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oldreavesさんの虜ノ絆 ~奪われた学園に響く処女の喘ぎ~の長文感想

ユーザー
oldreaves
ゲーム
虜ノ絆 ~奪われた学園に響く処女の喘ぎ~
ブランド
Guilty
得点
74
参照数
1925

一言コメント

ヒロイン視点陵辱ゲーの優等生。丁寧な下準備パートが百合キャラゲーとして普通に面白い。なぜ複数ヒロイン同時のシーンが無かったのか

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

クリア日:2021年9月19日
総プレイ時間:11時間
実プレイ日数:7日


Guiltyの抜きゲー「虜」シリーズの最新作
虜シリーズ初プレイで、かなり評判の良い本作を選びました。

内容はタイトル通り、平和なお嬢様学園が悪いおじさんに乗っ取られ、そこに通う5人のヒロイン(学生4, 教師1)がお互いを人質に取られて愛玩の対象にされる……という王道のシナリオ。




<良かったところ>

・絵がきれい
言うまでもないGuiltyクオリティ
立ち絵も素晴らしい。制服だけでなく、えっちな部屋着やオシャレでかわいい私服(お出かけ着)も素晴らしい。特に紗來の部屋着(スパッツ)は彼女のHシーンよりも断然エロい



・百合キャラゲーとして普通に面白い
本作は最初のHシーンまでの導入パートがそこそこ長く、読むのが遅い自分は2時間半かかった。
しかし、振り返ってみれば、この導入部がいちばん面白かったまである。
抜きゲーの導入部とは、言い換えれば「焦らし」パートであり、この後に控える数々の陵辱シーンをよりおいしくするための「下ごしらえ」パートである。
ヒロイン5人の「絆」をテーマに掲げる本作での「下ごしらえ」とは、彼女らの仲の良さ・信頼関係をとにかく丁寧に描くことである。特に幼馴染で同級生の仲良しトリオ(舞果・梨枝・紗來)は、うち2人が寮の同室であり、その部屋で3人でずっといちゃいちゃしている。このやり取りが見ていて普通に心地よく、まるできららアニメを観ているかのようだった。特に梨枝→舞果のやや同性愛みのある感情と、梨枝-紗來のケンカップル感がとても良く、2人のあいだに入って天使のような優しさで場を収める舞果、という構図も完成されていた。
このように、キャラ達の仲の良さと信頼関係の描写が優れていたため、これを陵辱ゲーとして今から楽しむのだと思うと申し訳無さが拭えなかった。それほどに丁寧だった。




・競泳水着プレイが多い
本作を購入した動機のひとつ。
5人中3人が水泳部に所属(顧問の先生含む)していて、その3人それぞれにしっかりと競泳水着でのシーンが用意されている。
特に、いちばん好みだった陽子先生に水着シーンが2つ用意されており、うち1つはプールではなく夜の校舎内でのかくれんぼ(見つかったら当然……)というややニッチなシチュで完全勝利した。
また、変化球として珠里先輩には競泳水着のボディペイント鑑賞プレイがあり、こちらも非常に嬉しかった。
主人公の舞果はとうぜんいちばんシーンが多い(ギャラリー機能によると11シーン)のだけれど、水着シチュが1つ(CGは2枚)しかなかったので、欲をいえばもう少しほしかった。

あと競泳水着の立ち絵もめちゃくちゃ良かった。いちばんエロいまである。立ち絵を常に下着や全裸に変更できる機能が付いているが、ここに水着差分も加えてくれていれば最高だった。





<不満だったところ>

・システム面
Guilty系列の「Nightmare×sisters」と同様の不満点があった。
ボイス再生中にログを開くと一時停止して、ログを閉じると中断していたところからボイスが再開する、という仕組みになっているが、これは不便だった。ログ閲覧中もボイスを中断せず流しっぱなしにしてほしい。(せめてそういう風に設定で切り替えられるようにしてほしい)
そもそもログが開くスピードが遅く、頻繁に切り替えて確認する自分にとってはかなりストレスが溜まった。
また、これは不満点というより要望だが、CLOCKUP作品のリマスター版に実装されている「バーチャルオート」機能(オートモード中にボイス有りのテキストを非表示にして全画面CGが見れるようにする機能)を全ての抜きゲーには付けてほしい。



・似たようなプレイの繰り返しで冗長
これはわたしの守備範囲の狭さの問題であるが、単なる陵辱や輪姦ではそれほど興奮できない。(陵辱の時点で「単なる」ではないのだけれど)
「処女」が題に入っている通り5人それぞれの破瓜・喪失シーンとして通常の行為やASを用意するの仕方ないが、その後もちょっと竿役の人数が増えるとか挿れる穴を交換する程度で、シチュとしては淡白なものが非常に多かった。特に、輪姦時にほぼ同じCG差分で挿れる穴と竿役を変更するだけで2回戦, 3回戦と続いていくのがほとんどお約束になっており、プレイヤー視点ではほぼ絵面が変わらないので、余計なかさ増し・尺稼ぎにしか思えなかった。竿役のキャラをもっと立たせて、絵面はほぼ同じでもせめてテキストで「誰に犯されているか」によるヒロインの心情の違いなどを際立たせてくれたら冗長性は緩和されたかな、と思う。
シチュとしては単に挿入するだけでは面白みがなく、バラエティを出すとしても簡素な拘束やローター、目隠し程度でまだまだ足りない。よりアブノーマルなプレイ内容にするか、外見(衣装)や構図(体勢)をもっと凝るかしてほしかった。
水着シチュ以外で良かったのは、舞果のアダルトグッズ実演販売、梨枝のラストの地下闘技場敗北、紗來のギロチン拘束、珠里のボディペ、陽子のバイブ挿入授業あたり。……こうして列挙すると、各キャラ最低1つはそこそこ良いシーンがあったので及第点ではある。(全体に対する割合はかなり低いが)



・陵辱パートに入ってからのシナリオが雑
「抜き目的なんだからシナリオなんてあってないようなもので良いんだよ!」という前提は認めるが、上述の通り、陵辱パートに入る前の導入部分(焦らし部分)が非常に秀逸だったために、そこからの落差が気になってしまった。あんなに頼もしかった先輩が間抜けとしか言いようのない流れで手篭めにされたり、他4人が学園長室に忍び込むために舞果1人で時間稼ぎしたり、えぇ……という展開が多々あった。
学園長の遺産をめぐる攻防、という(一応の)メインストーリーも導入部ではかなりワクワクしていたが、舞果(TRUE)ルートでも尻すぼみに終わった。
ただし、梨枝ルートでは梨枝の舞果への想いが調教によって発露して、舞果をさらに追い詰めてしまう……というなかなかに緊張感のある展開があって良かった。(その後の舞果の行動にはビビって萎えたけど)



・複数ヒロインのシーンがない
せっかく5人も魅力的なキャラクターがいて、しかも「絆」をテーマに掲げて、導入部分で彼女らの仲の良さ・信頼関係を丁寧に描いているのに、肝心のHシーンは完全に1人ずつで、複数ヒロインが同時に犯されるシチュが一切ないことに驚いた。輪姦モノは男性をいくら増やしても女性は1人のみ!という鉄の掟でもあるんですかね?
唯一、梨枝ルートでは舞果と梨枝で陵辱されているという秘密を共有し、梨枝が犯されているのを舞果がその場で絶望しながら見守る、という流れになったが、それでも舞果にはまったく手を出さない。ここだけ律儀すぎる。せっかくの一方通行レズ関係なのだから、それを利用してもっと面白い(非道な)ことはいくらでも出来ただろうに。






<キャラクター>


被陵辱ヒロインとしての好みは
陽子先生>>紗來>舞果=梨枝>>珠里先輩

珠里センパイはのらりくらりマイペース天才風来坊キャラで、非エロ方面ではめっちゃ好みなのだけれど、それゆえに逆に陵辱対象としてはまったく好みではなかった。愛人シチュもうーん……
陽子先生はとにかくすべてがえっち。
紗來の貧乳強気属性良かった。彼女の発明品をもっとプレイに使ってほしかった。


シチュが好みだったのは
陽子先生>>舞果>珠里先輩>紗來>梨枝

梨枝の空手道着プレイは楽しみにしていたがイマイチ。
2人にある電車内痴漢シチュもそんなに。
やっぱり水泳部組の競泳水着プレイが強い。
他2人も水泳の授業と称してシーン欲しかった。そうするともうタイトル変わってきそうだけど……(虜ノ絆ならぬ虜ノ水場?)





<まとめ>
虜シリーズ初プレイでしたが、「こんな感じか〜」というのを大体把握できました。5人もキャラのいる抜きゲーをやること自体が初めてで、各ヒロインの個別ルートへの分岐の仕方(主流から支流へと順に分かれていく構造)が新鮮でした。あと、ヒロイン視点での抜きゲーもほぼ初めてだったと思いますが、たぶん男性視点よりも好みだということがわかりました。
具体的なプレイ内容は、何度も言うように水着が多くてとても自分好みではありましたが、そのバフがあっても尚、それほど刺さらないシーンが多すぎる&長すぎる というマイナス面が強く、大満足とはいきませんでした。まぁ抜きゲーなんてCG回収のための1周目はまだ本番ではなく、たくさんあるシーンのなかから自分が使えるものが数個でも見つかれば御の字、という側面もあるでしょうから、この時点で酷評するまでではありません。
シリーズ1作目「虜ノ鎖」も積んでいて、すぐにこちらもプレイしよう!とは思っていませんが、そのうちやります。