閉鎖環境陵辱ゲーの名作。意外にも梨香ルートがいちばん刺さった。Trueルートは好みに合わなかった。
クリア日:2020年10月12日
総プレイ時間:約29時間
・梨香ルート感想
梨香ルートめっちゃ良かった…主人公と同じで、まさか梨香をこんなにも好きになるとは思わなかった。すごく愛おしい。
脱出後、責任をとってからの行為はまったく性的に興奮しなかったけど、別の意味で興奮した。良質な恋愛モノだった…
和姦が嫌いとか純愛が嫌いなんじゃなくて、始めから機械的に主人公に好意があるヒロインに作り物感を覚えてしまうのが嫌いなんだと気付かされた。梨香は本気で高遠恵輔のことを嫌いになり、それでも愚かにも好きになった。その感情の移り変わりがしっかりと描かれていたからこそ、梨花というキャラクターを好きになることができた。それはちょうど主人公が彼女を好きになるのと同じ過程だった。だからこそ主人公に感情移入でき、ふたりのささやかな恋物語を存分に楽しむことができた。
梨花のなにがいいって、自分が愚かなことをちゃんと自覚していることだ。彼を好きになったのだって合歓のいう吊橋効果とかストックホルム症候群とかの説明はあながち間違っていない。でも、彼女はそんなこと誰よりも強く認識したうえで、それでも好きになってしまっているという自己の感情をありのままに受け止めた。そして、そんな梨花に告白される恵輔も、彼女から向けられる好意がフェアなものじゃないことをわかっている。わかったうえで、それでも彼女の思いを尊重し、自分が悪者になることを選ぶ。その思考の動きがありありと描写されていて唸った。このルートは本当に素晴らしい。
あれだけ自己中心的だった梨花は、恵輔という本当に大切な人を見つけたおかげで、彼のために最大の利他的な行為、文字通りの「自己犠牲」を選んだ。選ぶことができた。だからこそ、梨花は「吊橋」が終わった後も恵輔を愛し続けることができる。恵輔だって、梨花の飛び降りのあと、合歓を殴ることはしなかった。この時点で、このルートでは合歓は完全に蚊帳の外、梨花と恵輔ふたりだけの世界になっている。だから”Condition Clear”で彼らは助かり、夢のような日常を勝ち取ったのだ。
思えば教室に閉じ込められているのにせっせとまぐわいだす時点で、もう合歓による支配なんてふたりにはあってないようなものだった。合歓がどんな気持ちでこれを見ているんだろうと思うと笑えてくるが、すでに合歓は”存在しない"のだ。
地下ゲームでは、3つめが好きだった。プレイ的には過激じゃないが、スク水なので。他の皆にも着てほしかった。
5つめのひたすら苦痛を与えて犯すのとかは全然興奮はしなかったが、梨花が完全に恵輔を嫌いになっているからこそ、その状態でさらに犯すべきだという意義はとても良く分かるので文句はない。興奮はしないが。
1つめは水攻め、4つめは恥辱配信(これ、唯一外?の一般人との接触があるから浮いているというか、世界考察のほうに意識がいっちゃって集中できないのはある)で、全体的に乳首があんまり注目されなかったのは残念。
死亡エンドで一瞬見えるグロい差分は本当にヒエってなった。しかし、これがあるからこそ、正規ルートでの純愛の価値が引き立つのでまぁギリギリ許す。
・TRUEルート感想
TRUEエンドはそんなに好きじゃなかった。
そもそも「それまでのは全部認識操作や演技でした〜」という疑似夢オチが嫌い(それを一度やってしまうと、TRUEエンド自体にも夢オチの可能性を考慮しないとフェアじゃなくなるため)ってのが一番大きな理由。
あとは単純に、妖艶な悪女としての真中合歓が好きだったのに、いきなり本性は純粋無垢なヒロインでしたとか言われてもちょっと困るというか、単純にキャラの魅力が弱い。
デスゲーム下でドロッドロの人間関係を楽しんでいたのに、純粋培養の純愛を見せられてもう〜ん……って感じ。
それぞれの個別ルートの作り込みが素晴らしいので、それだけで満足だけど。