者」が倒されていれば良かったってことかぁ(爆)
そういえば分岐はなく一本道だった。なんか途中途中で、カーソルを合わせてクリックしなければ進めない一択の選択肢みたいな演出はあったけど。ブルアカ?
やっぱり『灰色仔猫』の例のENDだけが最高で完璧だったんだよなぁ……という想いを再確認した。
でも、めちゃくちゃ好きなところもあるし、やっぱり決定的に合わないところもある、このくらいの塩梅がいちばんワクワクドキドキして面白いのかもしれない。サークル「ふじきの」の1ファンとして、次作も楽しみに待っています。