Guiltyの陵辱調教抜きゲー「虜ノ」シリーズ3作目(のリメイク)。少し前の作品なので『虜ノ絆』と比べて原画の質は劣るが、キャラやシナリオの構成はなかなか良かった。
総プレイ時間:14時間40分
実プレイ日数:12日
Guilty「虜ノ」シリーズのプレイは『虜ノ絆』(2020)に続いて2作目。
本作はこのサイト上での中央値が80とシリーズ最高であることも鑑みて購入した。(ただし実際にやったのはmotion版である)
そのため、どうしても『虜ノ絆』と比べながらプレイすることになった。
・イラスト/モーション
立ち絵は正直やや拙い。ここから絆の高クオリティにまで成長するのはすごい。(単純に原画家の人員が異なるのもあるだろう。motionにする影響で画質が落ちてるとかはないよね?)
背景CGはすこし水彩画っぽく滲んでる感じで珍しいけどとても素敵だった。
また、本作が初めてプレイするmotion付きのエロゲとなったが、「これが噂のmotionか〜」と、まず単純に感心・感動?した。
本格的なアニメーションのように動くのではなく、あくまで一定の動きのパターンを繰り返すmotionは、なるほど周期のある振動(に近似できる)運動を表現するにはもってこいだなぁと納得した。
本シリーズでは1発出したあとも液にまみれた差分の状態で2, 3回戦が行われるのが鉄則だが、そのmotion版だとヒロインの身体から垂れる精液まで仕事の手が回っておらず、冷めてカッチカチに固まってこびり付いた風になっているので笑った。しかし、それはそれで、固まるほどの長時間も酷い行為がおこなわれていたと示す表現であると解釈は出来るので、やるなぁ(?)とも思った。
本作をやった限りでの現時点でのmotion機能の評価・好みであるが、「あってもなくてもいい」くらいの温度感。「動かなくていい!エロゲ(抜きゲー)は静止画こそ至高!motionは邪魔だし邪道だ」とまでは全然思わないが、かといって「一度motionを経験したら静止画には戻れない」とも思わない。どっちもどっちだと感じた。
もちろん、最近はよりクオリティの高い動きのあるエロゲが出ているので、それらをやってみたらまた考えが変わるかもしれない。
・シナリオ/ルート構成
『絆』ではヒロインを陵辱する男性たちの面子は固定で、一本道からの途中下車式の個別ルート分岐になっていたが、本作は一本道ではなく「二本道」である点が大きく異なる。
まず、主人公:未緒の自宅に麻薬を密売する男2人組が乗り込んできて、海外で働く両親を遠隔に人質にとって占拠するシナリオからは結衣と栞の個別√が分岐する。
一方、学園の化学教師:出村の薬物実験に巻き込まれるシナリオには、凛香とこのみの個別√が含まれている。
主人公の未緒は両方のシナリオにそれぞれルートを持っている。
こうした、5人いるヒロインの個別ルートを二本道に振り分けた途中下車方式のシナリオ構成はとても良かった。両シナリオでの陵辱・調教場所が「自宅」と「学園」であり、自宅が悲惨な場所となるルートでは学園が心理的な安心を得られる場所として、逆に学園で犯されるルートでは自宅がひとときの休憩場所になる。すなわち2つのシナリオが相補的な関係になっており、それぞれのシナリオではまだ一息付ける不可侵領域が存在するが、プレイヤー視点で俯瞰するとどちらにも救いが無くなる、という陵辱モノとしての作りに舌を巻いた。
陵辱役の男性キャラも、ヤクザまがいのマッチョな男たちと、ミソジニーを究極まで拗らせたインテリ崩れの教師、という具合に2シナリオで対照的な造形になっており、ヒロインたちの脅し方、服従させるロジックや方法も相異なっている。
とくに後者の出村先生ルートでは、薬で眠らせてレイプした動画で俺の実験体=女になれ、と脅すも「動画がばら撒かれてでも訴える」と跳ね除ける未緒に対して、出村も開き直って「自分が訴えられても構わない。その代わり友達や両親の人生はこの事件のせいで大きな損害を受けてしまうでしょうね。子供であるあなたを放っておいて海外にいる両親への復讐を一緒にしましょう」というアクロバティックな論法で煽り立てるのが面白かった。
・ヒロイン
5人いる攻略対象ヒロインの造形は特に『絆』と似ている点が多い。
まず主人公がお嬢様かつ生徒会長である時点で同じ。
その主人公と、従姉妹の幼馴染と、主人公に同性愛っぽい感情を抱いているスポーツ少女の親友とで仲良し3人組なのも同じ。ついでにいえば、そこの2人が軽口を言って夫婦喧嘩してるところを主人公が取り持つ関係なのも一緒。
『絆』での水泳に相当するのが今作ではテニスと言えるか。3/5が同じスポーツをやる構成。残り2人は水泳で、まさかこっちでも競泳水着キャラがいるとは思ってなかったので嬉しかった。
黒髪ロングのマイペース系天才キャラは『絆』の珠里先輩のプロトタイプみたいな感じ。水泳部だし。
水泳部のエースという設定に対して、竿役の男が挫折して拗らせている水泳経験者で、競技者としての嫉妬の感情が入り混じって犯していくのが良かった。
主人公(未緒)と家政婦の栞さんの日常的な関係がかなり破壊力あった。
主人公の寝起きに家政婦さんが一口アイスを食べさせてくれる。斬新な生活習慣。
寂しい夜には家政婦さんと昔に戻って姉妹ごっこをしながら一緒に寝る……最高か?
ヒロインのなかでいちばん好きだったのは、天然オドオド系後輩ロリ巨乳のこのみちゃん。
この子だけ、絆にはいなかった露骨に2次元萌え作品っぽいキャラ。喋り方も喋る内容も面白いので台詞をなるべくしっかり聞いた。一般のアニメ等でこういう「媚びてる」感のあるキャラは好きになりにくいが、これが抜きゲーだからだろうか?
陵辱者の男(出村先生)に対して、未緒は内心で「出村」と呼び捨てにしていたが、このみちゃんはあくまで「出村先生」と呼んでいたところなど、性格が出ていて良かった。
・その他
そういえば『絆』プレイ時の感想で「なぜヒロイン達の絆がテーマなのに複数ヒロイン同時シーンが無いのか」と書いていたが、本作では少し存在した。(めっちゃ好みだったわけじゃないけど……)
また、motion版だからなのか、追加シーンのパッチが2つ付属していたのは嬉しかった。