拘束姦・肉体改造に特化した同人RPG
総プレイ時間:同人RPGエロゲ初心者がやってラスボス討伐まで4時間ちょい
エロゲ(特に同人エロゲ)において、ノベルゲーム以外のジャンル……中でもロールプレイングゲームに名作と謳われるものが沢山あるのは知っているが、いわゆる「ゲーム性」のあるエロゲが苦手なのでほとんど手を出してこなかった。そんな自分が本作をDLsiteで見かけて興味を惹かれ、同人RPGの苦手意識を克服するための入門としてもやってみた。……が、やっぱり自分はノベルゲームじゃないと駄目だ!と確認する結果に終わった。子供の頃はドラクエとかを楽しんでいた筈なのに、いつからRPGが楽しめなくなったのか……
ただ、RPGエロゲに関していえば、「お目当て」のHシーンのために2Dマップを十字キーで移動してコマンド形式で敵と戦いレベル上げをして装備品やアイテムを整えて……といったゲームプレイングをさせられる構造になっている。このために、余計にゲームの「作業」感が増してしまうのではないか、と思った。もしもエロ目的ではなければ、ドラクエのように戦闘や育成といったRPG要素そのものを楽しめる気もしている。相性が悪い。理想をいえば、エロ要素とゲーム要素が足を引っ張り合うのではなく、分かちがたく結びついてひとつの「エロゲ」としての面白さを実現しているべきであり、実際それを成し遂げているものが名作と呼ばれるのだろう。同人RPGエロゲ初心者の私にとって、本作は残念ながらそうではなかった。
ストーリーはあってないようなもので、分岐もなく基本的に一本道でステージをクリアしていくごとに、その段階に応じた敗北Hシーンが用意されている形式。間違えて敗北せずに勝ち進んでしまっても、後からやり直しは効く仕様(敵のリポップ機能あり)。
RPGとしての難易度も低く、倒せないようであれば武器ガチャを引いて☆5の最強装備を手にすることで、固有スキルを連発していれば自動的に勝てるようになる。そのため苦労はしないが、いっそう虚無感は増した。
肝心のHシーンに関しても、シチュ・嗜好は合っているはずだが、あんまり楽しめなかった。ヒロインにボイスが無いのが主要因なのだろうか。それこそHシーンでさえも淡々と作業のようにクリックして流し見してしまった。あと主人公(メインヒロイン)の性格というか口調がかなり悪く、勝気キャラとかの度を越えていて普通に引いてしまった。男性嫌悪者としてのキャラ立てで、そうしたヒロインを凌辱することによる旨みを狙っているのは分かるが、引いてしまって入り込めなかった。自分は、凌辱されるヒロインにある程度の愛着があってこそのタイプなのかもしれない(可哀想はかわいい⇔かわいくないと可哀想じゃない)。
シチュ的にはステージ2のライブステージ上での衆目プレイがいちばん良かったかな。このシーンだけ、ピンク髪のサブヒロインとの二人同時凌辱となっているので、そのためかも。突っかかってくる勝気な後輩キャラだと思わせておいて、責められるとめちゃくちゃ弱いこのセカンドヒロインの出番をもっと増やしてほしかった。
最後にひとつ良かったところを挙げるとすれば、ドット絵の2Dマップ上を移動するRPGの本作で、壁に拘束されたり、肉体改造されて「モノ」にされてしまった女性たちが普通にフィールド・ダンジョン内の装飾か背景のようにして設置されているさまはギョッとしたし、なるほどこれは確かに2D-RPG×拘束改造エロというコンセプトが輝いているなぁと感心した。まさに「へんじがない。ただのしかばねのようだ」から連綿と続く、生身の人間と "モノ" との境界を攪乱するトポスとしてのRPG。