攻略ヒロイン6人+サブ10人以上と、ボリュームにもバラエティにも富んだ古き良き催眠モノ。イラストのクオリティも申し分なく、随所にこだわりが感じられた良抜きゲー
総プレイ時間:15時間
実プレイ日数:12日
催眠モノのフルプライス抜きゲーとして良作だった。
絵もとても綺麗だった。
・ヒロインについて
本作は、6人の個別END持ち攻略ヒロインがいて、そのうち主要な4人は全員十分に好みだった。
個人的に本作でもっとも評価したいのは、各ヒロインにレオタード/ハイレグ系の衣裳でのプレイシーンを完備している点だ。
唯菜は新体操部のレオタード、渚は体操着のブルマ、姫乃はフィギュアスケート部のユニフォーム。薫子先生にはどうするんだと思ったら、最初の催眠調教の終わりに「これからは常にスーツの下に、下着の代わりに体操服とブルマを着用するように」という催眠をかける天才の采配。これがマジで神だった。あとピンク色のガーターベルト/ストッキングもエロ過ぎる。ありがとう。
逆にいちばん残念だった点は、水泳部の渚に、スクール水着や競泳水着ではなく、わざわざビキニ水着(セパレート水着?)を着用するよう催眠してしまったことだ。もちろん、日焼け跡はエロいし、他の部員とは1人だけ異なる姿でいることの恥辱プレイを狙っているのは分かるが、そこで得られるメリットよりも、スク水ないし競泳水着でのプレイを削るデメリットのほうが遥かに大きいと個人的には思う。典型的な腹黒ぶりっ子という渚のキャラ造形自体はとても好みだっただけに誠に遺憾であった。薫子先生体操服の神采配とこれでプラマイゼロくらい。もったいない……
典型的なお嬢様キャラの姫乃も非常に好みだったが、縦ロールの毛量が多すぎて、CGでも「そうはならんやろ」と気になってプレイに集中できないときはあった。
姫乃と唯菜は2人とも、妊娠後の最後のシーンがファンや許嫁など男の前で淫らに堕ちた姿を見せるプレイだったが、男じゃなくて女──それぞれの部活の部員たちの前で犯されてほしかった。渚は部室でのフェラ中に他の部員が入ってきたり、プールで1人にだけ認識させるなどのプレイがあった。(ただし競泳水着じゃないのが悲しい定期) アニ研のオタク男子たちに見られて犯されるのもエロいけど、普段彼女と一緒にいる人達の前で羞恥プレイをやってほしかった。
幾つかのENDでは、催眠の愚かさに気付いて、(既に催眠で溺愛状態にした)ヒロインに対して、もう二度と催眠は使わないぞと決意して表面上の純愛ENDみたいになるものがあり「ええ……」となったが、ネタとしては面白かった。
残りの2人は全然好みではなく、シーンもスキップを使いながら読んだが、隣人の若妻OL小百合は魔法少女?のコスプレ衣裳、女体化の晶子ちゃんもブルマでのプレイが1シーンあった。女体化…いわゆるTSF(TGF)に触れたことが殆どなかったのでかなりビックリした。まだ自分はそこまでの高みには到達していないとわかった。自分のジェンダー意識はまだまだ保守的だと痛感させられ、実に教育的な作品だった。
小百合さんは単純にキャラ属性の何もかもがまったく刺さらなかったが、何がダメだったのか掘り下げようとすると言葉に詰まる。スーツ姿のOL属性がダメなのか、高圧的な性格がダメなのか、眼鏡がダメなのか、紫髪がダメなのか、若妻なのがダメなのか…… 顔が好みじゃないのかな……
また、サブヒロインも非常に充実していて、男の娘やら校長先生やら看護教諭やら弓道部女子やらシスターやらピザ屋のお姉さんやら、選り取り見取りのキャラと催眠シチュエーションだった。いちばん好きなのはやはり新体操女子3人組プレイ。
・こだわりのシーン描写
どの攻略ヒロインに対しても必ずキスに留まらず、口内を汚らしく犯すプレイが用意されているのにはこだわりを感じた。
(うがいしたのを口移ししたり、歯垢を舌べらで舐め取らせたり……)
スカトロ系も、画的にはモザイク多めでそこまで強くはないが、プレイ内容自体は放尿より先にも踏み込んでいて良かった。
あとはなんとしてでも母乳を出してやるぞ描いてやるぞという気概がヒシヒシと伝わってくるほどに、そちらの系統のプレイ/CGも多くて良かった。
・レトロな魅力
本作は、2021年も終わりかけの現在やると随所に古めかしいと感じられる設定があり、懐かしい気持ちになった。
主人公の太志(フトシ)はアニメ研究会を率いる肥満体のキモオタで、学校の皆から徹底的に蔑まれている。
こうした戯画的なステレオタイプのオタク像は、アニメがもはやメインカルチャーとなった昨今の日本社会を鑑みるとつくづく趣深い。
男主人公の顔や外見が描かれ、存在感が強いエロゲのほうが好みなので、フトシ君のことはわりと好きだった。
手に入れた催眠能力を使って学園じゅうの女の子を好き放題しているのに、毎週のアニ研の活動には部長として欠かさず参加するのが、真面目で偉いしかわいいな…と思う。学園のカースト最底辺ではあるんだけど、なんやかんやでアニ研の部員たちからは筋金入りのオタクとして尊敬されているのも微笑ましい。
毎日、催眠での性行為以外の時間は、就寝前や朝の登校前など、暇さえあればアニメやエロゲの積みゲーを消化しているのもバイタリティがすごいし、オタクとして自分もフトシさんを見習わなきゃな……と思った。
また、やけに一人称が「俺」の(サブ)ヒロインが多いのにも時代を感じた。よく知らないけど、十数年前はオレっ娘が流行っていたんですかね?
他にも、これを「古めかしい」と言ってしまうのは完全にアウトなのだけれど、女子同士の同性愛キャラ/シーンがオプションとして用意されていたのも印象に残った。というのも、なんとなく最近のエロゲでは、元から百合/同性愛ゲームとして宣伝するのでないかぎり、ヘテロHがメインの作品におまけ的にこうした描写が入ってくることは珍しいように感じるためだ。(実際にどうなのかは知らない) これは平然と女体化ヒロインや男の娘サブヒロインが出てくる点にも感じたことである。