ErogameScape -エロゲー批評空間-

oldreavesさんのハルジオンは雨と咲くの長文感想

ユーザー
oldreaves
ゲーム
ハルジオンは雨と咲く
ブランド
『縋想』プロジェクト
得点
68
参照数
152

一言コメント

大学生ジュブナイル伝奇ギャルゲーとして十分に高水準ではあるが、本サークルが掲げる「縋想」というテーマの体現/表現には適していなかったのではないか

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

総プレイ時間:10時間55分
実プレイ日数:5日間




【プレイ中のメモ】


>あのころはいつもおまつりだった。
いきなりパヴェーゼの引用で草
おお、クリック待ちかと思ったら自動進行だった。いまの文章「履歴」で読み返せないのか。流れてっちゃった
「俺」の一人称か
全画面表示にしてスクショボタン押してもいつもの反応がないけど、確認したら撮れてはいた。
えっ、もしかしてテキスト非表示にできない!? しかも「A」キー押したら変な設定画面に飛んだ。
すげ〜いきなり歌モノのOPアニメーション。凪あすみたいな曲。気合入ってる。絵柄めっちゃかわいい。安定のスチルネタバレ
chapter 1. アイキャッチまで!
2020/5/9
「H」キーでテキスト非表示にできた! なんか隠しコマンド的にショートカットが色々あるっぽいな。なんのゲームエンジン使ってるんだこれ。
にしてもマウス右クリックで「セーブ」画面に飛ぶのなかなか珍しいな
男主人公:柊 皐月(ひいらぎ さつき)。一人称「俺」。「極度の慎重派リアリスト」by 岡村
男友達:岡本雅史。「暑苦しい以外は、そんなに悪いヤツではない」。演劇サークル『第七劇場』。授業サボりがち
え、こいつら大学1年生? 新入生が5月にもうサークルの公演やろうとしてるのか
あ〜全画面表示だとやっぱり上手くスクショ撮れてなかった。なんか設定画面になっちゃう。なのでウィンドウ表示の最大にした
新入生歓迎公演なのに新入生が演出を務めてるのか
青井結夏:経済学部1年。天性の演技センス。外ハネ長髪。
ふたりは文学部か
……おい! もう結夏さんの好感度めちゃ高いやんけ!! くそっ……
皐月くんは写真部か。
「ゆか」なのか「ゆいか」なのか。OPに読み方も書いてあったかもしれないが……
20/5/11
皐月はゲーム制作会社クローバー・クリエイティブで入学当初からバイトをしている。
上司の鎌倉千鶴さん。シナリオライター
うわ〜……ブラックというか、創作者のロマンチシズム全開でこの人苦手だ・・・美人ではあるが……
松田って地名(梅田のもじり)か。
女性による意図的な痴漢冤罪でっち上げ。いやぁこういう描写は普通にキツいでしょう。ミソジニーが……
そこで「ヒロイン」から助けられるという展開は、「ヒロイン」とそれ以外のモブ女性とのあいだに明確な区別があり、しかし根底には女性全般への蔑視があることを示している。
結夏さんのキャラが全然掴めない。都合が良いとかのレベルじゃなくてこわい
「海が聞こえる」
何? 記憶疾患系ヒロイン? 「演技」が上手いのは本当の自分が空白だから?
>郊外にも様々な色があるのは、大阪が東京に勝る数少ない美点の一つだろう。
へぇ〜そうなのかぁ
ハルジオン=貧乏草  花言葉は「追想の愛」。だから『縋想プロジェクト』と関係するのね
わたしは花言葉ガチアンチなので、それが出てくるだけで大幅なマイナス要素となります!!
5/15
皐月の一人暮らしの部屋どんなだよ 売れっ子デザイナーみたいな内装
水瀬綾乃:皐月の後輩の高2。軽音部の問題児ギタリスト。皐月は懐かれて「綾野係」だった
「母集団」の誤用だ
岩橋(石橋)
初めての選択肢!!!! これは結夏√と綾乃√ってことかなぁ
>綾野と先に合流する
高校生にしてすごいファッション
ん? 結夏にも綾乃の大学見学の付き添いを頼んでたってこと? いや、偶然会ったけど成り行きで同行することになったのか。皐月と結夏の間ではまったくコミュニケーションが交わされていた様子は無いが、すごい意思疎通だな。どれだけ分かり合っているんだこのふたり。
てか皐月は写真部だったのに軽音部での綾乃もかなり見てきているんだな、写真部は籍だけ置いて幽霊で、綾野係として軽音部に入り浸ってた? いや綾乃がそもそも軽音部でちゃんと活動できてなさそうだけど。
>皐月「眩しすぎて、たまに見えないもんな…」
冗談なのか伏線なのか
SFの蔵書がすごそうな写真部室
>彼女は、この部室からしたらイレギュラーな存在だ。
>その整った容姿とキラキラした雰囲気は、
>淀んだこの場所には明らかに不釣り合いに見える。
>けれど、そんな空間すら背景として、
>一枚の絵に見せてしまうような力が彼女にはあった。
メタい。 ところで今更ながら、ちゃんと読み易いように適切に改行してくれているテキストだ
20/5/22
そういえばパンデミックが起きてなかった世界線だ
梅沢大学っていうんだ。 和歌山県南部……熊野とかではないか。リゾートタウンとして有名……白浜とか?
いきなり結夏視点の一人称地の文になってびびった
甲斐田センパイが半ズボンで波打ち際にいる光景おもろい
夏合宿で撮ったメールボトルの写真を誰に見せるかの選択肢! えー……千鶴さんはほとんど出てきてないしな……
>綾乃に送って見せる
>届いていることさえ分かれば、内容は伝わらなくてもいい
夢久『瓶詰地獄』 チョイスがほんと典型的なサブカル
未成年飲酒かと思ったら結夏さんまさかの一浪で20歳! おい!! 同い年じゃなかったのかよ騙された!!! 2/3が歳上だぁ〜〜〜
結夏にとって、どこにでも行けるようでどこにも行けないことの象徴としての海/写真。
>ここには生きるも死ぬも全部詰まっていて、完結してる。海より広い場所なんてこの世界にはなくて、私たちは常に限界を見せられてるんだよ。
生と死の両義性も。
結夏の祖父は戦時中20歳で徴兵されて満州に動員されていた。
6/10
コロナ禍が無いはずなのに学生食堂に透明な仕切りが!! 叙述トリック(?)だ!!!
RAD「五月の蝿」
千鶴さん良いのは外見だけで内面がマジで苦手だ
演劇脚本の相談をするかの2択。千鶴√を後回しにするために
>今はやめておく
千鶴さんには見抜かれていた
『論考』を雑引用したら何らかの罪に問われるような世界にならないかなぁ
皐月は大阪が地元なんだよな
蛍沼(蛍池)
「綾乃が高校時代からずっと使っているものだ」って綾乃はまだ高校生では。「俺が高校生の頃から綾乃がずっと使っているものだ」
家庭教師を頼まれる。綾乃√いくかぁ
>俺が教えようか?
「2年前、入学したての頃」? いま6月だから、だいたい1年前ではないのか。綾乃はいま高2だよね? あれ、大学受験勉強ってことは高3? でも皐月と2個差だから高2で確定だ。皐月か綾乃がダブったりしてない限り。
生徒指導部が更生させられなかった問題児の1年の面倒を生徒会長が見させられるのヤバいな。てか軽音部で部長と揉めていたのを調停して懐かれたんじゃなかったっけ。過去が複数化している……伏線か!
6/12
>秘密を話すという行為は、相手に心を許していると示すことでもある。
>だがそれは同時に、相手に負担を感じさせてしまう可能性をも孕む。
お硬い、レポートのような文体。ノベルゲームではなかなか見ない。「〜という行為」のような表現が頻用されている
お〜〜不倫要素だ!!! 今のわたしは不倫にものすごく興味があるんだ(語弊)
小学時代に父親の不倫で両親が離婚して、預けられていた祖母の死後はその父親と二人暮らしをしてきた。
>「お前も大人になって、誰かを好きになったら分かる」
父への怒り/トラウマから、「じゃあ俺は恋愛しない」と決めた皐月。いいですね〜〜
>『心は悪いくらいに健全なんだ。みんなと同じように、誰かを好きになる。それを否定して生きなきゃならないのは、辛い』
アロマンティック差別だ。べつに恋愛することが必ずしも「健全」ではないし恋愛しなくても「健全」です!
LINEでのやり取り『』からいつの間にか口頭「」の会話になるのをサラッと演出するの良いな
>結夏「そこまで意固地になるなら、私も恋愛しない」
いやいや…………意味が分からないし、馬鹿にしてるのかと思っちゃった。
今のところ、消去法でまだ綾乃がいちばん好きかな…… 皐月も結夏も千鶴もちょっと好きになれない。結夏は隠し事が色々あって個別ルート入った後に印象が様変わりするのだろうけれど。
アメリカン・カンフー・ジェネレーション
綾乃の家庭事情もまったく同じなのか。皐月と兄妹だったりしない?
お〜〜去年の11月に綾乃は皐月に告白してフラれてるのか! どんどん好感が持てるようになっていく
やっぱヒロイン同士が対峙してるシーンがいっちゃんおもろいよなぁ
綾乃も同じ大学に入ってからのほうがいくらでもチャンスあると思ったけど、可能性ないのに好きな先輩がいるからという理由で大学を決めたくないというか、ある種の諦めるきっかけを求めているのかなぁ無意識にでも。
さっきから肝心のテキスト非表示Hキーがたまに反応しない。マウスクリックしてるとダメで、キーボードキーを使っていないと反応しなくなる。
文化祭準備日の一日をループ……ぜひとも巨匠に映画化してほしいものですね
結夏さんこわいよ。相手の家の前までこっそり来てて、LINEで許可を得た瞬間にインターホン鳴らすのは。
Tシャツ(Yシャツ)
男主人公が書いた劇の脚本をヒロインと読み合わせて演じてみる展開、『白昼夢』でも見たな
え〜〜ここでも選択肢でるんだ。
>もう演技はいいから
!? 振るんじゃなくて皐月から告白し直すのか。え、さっきの選択肢もそうだったけど、もしかしてだいたいブラフで、大局的な流れは変わらない感じ? 流石に綾乃√や千鶴√はあるよね? そこもブラフなのか? だとしたらWA2 ccのパロディ/オマージュとして3人のヒロインを据えた大学生主人公モノをやる、ということ自体が壮大なミスリードってことになって、それはそれで凄いな。
>皐月「おい、ゆい……」
結夏(ゆいか)か!! ずっとゆかだと思ってた……

2023/10/10
一気に飛んだな〜! 3年後、4年次の卒業間近か
警察官の篠原聡美さんに立ち絵がある。

2020/6/13
また戻った。
オーギュスト・ブランキ
>綾乃に返信する
結夏と付き合い始めたと報告しても綾乃の反応が薄くて怖い
十四(十三)
芸術至上主義を掲げなければいけないほど弱いことを自覚している千鶴さん。
>千鶴さんは僕の憧れです
結婚経験あるのか。大学中退、親には勘当されている
千鶴√入った?
20/6/24
未亡人か……

23/10/10
えーまた3年後に戻った。交互にやってく構成か? サブヒロインの√に入ったかどうかも分かっておらず、ちょっとぐちゃぐちゃしてて読み辛いというかノレないな
ふつうに結夏さんも家庭虐待的なアレか。田舎の因習によって……
2020年のクリスマスイブに失踪したのか

20/12/23
結夏の冬服かわ
唐突な感傷マゾぶっこみ。言及してしまったのでわたしの負けです
>綾乃について話す
雪の演出 『雪国』
綾乃さん…………
皐月、「正規ルート」は分からないのに「ゲームクリア後のCG集みたく」という表現は使うんだ
また川端だぁ〜〜 こういう手垢の付いた引用をどこまで意識的にしているかだな
20/12/24
お〜〜 「ミッドナイト・メロディ」綾乃のライブ気合入ってる! 専用歌だ〜 内心の文字演出ちょっと切り替わりが早くて読めなかったけど。
綾乃いいですねぇ ピアノBGMもいい。
ところで全ヒロイン太腿がたいそうお太くて良いですね・・・
クリデートすっぽかされ音信不通→アパート解約失踪

一旦ここまで!
今のところいちばん気になってるのは物語内容というよりも、「で、結局綾乃√や千鶴√はある/あったのかどうか」という点。√といっても勿論、付き合うとかではなくて、ある程度それらのキャラに焦点が当たる固有の分岐があるか否か、ということで、というか既に読んだところがそうだったのかどうかすら判断できない。一般的なギャルゲーの様式をこちらが強く引きずってしまっているのが悪いだけだが……。
ストーリーとしては暫定はまぁ、という温度感で、キャラも基本的には記号の域を出ないかなぁ しかし綾乃だけは割と好みです、というかんじ。後輩キャラだからではなく、好悪がハッキリしてて諦めの悪い芯の通ったキャラが好き。
ぜんぜん言及してないけど文章は標準的なラノベ/ギャルゲーの水準に収まりながらも質が安定して高いと思う。
イラスト、演出、音楽面もすごく良い。絵柄好きです。

23/10/10
10/13
4年分の学費を払っているから除籍になってないのはいいとして、なぜ3年生に進級できているんだ
綾乃は1年浪人していま大学1年か。皐月も1年留年していま3年生?
10/15
マルクス・ガブリエルw
綾乃、髪型変わってる〜
>千鶴さんに連絡して予定変更してもらう
>まあ、可愛いヤツだとは思います
10/18
天気の子の引用w
蛍沼での路上ライブをする若い女性 オート進行挿入歌パートか クリックで飛んでしまったのでもう一度ロードして聴き直す
アニメとかでもたまにある、主題歌を歌うシンガーが作中でもモブとして登場して弾き語るやつ。ブレス多めの声質はめっちゃ今風だな〜
なぜ千鶴さんを思い出したんだ 千鶴√ってことではなく、千鶴さんのイメージ曲なのかな
10/22
朝にハルジオンを見たときのことを忘れている結夏。彼女にとってはあそこのシーンはスチルになってなかったんだね
10/23
今村昌平『人間蒸発』(1967)
お〜〜 3択だが綾乃しか表示されてない! 明確に綾乃√?にいるっぽい
>綾乃(に連絡する)
斑目先輩w 甲斐田の職場も近いってことか
人魚の丘 福井県嶺南の青井
10/24
千鶴さんの肩出し私服……
感傷マゾ……研究会?
海から山まで塩の道を作る儀式
不穏な展開になる前に露骨にBGMで教えてくれる ちょっと勿体無い気もする
よくある、自分以外には見えてなかったパターン 幽霊的なアレなのか、実在していたけど皆の記憶から消えたのか
やや浮いていたカップルパフェのくだりは伏線だったのね

これで今度こそ結夏の地元、青井に訪れるのかな
最初に失踪したときはなんで地元に行かなかったのだろう。行方不明になっていたら警察経由で故郷くらい調べられそうだけど
あと、相変わらず綾乃√なのかどうかが分からん。おそらく、個別√としては存在しなくて、あくまでメインの結夏の話の細かいところで協力してくれるのが千鶴さんなのか綾乃なのか、というプチ差分がある感じかな。3択だったあと一人は誰だろう、岡本? 

10/25
あのハルジオンの出来事を覚えていなかったら皐月にとって彼女は結夏ではない……かなりこわい基準だ。
いきなりゼミの民俗学教授に相談してがっつり青井の歴史と民族誌について調べ始める
めっちゃ『七夕の国』みたいなアレ 現地の田舎ではなく、都会の大学で主にことが運ぶところとか。つまり縋想(過去を想う)における過去とは田舎のことでもある。時間を遡ることと空間を遡ること。とすれば「記憶」(現在の中にある過去)に対応するのは、都会の中にある田舎、ってコト? 地方出身の結夏自身がそうであり、あのハルジオンが咲く風景もまた当てはまるかもしれない。
八百比丘尼(やおびくに)伝説…… 人魚の肉を食べて不老不死になった
おそらく収蔵庫の写真は撮れなかったから5階とかの開架棚の写真で代用していると思われる
福井県嶺南って、若狭湾沿いの、あの骨の尻尾みたいな地域のことか。若狭町や美浜町がある。
10/26
青井では秋祭りの10/29に5年ごとに若い女性が死んでいる。2003年に滑落死した長洞勝義さん(42)は男性だよね? この「若い女性」というのは青井の人間なのか、外部の人間なのか。
10/27
大阪から福井県嶺南に行くには普通に京都・大津経由で琵琶湖の西側を北上していく感じか。敦賀まで行くかどうかは地区による
おお! 綾乃がついてくるのか。綾乃の個別√があるのではなく、結夏の謎を追うひとつのメインストーリーの随行者として綾乃や千鶴さんがいるわけね。ようやく得心した。
へしこ定食 福井の郷土料理かー
うおおお同室! そして廃人状態の皐月の家に綾乃が乗り込んでギターを弾くエピソードがやっと回収される!
10/28
ベタな田舎の暗部設定 権力者は嘘をつくのが仕事ですからね
山を挟んで海と麓の神社は両側にあり、塩の道は山を迂回するようにして神社まで伸びる。ハルジオンが咲く人魚の丘が明らかに怪しい
消失した4巻目
10/29
有力御三家の派閥争い 青井家が没落?して町長を有する若狭家がこの地域の実権を握っている。若狭家の分家である美浜家の当主・菖蒲(あやめ)婆様と対立?
山頂から目線を逸らすための塩の道と、町側の川沿いで上がる花火。おお……まっとうにミステリしてる! 欲を言えばもう少しこの町の散策をして地理関係の伏線を仕込んでいてほしかった。
でた〜ww 双子ヒロインものだ〜〜〜
本当に別人だったのか、ハルジオンの件を覚えていないのは。……しかし、「本当に別人」にしてしまうと、それこそ主題である縋想、記憶によるアイデンティティ(の書き換え)からはブレてしまうのでは? だって、肉体的(唯物的)なところに最終的に根拠を求めることになるから。
そのための写真部だったのか。
え、おわり!? バッドエンドってことか、綾乃√は。。
最後に「そばかす」w まぁいい詞だけれども!!
うお〜 「愛してるぜ〜皐月〜!」 やっぱ綾乃好きだわ〜〜 皐月は相変わらずキモいけど……
あっさり若狭家告発には成功してて草 まぁ結局は村の政治的陰謀よりも結夏との関係がメインですからね
この感じだと千鶴√では千鶴さんと付き合いそうだな……いいけど。
しかし後味めっちゃ悪いな 普通に恋人が殺害された丘に今の彼女と登ってイチャイチャしとる。しかも、後に尾を引く後味の悪さではなく、単に結夏が殺されたのにへらへらしてる皐月が不快なだけなので……(いや内心でめっちゃ引きずってるけど、それはそれで綾乃に対してアレなので厳しい) だからといって結夏の魅力が増すわけでもないし…… 結夏が殺されなければ綾乃は皐月と付き合えないのが残酷というか、イヤですね。
このルートとしては、最愛のあの子が理不尽に殺されちゃってツラい……あの子を覚えているためにも別の子と恋愛しながら生きていこう……という(だけの)話になってしまっており、え、こんなのが「縋想」なの!?と肩透かしの気持ちを抱かざるを得ない。その前段階としても、彼女が突然失踪してしまってツラい……というだけの話だし。

うーむ……本サークルが掲げる「縋想」というテーマと、この作品が選び取っているストーリー、設定、ジャンルが根本的に相性が悪いのでは、という気がする。仮にここで表現されているものが「縋想」なのだとしたら、そんなありきたりで薄っぺらい程度のもので良いの?となってしまう。そうではないと思いたいので、ギャルゲーとして「作りやすい」テンプレート、あるいは制作者の好むさまざまなコンテンツに則ったのが失策だったのだとするほうがまだマシだ。
どうしても、ミステリ的にロジカルな理屈を作中に持ち込もうとすると、そのぶん感傷が減ってしまうとは思う。

そういえば、結月だったとしても彼女がいたことを店員や警察などが覚えていなかったのはどう説明付けられるんだ。リアリズムの範疇なら、頑張って根回しして口裏をあわせてもらったとか?でも警察が嘘をつくのは流石に……

まぁ、まだトゥルールートを読んでいないので、評価を固めるにはまだ早い。


・千鶴ENDを目指して2周目
バイト先の女性上司と一緒に、音信不通となった同学年(?)ヒロインの故郷へと赴く──ってまんま『君の名は。』の奥寺先輩やないか!!
>結夏に話しかける
やっぱりここで綾乃より先に結夏に会ってれば、3人で合流したときに結夏も大学見学に付いてくる筋道が通る。結夏側から提案しかけていたので。
あれ、皐月って高校で軽音楽部だったんだっけ。写真部は大学からか。
>(海辺で撮った写真を)千鶴さんに送って見せる
>(千鶴さんに)脚本の相談をする
>(綾乃の家庭教師)誰か紹介しようか?
そういえば、「家の鍵を忘れた」からと言って結夏が皐月の家に夜乗り込んできて脚本の読み合わせ→告白するのって、明らかにその直前に喫茶店で結夏と綾乃が会って鍔迫り合いみたいなのをしているからだよな。2周目でようやく気付いた。綾乃が皐月に告る前に自分が告白しようと思って無理やり押しかけた……ってことでいいよね? 脚本読み合わせのくだりが無かったとしても告白はしていた。結夏は皐月が自分のことを好きだとこの時点でどれくらい認識していたんだろう。告ればほぼ確実に付き合えると思っていたのか、それとも好意を持たれているか分からなくてもとりあえず最後の1年間で後悔したくないから突撃しようとしていたのか。
>付き合ってください
一度「演技」ってことにして迂回しなくとも流れは同じなのね
>千鶴さんに返信する
>千鶴さんは僕の憧れです
結夏を保護していた時のこの警察官ってもしかして結月の変装? だから立ち絵があるのか? 同居してくれと頼むし。それなら一応、再度失踪後の警察の何も覚えていない対応も説明はつく……か? 
>(忘年会での王様ゲーム)千鶴について話す
バイト終わりに上司とバー行って泥酔した上司を家まで送ったら絶対エロい麻理√に入ります
忘年会後、千鶴さんを見送ってから更に綾乃を見送ったってことか。「綾乃を見送ってから少し経った頃。」ってことは。
>綾乃の誘いを断る
>(千鶴さんとの会食で、綾乃のことを訊かれて)ただの後輩です
そういやここの選択肢、回想パート中にあるんだな。現在時制で入れ込めるはずのところをわざわざ回想に持ってきている?
>(誰に連絡しよう?)千鶴
これは明確に√入ったやろ
皐月より8歳年上なのか千鶴さん
そうか、千鶴ENDでは、お互いに最愛の恋人を亡くした者同士で傷を抱えながら生きていくってことか
再度失踪後、カップルパフェの店で皐月が発狂しているところに今度は千鶴がやって来た!
結夏(結月)と皐月が一緒にいるときに会った人全員に、結月はそのあと連絡を取って口裏合わせをしたってことかぁ。なんか部下みたいな連中を連れていたし。それで皐月の自宅からも痕跡を徹底的に消して、病院や警察にも根回しを…… わざわざそんなことできるくらいなら姉ちゃんもどうにか救えそうだけど。 岡本や綾乃、千鶴に結月が会っていたとしたら説得も難しかったろうけれど、そこはまぁフィクションの都合の良さで回避している。
>千鶴「記憶が人間を形作るとでも言いたいの? あるいは、ゴーストと呼んでも良いけれど」
草薙少佐〜〜
そういえば千鶴さんはどこの地方出身なんだろう
>千鶴「それ、本気で言ってる? 今、どこぞの土着信仰エロゲの筋書きを聞いてる気分だわ」
さすシナリオライター
小鯛のささ漬け定食
胸に顔うずめとるッ!! 
若狭当主に会うときは綾乃や千鶴は一切喋らずコストカットを図っているというわけか
皐月が探偵役なのは変わらないので、千鶴さんがここで急激に「無能な一般人」ポジションを負わせられているのがやや残念
10/29
1周目でも思ったけど、結月が肩の傷を見せたところで、何度も失踪している結夏に皐月の知らない傷があってもおかしくないから別人である証拠にはなり得ないような……(それを言い出したら、そもそも恋人なら双子だろうが別人であることくらいすぐに気付けって話だが)
そういえば、生贄として殺される直前の1年間自由になるわけじゃなく、自由期間と生贄執行まで1年以上の猶予期間があるんだな。それで「最高の状態」の生贄といえるのか……。まぁ伝承の話だけど、それをいうならなぜ若狭家が伝承に従って、わざわざ不利になりそうな1年間の自由期間を持たせたのかも不合理でわからん。
結月はもともと結夏の身代わりとしてずっと皐月と暮らすはずだったけど、ハルジオンの話を姉から聞いていなかったことをSOSだと捉えて、姉との約束・計画を放棄して再度失踪して青井に戻ってきたのか。……まず、一生姉の身代わりをさせられる結月が可哀想過ぎるし、それを、妹を愛しているはずの結夏が願うというのも考えにくい。かなり自分勝手だ。そして、ハルジオンの記憶がSOSなのも現時点ではよくわからない。これはトゥルーエンドで解説があるのだろう。でも、身代わり計画を放棄して結月が青井に戻ってきたにも関わらず、結局姉を救おうとはしないで見ているだけ(皐月を止めるだけ)、というのも意味が分からない。じゃあせっかくの姉の願いであるはずの計画も何の意味もないじゃん。
お〜〜 綾乃√では綾乃が結月にブチ切れるけど、こっちでは予め結月が千鶴さんに接触して、皐月を裏切ってもらったのか。だから逆に皐月が千鶴たちにブチ切れる構図になる。おもしろい。
>千鶴「優しくしないでくれ……嫌いに、ならないでくれぇ……」
>……
>何かを許し続けることは、一生許さないことと同義だ。だから、俺は、この人の一番近くで、許さないことを決めた。
こっちのほうがバッドエンドとしてちゃんとしてて綾乃ENDよりも逆に清々しいな
千鶴はひとり、元夫 和人の墓参り。ハルジオンを持参して。

お〜〜 読後感としては綾乃ENDよりもずっと良いな千鶴ENDのほうが。あっちは今カノの綾乃と一緒に元カノの故郷かつ殺された土地である青井に再訪してイチャイチャするという意味分からん終わり方だったけれど、こっちは千鶴視点で彼女ひとりで、彼女の最愛の元夫の墓参りをする場面で終わってくれるので。もちろん、千鶴は良識ある大人としては、目の前にいる結夏というまだ生きている人間を文字通り見殺しにして皐月の身の安全を優先する、というかなり酷い選択をしており、単に「最愛の人を亡くした同士」の繋がりではなく、そこに「裏切った者/それを一生許さないで断罪し続ける者」という非対称の業の深い関係になっている。それを素直に寿ぐこと、肯定することは無論出来ないが、しかしゲームのいちバッドエンドとしてはそこそこ出来が良いと思う。
キャラとしては断然綾乃派だけど、ENDとしては千鶴END派ってことになる。
さあ肝心の結夏トゥルーエンドはどうか……


・3周目、結夏トゥルーエンドを目指す
>(撮った写真を)結夏に見せる
そういえばこの瓶あったな。これも回収されるのだろうか
>今はいいや
>付き合ってください
>岡本に返信する
友人に彼女が出来て静かに泣いて茶化さない岡本いいやつ
>おやすみなさい、千鶴さん
>結夏について話す
何について話したのかはカットされるんだ……
>岡本
結夏√ではふたりのサブヒロインの代わりに岡本がとにかく出てくる。もしかしてこいつと一緒に青井まで行くのか……
『ファイト・クラブ』
グラサンw 立ち絵差分まである……
ただこれ、エロゲでよくある「結局いざというときにいちばん頼りになるのは男友達」展開というか、ミソジニーとホモフォビアを抱えたホモソーシャルだよなぁとは思う。岡本を選び続ければ、男友達の√には行くはずがないのだから(=ホモフォビア)結果的に真ヒロインとのトゥルールートへ行ける構成だったり、サブヒロインを連れていても肝心のときに役立たない(綾乃√)か裏切る(千鶴√)ばかり(ミソジニー)で、男友達を連れているのが「正解」だったとでもいうような。
そういや皐月は岡本のことも「アイツ」と言うだろうから、普通にこのトゥルーエンドから執筆していた、とするのが妥当だよな……綾乃√→千鶴√とは限らないわけだ。
岡本は登山もできる動きやすい靴では来ているのね
岡本は長野県の山奥出身。内陸県なので海沿いには憧れる
へ〜皐月は大阪出身だけど、両親が関東人だから関西弁ではなく共通語を話す。いいねぇこういうバックグラウンド
ソースカツ定食
おお! 宿で地図を広げるスチル!! 
>結夏と一緒にいた時も、別に幸せだったわけではない。
>人生にうっすらと膜を張るライトな不幸感を、麻酔のように忘れさせてくれていた。
ええ……

10/29
>16時になり、浜辺で飾り付けられた神輿がこの山沿いの神社に運ばれてくる。
2つあとのテキストによれば神輿が神社に着くのは18時なので、この書き方は誤解を招くと思う。「浜辺で飾り付けられた神輿がこの山沿いの神社に向けて出発する」とか。
>これを3日間もやってのけるのだからすごいものだ。
3日間ともいちいち運ぶってこと? そんなことはないだろう。
皐月が資料館で確認したという、町を背景にした打ち上げ花火の写真、予めスチルで見せといてほしかったな〜〜
白木 新キャラ出てきた
え、「山に行く」しか選べない! 一度バッドエンドを経ないといけないパターンか
>山に行く
結月も皐月に惚れてて草 少しの間、姉のふりをして交流していたときに好きになったのか、それともより以前の、姉からの報告を聞いて模倣しようとしていたときからなのか……
スリットというか隙間がたくさんある、エッチな生贄装束だ。強姦の隠喩
!?!? 岡本、お前が結夏たちと幼馴染の真の男主人公だったのか……美浜家の跡取り息子。
皐月からすればNTRの形になっておもろいな
長野生まれなのは父親の故郷? 「海沿いに憧れる」は嘘ってことか。
でも大学の人間関係も含めて大部分が若狭家とかの思惑に支配されていた、というのは嫌になるな。物語としても、スケールが小さくまとまってしまっている。
あと、ここで生まれ育ったのなら、町の人に顔バレしそうだけど大丈夫なのか。
深夜の「……入って」シーンは結月が岡本を入れていたのね。わざわざ皐月の眠る家に入れる意味ある?
全ては岡本の根回しで口裏を合わせていた。警察のみ若狭博文の根回しらしい。
>これで皐月が囚われることはないはずだった。
いや逆だろ! これで不審に思って追ってこないほうがおかしいよ
なるほど。一見、皐月がいろんな選択肢を選び取ってきたようだけれど、実際に「選択」していたのは岡本のほうだった、と。
ナラティブとしても皐月が主人公の座から降りて、完全に岡本に交代する。
冒頭の病室のシーンは岡本? いやトゥルーエンドのほうだよな
なるほど。皐月は入水自殺未遂で記憶喪失になり、結月を結夏だと思って(=結夏が死んでいることは忘れて)これからも生きていくエンド。これは結月が失踪しなかった場合と同じ……ではないか。そもそも結夏との思い出すら失っているんだから。この人が自分の恋人だったらしい、というおぼろげな情報を元に、これから想い出を作っていく。縋想
結月や岡本もまた、フクザツな想いを抱えながら皐月と生きていくのか。

・トゥルーエンド
やはり祠が選べるようになってる!
>祠に行く
青井家は人魚の子孫であることを若狭家は信じているがゆえに根絶やしにしようとする
東尋坊での陳腐な愁嘆場みたいになってる
え、結局悪い奴らを海に落っことした謎パワーはなんだったんだ。
別人だとバレないように結月と入れ替わるのに期間を設けた。
菖蒲婆様、有能そうな風貌をして何も出来ていない。
しれっと「電車は必ず次の駅へ」とか忍ばせてるし、最後は「朝が降る」ですか……

トゥルーエンディング! めっちゃ駆け足だったな
エピローグ。ええ……結月は実は7歳のときに溺れて死んでいて、そのときに結夏を助けた人魚がこれまで結月として生きてきた。だから結月(人魚)が海辺で謎パワーを使えたってことね。
お〜〜〜 なんか後味が良い綺麗な終わり方だ…… ただ、こうすると、結夏にとっての大切な人として、結月や岡本といったキャラが急浮上するので、最終的に、主人公の皐月くん要る?と思ってしまうな……マジでそこのふたりの恋愛関係まっっったく応援も感動も出来なかったし。。 皐月の一人称視点にプレイヤーは強制的に同化させられるところから始まるノベルゲームが、最終的には「この皐月って主人公、要らなくね?」と思わせられる構造になっているのは面白いかもしれない。

そういえば、(今の)結月の正体が人魚だったことで、若狭家の連中が人魚の実在を信じていたのは間違ってなかったということになる。なんかそれまでは「人魚の実在を信じているからこそ青井家を滅ぼそうとする。若狭家の連中は愚かですね」的な風に語られていたのに、むしろ若狭家は正しかったのですね。ちょっとおもしろいですね。

本サークル初制作のノベルゲームとして、やりたいことを詰め込みすぎてとっ散らかっていた印象は受ける。
冒頭のパヴェーゼを皮切りに、作中で『ファイト・クラブ』とか様々な作品が引用され、また実際にこの物語の設定自体がWA2や伝奇モノ(果て青?七夕の国?)のオマージュという面が強い。それゆえに、既存のモノの寄せ集め、パッチワークという印象も受ける。いや実際、初制作でこれだけ上手くまとめられたことは凄すぎると尊敬の念を抱かざるを得ないけれど、本質的に創作者よりも編集者とかに向いているのかもしれない。まぁまだ1作目だし、今後次第か。

過去に縋って想い出す「縋想」を主題とした作品であることから、上記の性質もまた、作者が過去に接してきた大切な作品群に縋って想い出す形で制作されたゆえであり、それこそが『縋想』プロジェクト……なのかもしれないが、うーむ……

あと、若狭博文とかいう形骸的な権力者の悪役を出して物語を作るのは、ラクだけれど、やっぱり読み味としてどうしても陳腐にならざるを得ない……これは『ゲゲゲの謎』でも『サクラノ詩』でも感じたこと。そういう奴に引き立てられなければ魅力的に思えない程度のキャラ、関係だったんですね、ここで描こうとしているヒロインとの恋愛劇は……となってしまう。
その点、やっぱり『WHITE ALBUM2』は凄いんだよな、そういう外部の悪役で物語を回さずに、基本的にあの3人それぞれの人間性の歪さ、強度によってあの壮大なコメディをやり切っているから。絶対に自分は「被害者」ではない、認めない。自分が苦しんでいるのは自分のせいだし、相手が苦しんでいるのは自分が傷つけたからだ。そこにどんな外的要因も介在させない。そんな強情な奴らだからこそ成立している。(あと人の生き死にの話もほとんど無いのがすごい)

ともあれ、初制作の同人ノベルゲームとしての全体的な質はきわめて高い。合計4ENDありボリュームも十分だし、いくつもの挿入歌や劇伴、イラストのクオリティも高水準だった。
キャラとしてはダントツで綾乃さんが好き。ENDとしては千鶴ENDがそこそこ好きだった。結夏トゥルーENDの例の人魚エピローグも単体としては良いが、この物語でそれをやると、メインであるはずの皐月との関係がブレるように思えるので難しい。というか、岡本の件といい、実は皐月と結夏という中心的な関係はむしろ本当に書きたいことではなかったのでは?という気もする。しかし、それでは肝心の「追想の愛」云々が余計に形骸化してしまうので、やはり企画の根本的なところで迷いや矛盾があるように思えてならない。せっかくの同人ゲームなんだから、自分が本当に書きたいもの、作りたいものを見せてほしいと無責任ないちプレイヤーとしては思うわけだが、しかしいざ作ろうとすると、書きたいものをちゃんと表現して形にすることがいかに難しいか、という壁にぶち当たるのだろうし、そこで、これまで自分が鑑賞してきたさまざまな作品を模倣してコラージュして……という、「作り易いもの」「作れてしまうもの」へと流れざるをえない節はあるのだろう。ギャルゲーならだいたいこうしておけばいいよね、というテンプレートを踏襲することは必ずしも悪いことではないが、それが自分の本当に表現したいことにとって、どう効いてくるのか、どう奉仕して、どう邪魔するのか、という点を注意深く見つめながら制作するべきなのだろう、それが理想論だとしても。
人魚エピローグとかその他諸々の「実はこうだった」系ギミックが複数入れ込まれている物語であるが、そうした構造はエンタメとしての驚きを高めることには役立っても、肝心の「感傷」とか「追想/縋想の愛」という主題にとってはむしろ逆効果であることもあるように思った。少なくとも本作においては。