これぞ夏の田舎エロゲ(エロゲではない)
24/3/18(月)
前篇の感想
「夏の田舎のエモいエロ」を追求した作品として評判を聞いたので買った。
エロゲではなく3DCG動画とは…… こういうの初めて見るかもしれない
八尺様のエロ消費作品が少し前に流行ったけど、本作の「お姉さん」は、事実上そんな感じの怪異・妖怪みたいなものとして理解したほうがいいと思った。どうやって作ってるのかわからないけど、胸も口もあらゆるところがばるんばるんびよんびよん伸びて震えて波打つ。水風船でからだ全体ができているかと思うほど。手コキやフェラの往復運動もめっちゃ速いし、当然のように母乳?を大量に放出するし、もうこれマジックリアリズムだろ・・・
和姦なのでぜんぜん性的に興奮はしなかったが、上記のようにいろいろとおもしろく見た。
個人的にはもっとお姉さんのバックストーリー(なぜこの田舎に来ているのか等)を見せてくれたほうが好ましいんだけど、でもおそらくこの作品の志向はそうじゃなくて、一切バックストーリーが存在しない、夏の日に「ボク」が見た幻覚=怪異としての抽象的な「お姉さん」である必要があるのだろう。
一般的なエロゲやエロマンガとは違って、3DCGだからなのか、男性(少年)側の肉体もかなり丁寧に映し出されていて、お姉さんだけでなくそちらもけっこうエロかった。お姉さんでいちばんエロかったのは白いパンツ! 裸体より着衣派なので
夏の田舎要素を目的に視聴した身としては、舞台がひまわり畑のバス停留所の一か所だけだったのがとても残念。次回作に期待
毎日あそこで微妙に異なるエッチなことを繰り返すので、そういう演劇みたいだった。『ゴドーを待ちながら』みたいな……
次回予告で神社シーンがあったけど、がっつり描いてくれるかなぁ……一瞬だけのカットになりそう。
エッチしまくって疲れたお互い裸の状態で膝枕してもらうシーンをやったあとで、別の(Hしないで遊んだ)日に普通に服を着て膝枕して昼寝するシーンを配置してあるのがなんか良かった。着衣→裸ではなく裸→着衣の順なのが良い。
そのワケを分析するに、全年齢作品での膝枕シーンだと、女の人の太ももに密着して股間の近くに顔を埋めることからどうしてもセクシャルな「その先」が想像されて、それも含めて膝枕という行為が魅力的になっているが、この作品ではすでにセクシャルな「その先」をガッツリ描いているために、壁で跳ね返って非-エロに戻ってきているというか、「その先」という含意がない状態の、より純粋でニュートラルな膝枕シーンの良さが実現している……のではないだろうか。
エロとエモの関係がずっと気になっていて、本作を買ったのもそういう節があるのだが、本作を一度見ただけではまだまだ研究が必要だと思った。
まったくオカズとしては使えず、ハダカで喘いでいるお姉さんの後ろにチラチラ見えるひまわり畑とか、バス停の看板とか、地面の砂利や雑草とか、そういうところに目が行ってしまった。(もともとそういう目的で見た) 途中、影のでき方から、「ボク」がやってきた方角が西で、このバス停留所は南向きに建っている、つまり「村」の東の端のほうに立地している可能性が高いな……とか考えていた。
でも、それは決して、お姉さんとのエッチに興奮せずに冷静なオレ「異端」でしょすごいでしょ、というクソダサいマウント?を取りたいわけじゃない。私は、こういうド直球のエロ動画と同じくらいには、「夏の田舎」エモというのもポルノであると思っている。こうすればエロいでしょ、という記号の集積・組み合わせとだいたい同じように、こうすればエモいでしょ、という夏の田舎の記号(夏休み、ひまわり畑、バス停、麦わら帽子、白いワンピースのお姉さんetc.)の集積・組み合わせだって軽薄だ。それでも「エモい」と思ってしまうんだからポルノと云う他ないだろう。この作品は、エロとエモ両方の記号(テンプレート)をまったく外さずに、衒いなく真正面からぶち抜く覚悟で作られているのがわかる。じぶんは、ポルノのなかでもこういうポルノに時間を割きたい。